【ノオミ】映画『ラプチャー 破裂』の感想炸裂【ラパス】

《推定睡眠時間:0分》

ニヤニヤするよニヤニヤ。ニヤニヤ。まぁSMホラーとか基本的に嘘だからかわいそうな女の人が虐げられるのを見てニヤニヤしてるわけじゃないんすよ。ていうかそういう嗜虐趣味の映画じゃなくて良かったね。そういうの辛いんで見たくない。じゃあなんで見に行ったんだよっていう話になりますが。

ともかくニヤニヤするのはそこじゃないんだなこれはつまり結論から言うとノオミ・ラパスの映画であるしノオミ・ラパスの『ドラゴン・タトゥーの女』番外編であるし宇宙の果てでも被虐のラパス『プロメテウス』の、まるでファンメイド続編のような映画だったからニヤニヤだったわけですよー。

(リメイク版の)ルーニー・マーラ派には悪いが『ドラゴン・タトゥーの女』はもう圧倒的にノオミ・ラパス派でこいつぁドラゴン・タトゥーの女だなと原作を読んでもいないのに確信したのはチンピラに絡まれて激高したドラゴン・ラパスが空き瓶かなんかでチンピラを半殺しにする場面がオリジナル一作目にあったはずでそこでもう完璧に捕まれてしまったのですがデヴィッド・フィンチャーによるリメイク版での同様の場面はチンピラにひったくったバッグをみみっちく取り戻そうとするドラゴン・マーラであり、違うだろ! それじゃ足りない! もっと本気で殺しにいけよ!

その他諸々リメイクとオリジナルには相違点があり特にオリジナル版の「邸宅」シークエンスにあったリアリティと生理的嫌悪を伴う重厚ムードがリメイクでは雲散霧消していたその軽さは致命的にダメなんじゃないかと思うがそのへん記憶違いもありだいたい忘れているしそれに映画の出来がどうとか極めてどうでもいい話であり要するに重要なのは、ノオミ・ラパスだろ! やっぱノオミ・ラパスの烈火の怒りが欲しいんだよ! ということなのだった。

ノオミ・ラパスの『プロメテウス』は分かるが。『エイリアン』シリーズの武闘派フェミニズム映画としての側面を考えればルーニー・マーラの『プロメテウス』は想像が難しい。『エイリアン4』のウィノナ・ライダーのポジションならなんかピッタリな気もしますが。

つーことで文字数稼ぎが終わりましたので『ラプチャー』の話なのですがそのですねシガニー・ウィーバー魂を継承するノオミ・ラパスが、なんか謎の組織に拉致されて、微妙な拷問を受ける。そしてもちろん口から炎を吐かんばかりの勢いで大反撃に出るのだ!
『ドラゴン・タトゥーの女』といい『プロメテウス』といい拘束&拷問的苦痛&ブチ切れが十八番的ワンセットのノオミ・ラパスだ…。

あまりに拘束されてばかりなのでもう慣れてしまっていた。そこがまったく小気味よい『ラプチャー』だったのですが拉致監禁人体実験と聞けば一般人なら震え上がり精神の平静を保てないであろうがノオミ・ラパスは臆するところがない。
実験部屋に運び込まれる途中に耳に挟んだ謎のワードをこれが脱出の鍵と冷静に記憶。実験室で一人になるや躊躇することなく隠し持っていたナイフで手枷足枷を解錠。
迷わないように拾ったダクトテープで通った道をマーキングしていくあたり熟練のサバイバルスキルだ。さすがナチとエイリアンと巨人と戦って生き延びた人は違う。

ところで予告編でえげつない魅惑を放っていた恐怖症を利用した拷問ですが、凄かったですね。壁に写真が貼ってある。反対側の壁に男が縛りつけられている。男の目はルドヴィゴ療法的に閉じられないよう固定されている…そして壁が迫ってくる! そうです! 男は父親に虐待されていて写真には父親が写っていたのです!
いやわかるけれども。わかるけれどもその表現はなんだよ。あとあれなんだよ高所恐怖症の人を室内に作ったフリーフォールに乗せてぐわんぐわんやるやつ。慣れてきたらちょっと楽しくなっちゃうじゃんそれ。いいのかよ。ていうか恐怖症調べるのヒアリングかよ。いいのかよ。…まぁいいのか。

拷問にはズコーしないわけにはいかないがその意味で言えば『プロメテウス』もズコー大作なのでズコーであること即ダメではないわけでズコーすればズコーするだけむしろ輝くドラゴン・ラパス。こんなデタラメなズコー世界相手に単身本気の戦いを挑むドラゴン・ラパスはうつくしい。てめぇらのクソみたいに下らない理由で俺の人生を壊させやしねぇぞコラってなもんです。
身長165cm(劇中情報)の小柄な体に秘められた不屈の闘志と小型高性能の忍者的俊敏あと二の腕の筋肉とタンクトップ。トイレで、逃走途中なのに、小便をする余裕を見せて、うな垂れながら、まるでブルース・リーのようにトイレットペーパーを引きちぎるノオミ・ラパス。か、か、かっこいい…!

ダクトテープ映画に外れなしの法則が映画ファンの間でまことしやかに囁かれている(らしい)。ダクトテープにボンテージテープ、加えてタンクトップが大活躍するのが『ラプチャー』だった。ボンテージ、ダクトテープ&タンクトップ。なんらかのエレクトロ系ユニットの名前のようだがまぁだからおもしろかったよねおもしろかったです。
あれですあれ、足りないのはねノオミ・ラパスとエイリアンの死闘ですねそれだけが足りなかったエイリアンも巨人も出てきませんが(しかし、やはりある意味でこれはノオミ・ラパスがシガニー・ウィーバーの足跡を辿る『プロメテウス2』だったのだ!)

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そういえば『ラプチャー』にはあまり意味のないノオミ・ラパスの一児の母設定がありこの息子(パーシー・ハインズ・ホワイト )というのが屈折率の高い味わい深い面構えで良かったがバトルマザーのノオミ・ラパスは『チャイルドコール』に確認でき、やはりやはり『ラプチャー』はノオミ・ラパス映画だったんだな! の思いが強まる。
『チャイルドコール』、『ジャンク・メール』のポール・シュレットアウネの北欧家具みたいなサスペンスでおもしろかったですなにそのいい加減な例えは。

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