そんな怖いなら田舎移住しなきゃいいじゃん映画『スターヴ・エイカー 召喚』感想文

《推定睡眠時間:50分》

とにかく寝ているという事情はもちろんあるとはいえつい数日前に観たばかりなのにどんな映画だったかほとんど思い出すことができない。たしかなのはポスターにはウサギがデカデカと描かれているもののウサギ怪物が襲ってくるような映画ではなかったということ、最近マジで流行りの「田舎に移住したら怖かった」映画の最新作であること、そして田舎移住夫婦が飼うウサギがかわいい、ということである。日本でウサギといえば白ウサギだが茶色っぽい毛色だったからこれは野ウサギなのかな。ウサギ飼いたいふわふわしたい。

それにしても本当に最近「田舎に移住したら怖かった」ホラーが多すぎるんじゃないだろうか。どれぐらい多すぎるかといえばつい先週も『ナイトボーン 夜哭』の感想文でまったく同じことを書いてしまったぐらいだ。そんなに田舎が怖いなら田舎に移住しなければいいだけだと思うのだがどうして自分から田舎に移住して怖い思いをしようとするのだろうか。といってもこうした映画の主人公たちはもちろん怖いと思って田舎に移住しているわけではなく、田舎暮らしは素晴らしいと思って移住しているわけだから、いったい欧米でどういうアレになっているのかはよくわからないが、こうしたホラーが作られる背景には田舎移住ブームのようなものがあるのかもしれない。田舎に憧れ、反面田舎に恐怖する。田舎を自分の想像の中でしか捉えることのできない都会人の現実感覚の欠如がそこには見られる……とまで言えば言いすぎか。

でこの『スターヴ・エイカー 召喚』、ちょっと『ローズマリーの赤ちゃん』風のオカルトムードもある、どちらかといえば『ウィッカーマン』のような異教ホラーとでも言うべきか。チラシにはフォークホラーと書いてあるし『ウィッカーマン』はフォークホラーの原点的な作品なのでその宣伝文句は誤りではないのだが、この映画は昨今フォークホラーと言う時にイメージされるものとは少し趣を異にするかもしれない。田舎にコワイ何か棲んでいるとか最悪な伝統があるとかそういう感じでは基本的にない。田舎に行ったらそこにはキリスト教以前の古教(ドルイド?)の痕跡が残っていて、時代を超えたその浸透力が次第に夫婦の日常を飲み込んでいくとかなんかそんな感じである。

だからかなり雰囲気映画。文学的というか、どうも原作小説があるらしいから実際文学なのだが、まぁなんか人食いウサギが暴れるような映画ではなかったね。人がザクザク死んでいくような映画でも登場人物が絶叫するような映画でもない。ホラーといえばホラーなのだろうけどそんなわけでジャンル映画的なホラーではなく、別にそういうものが嫌いというわけでもないのだが、なにせ俺がこれを見たのは金曜夜の仕事帰りだから疲労によりぐっすり逝ってしまい、金曜夜に観るにはちょっと掴み所がなかった。やっぱ金曜夜は人が景気よく死んでいく映画みたいのがちょうどいいよ(そのあと続けて観たのが『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』なのである意味その通りになったが)

Subscribe
Notify of
guest

0 Comments
Inline Feedbacks
View all comments