カナザワ行くならこちらもどうぞ備忘録

日本でいちばんかどうかは知らないがかなり前の方で尖っていることは間違いない映画祭、カナザワ映画祭の季節が迫ってきた。最初に行ったのは何年前かな。たぶん10年くらい前で、以降毎年とはいかないもののわりあい頻度高く6回ぐらいは行ったんじゃないだろうか。新潟の高田世界館で開催された時にもちゃんと行ったし。

俺は東京住まいなのでカナザワ映画祭に行くイコール金沢旅行に行くになる。海外はもちろん国内旅行もまず行かない出不精な俺なのだがそんなわけで金沢に関してだけは常連見習いといっていいほど足を運んでおり、まぁそれだけ通っていればここはカナザワついでに行ってみてくれという推し施設などもでてくる。せっかくなのでそのへん備忘録的にまとめてみようと思う…が、コロナ禍もありカナザワ映画祭が金沢の外で出張開催されていた時期もあり、おそらく俺が最後に金沢の地を踏んだのは5年か6年前。あれからいろいろありまして金沢の風景も以前とは一変してしまっているかもしれません。情報が古く既に潰れてる店などあってもご了承下さい。っていうか検索しろ。やってるかどうかぐらい自分で検索しろ!

JR金沢駅前のバス停

案外横にも縦にも広い金沢市内の観光地を巡るなら徒歩も不可能ではないが時間と体力を節約したいならやはりバス移動が基本。タイムスケジュールが毎回鬼詰めされているカナザワ映画祭ついでに金沢観光をしたい人ならやはり上映に遅れないためにもバスを使うのが無難だろう。そのバス移動に際してなのだが駅前のバス停で一日乗車券というのが600円とかそれぐらいで売ってる。金沢市内には近江町市場や東西茶屋街、武家屋敷跡やカナザワ映画祭の会場でもある金沢21世紀美術館など見所がたくさんあるが、その度に乗り降りしているとバス代もバカにならないので、観光予定が仮に白紙でもとりあえず朝出発する前に一日乗車券を買っておくことを推奨。

金沢21世紀美術館

推し施設もなにも今年2023年のカナザワ映画祭はここの地下シアターがメイン会場なのでカナザワ映画祭参加者なら推されなくても行くことになるわけだが、ちょっとそこのあなた、映画だけ観てホテルに帰ろうとしてませんか! それはあまりにもったいなく貧しい発想である。金沢21世紀美術館といえば日本有数の現代アート発信地、お金を払わずとも建物周辺の芝生スペースに置かれた奇抜なオブジェなどで遊びつつ特徴的な円形の建物を眺めるだけでも楽しいが、当然お金を払って展示室に入っても楽しい。

今どんな展覧会をやっているか知らないが常設されているぜひとも見ておきたい展示品はアニッシュ・カプーアの穴。これは光の反射率がゼロに近い特殊な黒の塗料で塗られた器状の巨大オブジェなのだが、光を反射しないので外から見るとまるでそこだけ奥行きのないブラックホールのような虚無の世界に見えるという一種のトリックアートである。実際に見てみるととても奇妙な体験なのでまだ見たことない人は必見。

それから金沢21世紀美術館もうひとつの顔となっている常設展示物がレアンドロ・エルリッヒのプール。これも一種のトリックアートで、上からこのプールを覗き込むと普通のプールに見えるのだが、水が張られているのは数センチだけで、ガラスで仕切られたその下はプールっぽい色に塗られた人の入ることのできる小部屋となっている。従って鑑賞者が上からこのプールを見れば水底にモヤモヤした人が立っているように見え、小部屋から上を見上げればやはりモヤモヤしたプールを覗き込む別の鑑賞者が見えるという仕掛け。実際小部屋に入ってみるとなんだこんなもんか感も正直あるが、どうせお金を払って展示室に入ればこれと一緒に他の作品も見られるので、別に損はしないだろう。

片町の表参道

こう呼んでいるのは俺だけかもしれないが金沢市内の繁華街・片町(たてまち)の東側、金沢21世紀美術館方面はやたらとオシャレな街路にオシャレなショップが並ぶミニ表参道のようになっている。オシャレすぎて店に入ったことはないのでオススメの店などは一軒もないが、表参道! とびっくりできるので要チェック。表参道なのに通る人はほとんどいない。

いろんな博物館

市内各所にいろんな博物館があります。よくわかりません。

兼六園とお城

よくわかりませんでしたが広かったです。まぁ兼六園の見頃は紅葉の頃だろうからカナザワ映画祭ついでだとまだ早いか。

壮麗な教会

市役所の並びあたりに海外クラスの大きなカトリック教会がある。東京の教会ならやはり品川カテドラルということになるのだろうが土地代の高さからか実用特化の小ぶりな教会が多いので、カトリックの建築様式と装飾を日本でも堪能できるこの教会は立派に観光名所。なんか行事(葬式とか)でもやってなければ入っても怒られないので、カナザワついでにぜひ立ち寄ってみてください。

喫茶ピノ

片町の裏手にあるザ・昭和喫茶。最近のワカモンどもは純喫茶がエモいと騒いでおるようだが本物の純喫茶、本物のエモとは、そこはかとなくヤンキーがたむろしてそう臭の漂う(※イメージであり実際にそうというわけではたぶんありません)ピノのような店のことを言う。お値段リーズナブルで分量たっぷり、喫茶というがメニューは昔ながらの洋食屋。

喫茶メルツバウ

入ったことはないがほぼ間違いなく同名のノイズ・アーティストから名が取られたサブカルパンキッシュな店と思われるので今度行きます。

JR金沢駅の東口

無駄にでけぇ網状アーチと水流で時間を刻むデジタル時計のオブジェがある。だいたいなんか催し物とかやってる。

モーゼの墓

急に市内から離れるがJR金沢駅から電車で約40分、宝達駅から何もない田んぼ道を15分くらい歩いたところにある集落の裏山にモーゼの墓を擁するモーゼパークがある。俺が行ったときには他に誰も来ておらずまるでゲームの『SIREN』の雰囲気で、記帳所は完全に蜘蛛の巣で覆われていたし入り口には「クマ出没注意」の看板まであり怖くてパーク全体を回らずにちょっとだけ見て帰ってきてしまった。しかし青森のキリストの墓と並ぶ日本の珍名所、なにせ市内からだと遠いので時間を作らないと見に行けないが、行けるのであれば記念に行っておきたい。ちなみに正式名称は伝説の森公園というが駅の人に聞いても知らなかったので「モーゼの墓に行きたいんですけど」の方が伝わります。

コスモアイル羽咋

近いということもないがモーゼパークのある羽咋市には宇宙科学博物館のコスモアイル羽咋があるので、どうせモーゼパークに行くならこちらにも足を伸ばしてみたいところ。宇宙科学博物館というだけありマーキュリー号や月面探査車の本物が多数展示されているすごいところだがそれに混じってロズウェル事件の解剖宇宙人なども置かれている(※レプリカです)

尾﨑神社の前にあるネコがたくさんいる店

なんの店かは知らないがネコがたくさんいた。

シネモンド

金沢市中心街の香林坊にあるミニシアター。なかなか洒落た雰囲気のある映画館で作品チョイスもハイセンス。むかしカナザワ映画祭の会場としてなんかホラー映画を流したときには上映中に場内の照明が点いてしまうも映画を観続けたい観客たちは誰もスタッフにそのことを言いに行かないので5分ぐらい明るいまま観るという怪奇現象が起こった(最終的に俺が電気消してもらいに行った)

和おんの湯

旅行といえば温泉だし金沢は温泉地でもあるとはいえ市内から行ける範囲には…と思いがちだがJR金沢駅の一駅隣にスーパー銭湯「和おんの湯」があり、温泉ビギナーの俺がハッキリ言うのもどうかと思うのだがハッキリ言って並の温泉よりも遙かに素晴らしい温浴体験が2023年現在の大人料金たった790円でできる。ここの湯は本当に素晴らしい。湯船・湯種の豊富さもさることながらひとつひとつの完成度が高く、中でも露天寝湯は水位が絶妙でこんな寝湯なら何時間でも浸かっていたいと思わせる。サウナも二種あり一種は塩サウナというこだわりの仕様、更に受付の人に頼めばアヒルのオモチャも貸してくれる(らしい)。詳しいことはホームページを確認していただきたいが、カナザワ映画祭の長丁場に疲れたらホテルに帰る前に絶対に寄った方がいい。

大野からくり記念館

金沢港の端っこにある小さな博物館でからくり人形やからくり細工がある。からくり人形は大抵動かしてみることが可能、からくり細工は手で触って遊べる。ここではないが大野は醤油の産地でもあるため近くに醤油アイスクリームを売ってるところがある(俺が行ったときは閉まってた)。どうせ金沢来たし日本海をどれちょいとでも見ておくかという気になったらこちらもどうぞ。JR金沢駅からバスで約20分。

ほかにもいろいろ名所あります

金沢は楽しい。先進的なものと伝統的なもの、高級文化とB級文化が共存していてひとつの街で様々な体験ができる。金沢駅前の都ホテル地下はそんな金沢の多様性を体現するような場所で、そこにあった水野晴郎似の喫茶店マスターは映画好きだったことから少しだけ仲良くなった。が、数年前の再開発で都ホテルごと消滅。金沢おそらく最後の成人映画館だった駅前シネマもハッテン目的の高齢男子とチェイスを繰り広げながら仮眠を取った思い出の場所だが、やはり数年前に閉館。おもしろいところがたくさんある金沢だが、その場所がいつまでもあるとは限らない。やはり気になるところがあれば次の機会になどと思わずまだそこが生きているうちに行っておきたいものです。

ちなみにカナザワ映画祭は毎回一人で行っていますがさすがに寂しくなってきたので今回行く予定ある人はよかったら現地で合流してカナザワで観た映画の話なんかしましょ?

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