なんかスターウォーズ観た気がしない映画『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』感想文

《推定睡眠時間:40分》

状況がよくわからないがどうやら宇宙のギャングみたいなのが悪さをしていてマンダロリアンという賞金稼ぎがそいつをとっちめに来たようだ。開始即バトル、バトル、光線銃の銃撃戦、爆破。シリーズ名物のマンモス戦車も投入される大盤振る舞い。だがマンダロリアンが足を爆破したらバランスを崩して崖の下に落ちたのでよく考えたらマンモス戦車はウィークポイントがあまりにも明確な結構弱い兵器なのかもしれない。マンモス戦車の兵器としての能力はともかくこの時点でもう入眠である。昔から何度も何度も書いていることだが特異体質なので改めて書くが、俺は激しい銃撃戦になるとその音とか光が変な作用の仕方をしてカクッと昏倒してしまうのだ。普通は銃撃戦でバンバン音がして激しいアクションが展開されたら目がギンギンになるはずなのだが俺は逆に眠くなるので意味不明である。

そんなわけでいったい何がどうなったのかよくわかっていない。目を覚ました頃にはなんか知らんが闘技場的なところで戦いの日々を送っていたジャバザハットの親戚の若者ジャバをどうやらマンダロリアンが相棒のヨーダ族の赤ちゃんグローグーと共に救出しようとしていた。マンダロリアンは賞金稼ぎだから(それさえも劇中で知ったのではなくネットのどこかで読んだから知っているだけだ)何かそういう依頼があったんだろう。たぶんシガニー・ウィーバー演じる何者かに依頼されたのではあるまいか。だが、まぁ、どうでもいいことである。

寝ぼけ眼でスクリーンを眺めながら思っていたのは『スター・ウォーズ』って戦争だから面白いんだなということだった。だってタイトルからしてウォーズなんだから考えてみれば当たり前である。戦争があって、主人公たちは負けそうになっていて、なんだかんだ合って起死回生一発逆転。おそらく『スター・ウォーズ』シリーズ作は大抵の戦争アクションがそうであるように主人公側が劣勢であれば劣勢であるほど面白いんだろう。シリーズ最高傑作は何かという話になるとそれ自体戦争になってしまうわけだが、俺としてはやはり『帝国の逆襲』はストレートに面白い映画だったんじゃないかと思うし、もう一本個人的にお気に入りのシリーズ作を挙げると『ローグ・ワン』なのだが、この二作の共通点は主人公側が圧倒的に劣勢ということと、主人公側が負けたら銀河に大変な災厄が訪れるっぽいということである。

なるほど、『マンダロリアン・アンド・グローグー』、なんかいろんな宇宙生物は出てくるし、アクションも結構あるし、グローグーは可愛いしで面白いところばかりのような気がするのだが、振り返れば熱狂するようなところが思い当たらないのは、なにも俺が爆睡していたためだけではないかもしれない。『スター・ウォーズ』史は履修していないのでそういうのは専門家のみなさんにお任せするとして、冒頭のテロップによればどうやらこの映画で描かれるのは帝国崩壊後~ファーストオーダー結成前夜ぐらいのことらしく、ということはエピソード6『ジェダイの帰還』とエピソード7『フォースの覚醒』の間の出来事になるのだろうか、ともかく、詳しいことはわからないが、この銀河は戦間期なので平和である。平和といっても宇宙の至る所に悪事はあり次なる戦争の影もチラついているのかもしれないとはいえ、帝国軍やファーストオーダーによって宇宙庶民の普段の生活が一夜にして破壊されるような危険はないらしい。

あまり上等な手法ではないかもしれないが世界の危機というのはなんだかんだアクション映画における強い牽引力に違いない。ところが『マンダロリアン・アンド・グローグー』にはそれがない。だからどうにも締まらない。マンダロリアンが悪いジャバに歯向かって命の危機! とか言われてもまぁ宇宙広いしそういうこともあるんじゃない? ぐらいな感じである。こんなことシリーズのファンからしたら「は? 当たり前だろ? そういうドラマの映画版なんだから」なんだろうな。要するにこれはSF戦争映画じゃあなくSF冒険活劇で、路線としては『ハン・ソロ』と同じ。『インディ・ジョーンズ』とかとも似てる。ハラハラドキドキするような映画ではなくて、グローグーかわいいな~なんて思いながらマンダロリアンがいろんな星でいろんな種族と戦ったり仲間になったりするのをリラックスして楽しむ映画なんだろう。

そんな映画だとは思わなかった……! なんてことはとくになく、ドラマシリーズは未見ながら、予告編とかからなんかそういうやつだろうとは思ってたので、別に期待外れとかではぜんぜんない。ただ期待は超えてこなかったし、まぁ敵もスケールが小さいしで、『スター・ウォーズ』シリーズの映画にしてはずいぶん小粒にまとまったな、とは思った。俺はシリーズのファンではないので『スター・ウォーズ』かくあるべしとは言えないんですが、でもなんとなくのイメージとして『スター・ウォーズ』の映画ってやっぱ派手な戦闘シーンとかめちゃくちゃ強い敵とかを想像しちゃうから、そういうのが出てこないこの映画はなんかあんま『スター・ウォーズ』観たな~って気がしなかったな。たぶん、そういう従来の『スター・ウォーズ』とは異なる路線を模索して新規ファンを獲得しようとしたドラマが『マンダロリアン』なんでしょうけどさ。

※そういえば敵の用心棒が三度笠みたいの被ってたけど、赤ちゃんと賞金稼ぎのコンビは『子連れ狼』を彷彿とさせるから、あの三度笠も日本の時代劇をイメージしたファッションなんだろうか?

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