《推定睡眠時間:50分》
ディーン・フジオカという人が何の人なのかよくわかっておらずそういえば前に『Pure Japanese』とかいう映画をセルフプロデュースして作ってたなというその記憶だけがあるのでその『Pure Japanese』も観てないのだがタイトルからなんか思想強めの映画かも、と思っていたところに飛び込んできたこの『オラン・イカン』は太平洋戦争中のお話ということでやはり何かしらみなさんに伝えたいことがあるタイプの人なのかもしれない。しかしその思いに反して(?)半魚人。太平洋戦争中に上官に歯向かって捕縛された日本兵のディーン・フジオカと日本軍の捕虜となった米兵が足を鎖で繋がれたまま無人島に漂着、するとその島には凶暴な半魚人が棲んでいたのだ……というプロットはメッセージ性よりもバカっぽさが強くアタックしてくるのであった。
もっともバカっぽいのは設定だけでお話自体はかなり大真面目のようだ。敵対する者同士が鎖で繋がれたまま何かする映画といえば人種差別テーマの名作『手錠のまゝの脱獄』だが、こちら『オラン・イカン』も最初は反目していた日本兵と米兵が一緒に半魚人と戦っている内に仲間意識が芽生えていくというイイ話。同じ人間同士ケンカばかりしててどうする。半魚人が襲って来るんだ。力を合わせないと死んでしまうぞ。さぁ、仲直りして一緒に戦おう、こうなれば一蓮托生だ……すごくイイ話なのだが、イイ話であればあるほど襲ってくるのが半魚人というバカっぽさもまた際立ってしまうところがちょっと悲しいかもしれない。
イイ話なのはわかったが、なにせ舞台は無人島であるから絵面の変化が乏しく、そのうえ暗いシーンが多いから半魚人がよく見えないというのはモンスター映画としてどうなのかと思わされるところ。といっても上映時間の大半は寝ているので偉そうなことは言えないのだが、なんかだいたい浜辺で戦ってた気がするし、おそらく俺が寝ている間に果物とか武器とか探しに島の中の方にも入ってはいったのだろうが、もうちょっとこう……展開にメリハリというか……サービス精神というか……だってせっかく半魚人なんですし……島の地下に日本軍の半魚人製造工場があってそこでは人間魚雷こと伏龍を発展させ南方戦線の島々に密かに上陸したり海中から連合軍の艦隊を攻撃するために石井731部隊から送られてきた捕虜を実験体として半魚人を作っていたのだとか……それは『武器人間』だろ! でもそういうハッタリ感とオモシロが欲しかったよね。もし俺が寝てる間にディーン・フジオカが島の地下に隠された日本軍の半魚人工場を爆破したりしてたらすいません。