映画爆睡感想文『KILLERS/キラーズ ~10人の殺し屋たち~』(ネタなし注意)

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《推定睡眠時間:60分》

ここ数年ニコラス・ケイジ出演作が年2本は当たり前、多いときで4本ぐらいは劇場公開されていたので1月の『トゥ・ヘル』とこの『KILLERS/キラーズ ~10人の殺し屋たち~』しかおそらく公開されていない今年はニコラス・ケイジ不作年、それもどっちも単館の企画上映でそれぞれ計6回ぐらいしか上映されていないのでファンには寂しい一年だっただろう。観たところで寂しさが解消されるかというと作品の質的にそうとも言い切れないのが近年のニコラス・ケイジ映画ではあるが。

『トゥ・ヘル』は見逃してしまったので『10人の殺し屋たち』はなんとしてでも観なければと思っていた。この機会を逃したらスクリーンでニコラス・ケイジに会わないまま一年を終えてしまう! 終えても構わないとは思うがここのところ毎年1本は最低でも映画館で観ていたからな。それがゼロとなるとやっぱり寂しさがあるのです。今のニコラス・ケイジは寅さんのようなもの。この際、作品の出来とかそんなことはどうでもよい。スクリーンでニコラス・ケイジに会うことがニコラス・ケイジ映画を観る目的なのだ。スタァである。

っていうことでバイトで疲れているのを押して観に行ったらびっくりしたよね今回のニコラス・ケイジは安ホテルのオーナーなんですが退屈かもしれねぇが俺の話を聞くかい? とか言って開始5分ぐらいで回想に入っちゃって寝てたから定かではないのだがそれがニコラス・ケイジの回想ではなく! なく!! ニコラス・ケイジがホテルに匿ってるというか色々因縁あってそこに身を寄せていた女殺し屋みたいな奴がなんでそこに至ったかみたいなそっちの回想になってしまう!

そのパターンで来たか。拘束時間を長く取れないスタァ俳優を最大限活用するために冒頭にとりあえず顔だけ出しておいて後は回想進行で他の俳優に色々やらせて最後の最後に現在に戻ってくる形で再びスタァ俳優を出すっていうセガール映画とかでよくあるやつ。そのパターンかぁ。
でも寝ていてちゃんと観てないから文句は言えない。既に言っているような気もするが言えない。それにセガール映画のセガールよりニコラス・ケイジ遙かにちゃんと芝居をしていたしホテル以外のシーンにも出ていたからセガールみたいに職務怠慢ではない。

なによりね、ニコラス・ケイジ立ってましたよ。狂言回し役なのにずっと立ってるんです。すごくないですか? セガールだったらそこは絶対座るね。

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予告編を見たり他の人の感想を読んだりするとどうもこれはアクションというよりはミステリーに近い構成の映画のようだ。観に行ったのに「ようだ」と書くのもどうかと思うが大半寝ているし起きている場面でも何が起こっているかわからなかったから仕方がない。起きている場面で何が起こっているのかわからなかったということは確かにストーリー重視のミステリーなのだろう。わからなかったことを根拠にしてわからないものをわかるという推理法も世の中にはある。

それにしてもなぜこんなに寝てしまったかといえばその理由はわりとはっきりしていてまず照明が基本的に暗い、そして会話がめっちゃ長い。悪徳警官的な誰かが拉致してきたのかもしれない誰かをパトカー的な車で運びながら何かを聞き出そうとしているような雰囲気(すごいわかっていなさだ)を醸し出すシーンで一旦目が覚めたのだがここがもうとにかくダラダラダラダラと長く、細かいカッティングでなんとか退屈にならないよう工夫している感じもあるのだが狭いパトカーの中でいくらカッティングに凝っても限界があるだろう、っていうかこういう極度に狭い空間であえて細かくカットを割るというのはもっと短いシーンで緊張感を高める目的でやるものなんじゃないだろうか、一般的に。

というのもあって、映画全体としてそうかどうかはわからないが起きていた場面の印象だけで言えば結構平板。BGMもメリハリなくラウンジミュージックみたいに流していく。これがまた、困ったというと変なのですがムーディーな良い曲ばかりで…眠くなってしまう。音楽マリオ・グリゴロフ。『サイレンサー』とか『プレシャス』とか少しクセのある佳作系映画の音楽をよくやっている人。監督/脚本のケン・サンゼルはチョウ・ユンファの『リプレイスメント・キラー』の脚本家というから結構、ちゃんとした人が作っている。

回想に入る前にニコラス・ケイジ、退屈だったら言ってくれよな、みたいな冗談を言っていたからもしかするとこの倦怠トーンはある程度狙ったものだったのかもしれない。パトカー?の場面とかそんな感じあったよ考えてみれば、『パルプ・フィクション』風のオフビート。絵的には安いがストーリーは起きていた部分だけ見てもしっかりしていた、というバランスの悪さ。
いかにも信用できないニコラス・ケイジが汚ねぇホテルのラウンジでこんな変な客が来たんですよみたいな話を酒片手に殺し屋に語っていくストーリー(らしい)なのでストレートなアクションとかミステリーというよりは、そういう微妙な可笑しさをスナック感覚で味わう映画だったのかもしれないですねぇ。大人の映画だ。

【ママー!これ買ってー!】


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ニコラス・ケイジってよくホテルとかモーテル泊まりますよね。『リービング・ラスベガス』とか。他に例が思い浮かばなかったからよく泊まってないのかもしれないが泊まるに飽き足らず経営に手を出して「屋根裏部屋の散歩者」に開眼してしまうのが『ダークサイド』。おもしろかったとは素直に言えないがつまらなくはなかった。つまらなくはなかった(強調)

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