【オソレゾ】極私的おすすめホラー映画10選(2019年2月版)

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まず初めに言っておきますけど個人的にはオソレゾーン、勧めないっすから。作品ラインナップがあまりに貧弱すぎるんで。結構ほかの配信サイトで観られる映画もあるし。
ホラー専門を謳っといてこれは…という愚痴はもう【入ってみた】ホラー専門動画配信サイト『OSOREZONE』雑感に散々書いたので繰り返しませんが、とにかく勧めない。現時点では。

勧めませんがとはいえつまらない映画ばっか入ってるわけじゃないので、どうせ入るなら観たい映画を完全俺基準でピックアップ。
できるだけ他サイトで配信されているものは外したつもりだったがこれたぶん他のサイトでも結構観れるな。まぁそれは俺が悪いんじゃなくてオソレゾーンのラインナップが悪いので文句はそっちに言ってください…。

『ピラニア(ピラニア3D)』(2010)

ジョー・ダンテの初期傑作『ピラニア』をフレンチ・スプラッター新世代の旗手(だった)アレクサンドル・アジャがリメイク。
エロくてバカな若者どもが群れるスプリング・ブレイク真っ只中の湖に殺人ピラニア大放出。血とオッパイと男性器が乱れ飛ぶ大笑いの大惨事になってしまう。

公開時は『ピラニア3D』が正式タイトルだったが今は単に『ピラニア』のタイトルで通っているらしく、オソレゾでも『ピラニア』で登録されていた。
映画の公開された2010年といえば『アバター』の公開で3D映画ブームが巻き起こっていた頃。ブームに乗り遅れるなとなんでもかんでも大した意味もなく3Dになる中、アジャが3Dで観客の眼前に突きつけたのは千切れた男性器であった。

最強に下らないがその反骨精神たるや。当時の文脈から切り離して2Dで観るとそこらへんが伝わらないのが残念でならないが、ろくでもない内容は2019年現在も俗悪な輝きを放っている。

『マニアック』(1980)

こちらもアレクサンドル・アジャが製作・脚本を務め主演にイライジャ・ウッドを迎えて2012年にリメイクしたアメリカン・スプラッター・クラシック。
このオリジナル版の方では脂身俳優ジョー・スピネルが演じていた殺人鬼をリメイク版ではイライジャ・ウッドが演じたわけですからすごいよね。まぁそっちはオソレゾのラインナップに入ってませんが。

内容としては王道トラウマ殺人鬼もので、あんまり恵まれない子供時代を送ってきた孤独脂身ジョー・スピネルが夜な夜な娼婦の頭皮を剥ぎに出かけては半泣きの血まみれになる日々を描いた荒み系スプラッター。
頑張って剥いだ頭皮で理想の等身大フィギュアを作ろうとするジョー・スピネルのドン引きキモオタっぷりに泣けてしまうな。主演のみならず製作総指揮に原案・脚本まで担当した入魂っぷりを知ればもう号泣である。

『ゾンビ ディレクターズカット版』(1979)

その『マニアック』で凄絶スプラッター特殊メイクを担当、加えてジョー・スピネルにショットガンで顔面を撃ち抜かれる被害者役まで嬉々として演じていたナイスガイな特殊メイク・アーティスト、トム・サヴィーニの代表作といえばやはり『ゾンビ』。
なにがあったか知らないが突如として世界規模で死体蘇生開始。ゾンビどもの蠢く終末世界で色んな人たちがどうにか生き残ろうとあれこれ頑張る。

内容に関してはホラー好きな人はみんな知ってるだろうから俺がなんか付け足す必要とかないとおもいますが、一番終末感が出ているのが一番長尺のディレクターズカット版で、北米公開版とアルジェント監修版では編集マジックで存在ごとカットされてしまった沿岸警備隊が出てくるだけでも受ける印象は相当違う。
北米版かアルジェント版だけ観てればいいっしょと思った人はこっちも観ると面白いんじゃないかとおもう。俺はこのバージョンが一番好きです。

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『ヘルレイザー』(1987)

パズルボックス! ピンヘッド! メタル冥府と拷問快楽! スプラッターパンクの帝王かどうかは知らないが帝王っぽいホラー小説家クライヴ・バーカーが筆をぶん投げてカメラを取った異次元スプラッター巨編。
なんのことはない平凡人がなんのことはない平凡な一軒家に引っ越してきたと思ったらそこは曰く付き、解くと快楽の彼方に肉体&魂を持ってかれる魔道具パズルボックスで逝ってしまった男がかつての住人で…なんか色々たいへんなことになる。

血の出もすごいが圧巻はやっぱ独創的な世界観で、王道パターンからの逸脱を客側が拒んでしまう保守的なスプラッター業界においてこーんな諸々迸ってしまったアーティスティックな映画というのは少ないんじゃないかとおもう。
冥府が『エイリアン』のノモストロ号みたいな金属空間というだけでも充分異様だが、そこから出てくる修道士の特異なキャラクターは他に類を見ないと言い切りたい。

『バスケットケース』(1982)

『ヘルレイザー』はSMスプラッターなので精神の奇形という感じですがこっちの奇形スプラッターは身体的な奇形。
切り離されたシャム双生児が復讐行脚に出るお話で、これも、そんなシャム双生児いないだろのツッコミを許さないなんとも形容しがたい形状の殺人シャム兄・ベリアルのキャラクターが濃すぎる。今なら倫理的に絶対不可(むしろ不可であって欲しい)

フランク・ヘネンロッターという監督の資質もあって続編はどんどんコメディ方向に向かっていくが、それはそれで面白いとしても夜のマンハッタンの(たぶん)ゲリラロケが醸し出す荒廃ムードやチープな特撮が対照法的に強調する悲痛なメロドラマが一作目の魅力。
どぎつい俗悪描写の裏側にべったりとへばりついた居場所を求めてさまよう人間の切なさとやり場のない愛憎は、わりと本気で泣けると思う(思う)

『ファンタズム』(1979)

『ヘルレイザー』『バスケットケース』と悪夢のような映画が続くが、比喩ではなく悪夢そのものな映画が『ファンタズム』。
少年が葬儀の席で見かけた謎の男トールマンとその従者に追いかけ回されるシーンが脈絡なく続くだけであまり明確なストーリーはなく、少年が初めて経験する死を詩的かつキッチュに表現したダークなジュブナイル・ファンタジーとも言える。

不気味な音楽は良いし殺人銀球みたいなわくわくのキラーアイテムも出てくるが、血はあんま出ないし悪夢らしく抑揚がないのでぶっちゃけ俺の中ではかなり眠い部類に入る。
だがしかし、悪夢の映画は途中で眠ってこそ風味が増すというもの。臆することなく万全の体調で睡眠鑑賞に臨みたい。自分の夢と映画の内容が混ざり始めてからが真の『ファンタズム』体験である。

『血の魔術師』(1972)

悪夢な映画といえばアメリカン・スプラッターの開祖とも言われるハーシェル・ゴードン・ルイスの『血の魔術師』も一度観たら二度と忘れられない悪夢っぷり。
もうストーリーとかスッカスカの支離滅裂だし演出は破綻していて意味不明であるし無名俳優は何をどう演じたらいいか分からないままとりあえずカメラの前に立ってる感満載で、開始5分ぐらいで既に自分が何を見ているのかわからなくなって笑えてくるが大量の血と臓物だけは迫真で笑えないというなんとも凶悪な映画である。

だが俗悪も底が抜けると哲学になる。怖い物知らずの観客を舞台に上げてぶっ殺す奇術(奇術か!?)の興行を行っている奇術師には自分が引き裂いた観客の臓物がありありと見える、他の観客にはそんなもん見えないのでなんだこりゃという感じになるが、その奇術師の見る血まみれの主観が次第に人々に伝染し客観を形成していく段に至って、映画は黒沢清の終末映画を何十年も先取りしたような形而上学ホラーの様相を呈すのだ。必見。

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『カリスマ』(1999)

というわけでその黒沢清の終末映画ですが時期的には『CURE』の後、『回路』の前なのでテーマ的には共通するところもありつつ、こちらはホラーというか乾燥したコメディ調の寓話という感じ。
人質事件を解決しようとしたら人質も犯人も死んじゃって大傷心の刑事・役所広司。心の傷を癒やすためにふらりとどっかの森に入ってみたらいかにも惨めったらしい今にも死にそうな木が生えていた。

その木こそカリスマ。なぜカリスマかはわからないがとにかくカリスマなので、その木を後生大事に守っている人がいる。
だがカリスマは生きるために毒素を放つ。そのせいで森が死滅すると信ずる人々は森を守るためにカリスマ伐採を主張して、カリスマ保護派との戦争に突入していくのだった。

むかし観たときはなんのこっちゃと思ったが、グローバル経済とテロリズムの21世紀にはこういう構図あっちこっちで見るよねーって感じなので観ていると現実が怖くなってきてしまう、そういう意味では確かにホラー。

『吸血鬼ゴケミドロ』(1968)

ビッグインパクトなタイトルがまず凄い邦画SFホラー・カルト。ゴケミドロというのは人体に寄生するスライム状の宇宙生物で、見た感じもんじゃ焼きの焼く前みたいな。コケにヘドロか血みどろを足したネーミングだろうか。

そのゴケミドロはしかし予算の都合からかあんまり画面に出てきてくれることはなく、基本的にはこちらも邦画SFホラー・カルトの『マタンゴ』を踏襲したようなドロドロ密室劇の観。人里離れた山中に不時着した旅客機の一癖も二癖もある乗客たちが欲とエゴを剥き出しにして憎み合い奪い合い殺し合う。

しかしそれに終始してくれないからカルトなわけで、UFOと吸血鬼、オカルト要素とパニック映画的興趣、ビザ~ルなクライムサスペンスと疑心暗鬼の密室ドラマが渾然一体となったシュールでグロテスクな異形のホラーとなっているのだった。

『バトル・ハザード』(2013)

『クリード 炎の宿敵』ではロッキーの敵役ドラゴを憎々しくも哀愁たっぷりに、『アクアマン』では腹に一物ある風の海底王国の王を重量感たっぷりに演じていたドルフ・ラングレン。
筋肉スタァ随一の知性派にして演技派でありながらあまりメインストリームの映画とは縁が無かったラングレンに、ビッグウェーブがついに来てしまったか。
これは乗るっきゃないのでオソレゾに唯一あったラングレン主演作『バトル・ハザード』を推さないわけにはいかない。

ロボット×ゾンビ×ドルフ・ラングレン。それが『バトル・ハザード』である。どうだ面白そうでしょう。面白いよ! ちょうおもしろいとおもうよ!
だってロボットの造型とかゾックみたいだしね! 目がモノアイなんですよ目が! ゾンビ掃討用に開発されたこの人間サイズのジオン製モビルスーツみたいなロボットとラングレンは友情を育む。

ロボットとジョークを交わしながらゾンビの群れと戦うドルフ・ラングレン! こんな夢のような光景が見られるのは『バトルハザード』だけだ。ラングレン・イヤーの2019年、なにがなんでも観ておきたい映画である。

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