【ネッフリ】『リトルデビル』を見る

→リトルデビル[Netflix]

《視聴中断回数:2回》

ほぼ中断することなく最後まですんなり見れた。そして、おもしろくなかった。
よくあるでしょう「何も考えずに見れておもしろい」みたいな言われ方をする映画。あれのおもろくないバージョン。何も考えずに見れておもろくない映画。

じゃあ時間つぶしに最適かって? まさか。
時間つぶしってのは比喩でしょ。人生において仕事・生活・勉学以外の時間は無意味だと信じ込んでる人の強迫観念だよ。ほんとに時間つぶしたらあかん。それは死と同じ。つまりこの映画は1時間34分のあいだ俺を殺していたってことになる。めちゃ許せんよな!

Netflixによるあらすじ。
美しい妻とその連れ子。新しい家族とともに幸せな生活を始めた男を待ち受ける落とし穴。決して笑わない義理の息子の存在が、やがて恐ろしき悪夢を呼ぶ。

要するに義理の息子が悪魔の子だった! というコメディ映画なんだけど、描かれるエピソードが見たいものと違っていたり、会話のやり取りがいまいち面白みがなかったりと、つまりギャグがおもしろくなかった。
コメディ映画でギャグがおもしろくないというのは他の楽しみ方を探すなどというレベルではない。頭が空っぽになる。空っぽすぎてふいに「僕は何を思えばいいんだろう 僕は何て言えばいいんだろう」という歌詞が浮かんだんだけど、何の歌だっけ?

主人公に魅力もない。飄々としていてなにを考えているのかよくわからず、次の行動が予想できない。予想できないので意外性がなく、笑いにつながらないのだ。であればボケを担当してくれれば良いのだけれど、向こうがが無口な悪魔の子なのでどうしてもツッコミ(リアクション)を担当せざるを得ない。

なにがしたいのか、どうなりたいのか。結婚生活を維持するために悪魔の子と仲良くしたいという目的は思いつくのだけれど、そうなりたいように見えない。そもそも義理の息子が悪魔の子かもしれないという序盤の不安、驚き、調査などの部分が本作にはほぼない。
指摘してくれる友人はいるのだけれど、その場面では主人公は真面目に聞こうとしない。なのに場面が変わるともう主人公は悪魔の子に違いないという確信を持っている。何を考えているのかよくわからない。

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上記の場面だけでなく、多くの会話が一方が何かを主張し、もう一方が否定(無視や真面目に聞かなかったり、すぐ別の話題を出したり)するというやりとりなので見ててストレスになる。そういうので話が動いたり、ギャグになったりしてればいいんだけど、本作ではそうなっていない。
会話の場面にはconflict(葛藤、対立、争い)が必要だと言われるが、この映画はそれを表面上だけでしか描いていない。なんのために必要なのかという目的を理解せずに書かれたとしか思えないのだ。

観客に疑問を提示するため、主人公に問題を意識させるため、キャラクターの主義や立場をはっきりさせるため、すなわち映画を盛り上げるため、物語を前へ進ませる勢いをつけるためなのに、些細なやり取りでも常に食い違う会話ばかりされてはこちらが困る。提示された展開に乗ればいいのか乗らなくていいのか脳を使わされ、ストレスだ。そんなところは本来考えなくても良いところなのに。

主人公がちゃんと明確に意思を見せてくれればいいのに、心が空っぽみたいな顔なのだ。そういうシュールさを狙った配役かもしれないが、うまくいってない。ただわからないだけになっている。
こんなホラーコメディ映画に小難しいことを言いたくはないが、言ってしまうくらいにストレスを感じたのだ! 人間というもの、ストレスが溜まると過度に理屈っぽく攻撃的になるもんなのだ。ストレス溜まった人ってフェイスブックに批判的な長文書いたりしてるでしょ。あれが、これ。

主人公がわかんなくても脇がわかれば良いんだけど、子供は悪魔の子で無口だし、妻は人の話を聞かない不愉快な女だし、気持ちの置き所がない。価値観が異端でも行動が突飛でも、人間としての感情は共有できるものなので、感情の流れだけをしっかり描いてくれればいいのだ。それがなければ純粋なセンス勝負で、作り手にとってはリスクしかないよ。センスで勝てるのは天才だけ。

もしかしたらこの映画は『タッカーとデイル』がそこそこ好評価だったので、監督のイーライ・クレイグが自分が天才であるかどうかを知るためにチャレンジした作品かもしれない。結果は残念なものだったが、チャレンジだったら憎さも半減だ。

……イヤ、今調べたけど、イーライ・クレイグって女優のサリー・フィールドの息子かよ。それで大した実績もなくせに自分を天才だと勘違い?
それでセクシーが特徴の女優を出して、内容とは関係のない露出多めの衣装を着せたり、胸元を強調した構図を撮ったりしてんの?
憎しみってのは、そう簡単に消えるものではありませんね。人間ですからね。しょうがない。むしろ自分にまだこのような熱い感情が残っていたことを嬉しく思います。

原題は『Little Evil』。邦題について思うのだけれど、日本語のタイトルを付けるのはわかるんだけど、『リトルデビル』みたいに英語のタイトルを新しく付けるのってどうなのさ。改題じゃあないのか。
まあ、どっちでもええっちゃええねんけどもつまり『Thunderbolt』を『デッドヒート』にする必要あったかなっていうことです。ほんとにどっちでもいいねんども、だからこそなんでかなと……。

いろいろ書いたけれど、全てストレスによるうわごとのようなもので、この映画について俺がいいたいのはただひとつ。ギャグがおもしろくないということだけです。

【ママー!これ買ってー!】


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主人公の感情がつかみづらいのにおもしろかった映画として『カンフーハッスル』を挙げる。しかしこの映画、大ヒットした『少林サッカー』の次の作品ということで大きな期待のなか公開された結果、日本でのチャウ・シンチーブームを一気に終わらせた作品として有名だ。
だが勘違いしてはいけない。この映画がおもしろくなかったとしても、それは作ったシンチーの責任だ。紹介した俺のせいではない。怒りを向けるべき相手はシンチーであって、俺ではない。

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