【ネッフリ】非モテ系SF『スペクトル』の感想

《視聴中断回数:5回》

再生すると、5分経過したあたりから始まった。どうやら以前に少し見ていたらしい。全く覚えていない。そのまま見てみるが、思い出せない。忘れているということは…。
嫌な予感がするが、ともかく見てみよう。

Netflixによるあらすじ。
異次元の敵が襲来し、戦火に包まれたヨーロッパの街は壊滅状態。この危機に立ち向かうのは、ある技師と精鋭ぞろいの特殊作戦部隊。未知なる脅威との死闘が始まる。

「異次元の敵」「ヨーロッパ」「特殊作戦部隊」など、なんだか漠然とした言葉の並ぶあらすじだが、全くこの通りなのだ。設定は大体こんな感じ。うまいことまとめている。すげえ。

冒頭、どこかの紛争地域で兵士が謎の存在に遭遇するところから映画は始まる。暗視ゴーグルを通してしか見えないそいつは、人間らしい輪郭をしているものの、煙のようなエネルギー体のような、幽霊のようにも見える。兵士が驚いていると、いきなりぶん殴られた! 怖い奴らしい。しかも一発で兵士は意識を失った。強い。

ここで驚いたとき、兵士は「What the hell.」と言う。同じ意味で「What the f**k.」という言い方もあるが、f**kではなくhellを使ったということはこの映画は若者層を意識している可能性が高い。残酷な場面はないと考えられる。
最近はアクション系でどぎついグロ描写のある映画が増えているので、苦手な人はこういうのを判断材料にするといい。役柄で下品な言葉を使わないだけだったり俳優個人のNGという場合もあるが、この判断は結構当たる!
と思って調べたらPG-13だった。当たってない!

この異次元幽霊の正体を探るため、暗視ゴーグルを開発した科学者の男が招へいされる。幽霊の正体を科学的に調査し、対抗しようというのだ!
男は早速科学者らしい知性を発揮する。CIAの女が幽霊の正体は光学迷彩スーツを来た敵の兵士だと断言したのに対し、それはいち意見であって結論ではないと諭すのだ。ムッとした女から「ではあなたの見解は?」と尋ねられると、まだ情報が少なすぎて何も言えないと慎重な姿勢。実に論理的だ。間違いない、この男、モテない。

しかもこの男、影が薄いのだ。見た目は男前ふうなのだが、よくある男前という感じで覚えにくい。思慮深いせいで表情もぱっとしないし、冗談も言わない。なにより、俺がさっきから「この男」「この男」と書いているように、名前がわからない。
呼ばれたことあったっけ、名前? 影が薄くて、愛想が良くなく、理屈っぽいのに主人公気取り。間違いない、この男、絶対にモテない。

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情報を得るためには映像が必要だ、ということでこの男は高精細のカメラを用意する。しかもこのカメラを扱えるのは自分だけだからと戦地へ出向くと言う。科学者なのに。勇敢である。モテる気あるじゃん。
しかしみんなの反応は「まあそうだろう」程度でしかなかった。定番の反対さえされない。まあそうだろう。地味な理屈屋は多くの人間にとっていてもいなくても構わない存在だ。どうでもいい人間がなにをしようと、どうでもいいのだ。

つまりこの男が主人公になるには、モテるには、作中唯一の女キャラとエロいことをするには、俺達がCIAの女のおっぱいを見るには!
結果を出さなくてはならない。口先だけではダメなのだ。この男もきっと承知しているのだろう。だからあえて危険を犯すのだ。

だっていくら高級なカメラだからって、映像を撮るくらい誰でもできるでしょ。赤いボタン押したらいいだけでしょ。特殊部隊の連中がどんなに筋肉バカでも、それくらいできるよ。むしろ兵器のほうが操作難しいくらいだよ。
頑張れ男。PG-13がおっぱいOKなのかはわからないが、努力はしてくれ。お前の頑張り次第ではPG-15くらいにはできるかもしれない。一番ダメなのは行動する前から諦めることだ。やってみなくちゃわからない。まず行動。行動なくして結果なし。

主人公の男が装甲車にカメラを取り付けていると兵士たちから絡まれそうになるが、少し話したらみんな結構普通でそこまで盛り上がらなかった。タフなとこ見せるチャンスだったのに肩透かしを食った格好だ。根本的に相手にされていなければ、結果を出す機会さえ得られない。リアルで厳しい世界だ。

装甲車一行が現場につくと、待機しているはずの仲間が全滅していた。おまけに早速異次元幽霊に襲われる。異次元幽霊は想像以上に強く、触れるだけで人を殺すことができる。特殊部隊があっという間に全滅寸前までに追い込まれる。くそやべえ。
主人公の男は即座に撤退を提案するが、CIAの女に「アンタまだなんにも撮ってねえじゃん」と言われてしまう。平和な世界やSNSでは命を大事にすれば好評価だが、ここは戦場。真っ先に任務を放棄する奴に「いいね」が付くことはない。
だが次の瞬間、特殊部隊のリーダーも撤退を指示する。男は正しかったのだ。よくやった! ボタン一個分くらいおっぱいに近づけたんじゃないか?

チームは装甲車でどうにか逃げ出すことに成功する。主人公の男は、車内に先行部隊の生き残りがいることに気づく。救出に成功したのだ。主人公の男はさっそく「あれはなんなのだ」と答えを聞こうとする。
結果が重要なら知ってる人に聞けばいいじゃんという合理主義。間違ってはないが、間違っている。それでは…そのやりかたではモテんのだ! フリでも良いから、頑張っているところを女に見せろ! 『タッチ』を読め! 南ちゃんが怖い人に絡まれたとき、無謀に立ち向かったカッちゃんと、すぐその場を離れて警察を呼びに行ったタッちゃんではどちらが好評価を得たか。
だが待て、結局南ちゃんが好きだったのはタッちゃんではなかったか? すると…まさか、この男…!

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その矢先、地雷を踏んで装甲車が壊れてしまう。戦地のまっ只中で立ち往生。チャンスだ。命はヤバいが、男には人生で三度、命がけで何かをするべきときがある。今がそれだ。
付近のビルに逃げ込んだ一行。かなり追い詰められている。屈強な兵士たちが動転して感情的になっている。CIAの女も怪我をして呆然としている。色々チャンスだ、男。

主人公の男はまず女に優しくすることを選んだ。正解。最優先で優しくしてくる男を女は好む。なぜならそれが愛だからだ。
主人公の男は女の血を拭こうとするが、慣れないせいかうまく拭き取れない。ちょいちょいを触る程度だ。なんだ?
女の体に触ったことないのか? いいんだよ、こういうのはガーッといっちゃって! やるときゃやれよ、男だろうが!
しかもかける言葉が「血が出てる」「頭を打っただろ」「気絶した?」など事実を言うのみ。もっと感情に届く良い言葉あるだろ。見たまましか言えねえのかよ。女を笑顔にさせろよ。北風と太陽の話を知ってるだろ。温かい気持ちになれば人は服を脱ぐんだよ。

女の方も、リアクションに困ったような顔をしている。「はい」か「いいえ」でしか返事できないような質問だけでは女の方からも打ち解けられない。会話にならない。それなのに男の方では「今日、女と話した」ってことになってるんだから困ったもんだよ、モテん男ってのは。
うまく会話が弾まないので、男は応急処置できそうな兵士に女を任せることにする。タッちゃん作戦に切り替えたのだ。
どうかな。俺は違うと思うな、ソレ。

しかし、まだ終わりではなかった。兵士たちから異次元幽霊の正体についての意見を求められたのだ。専門分野なら活躍できるかもしれない。チームから尊敬を得られえば、個人の退屈さは目をつぶってもらえる。さすが主人公。神(作者)がチャンスをくれるぜ。
みんなが男に注目している。さあ言え! 鋭いことを! ゆっくりカメラが近づき、男は口を開いた。「人間みたいな姿だった。目が合った。人間ぽかった」男が言ったのはこれだけだった。
兵士たちも絶句である。念のため「ほかには?」と再度促してみるが、男は考えることもせず「ない」と返す。

結論が出た。この男、モテん。

ここでだいたい40分くらいが経過している。俺はおっぱいを諦めた。そういう映画ではないのだ。真面目なSF映画だったのだ。
その後、ラスト30分くらいでこの男は目を疑うような活躍をするけども(オーバーテクノロジー過ぎてめっちゃ笑った)、ときすでに遅し。女の心をつかむことはできず、最後男はひとりだけ安全な世界へ帰っていくのだった。引き止められもせず!

マジで一人だけヘリに乗って帰っていくからな。途中で合流した10歳くらいの少女は残ってるのに。大きな輸送ヘリに乗ってるのこの男だけ。みんなにこりともせずに見送って、ヘリのドアが閉まって映画が終わる。
モテん奴が二次会に行かずに帰るときみたいな感じ。

【ママー!これ買ってー!】


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設定を知ってすぐ思い出した映画。こちらもあんまりおもしろくなかったので途中までしか見ていない。予告編ではおもしろそうだったから結構期待してたんだけど。
でも途中までだから、最後まで見たら案外なにかあるかも。見ずに結論出すのは良くないよね。

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