実写版『アラジン』改め『ジーニー』感想文

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《推定睡眠時間:25分》

更に改めてタイトルは『ウィル・スミス』でもいいんじゃないかと思うぐらいジーニーというかウィル・スミスが出ずっぱり。公開前は青いウィル・スミスが話題になったが茶色いウィル・スミスも出てくるし色とりどりの衣装をまとったウィル・スミスも出てくるし歌うウィル・スミスも出てくるし踊るウィル・スミスも出てくるし恋するウィル・スミスも出てくるしパンプアップするウィル・スミスも出てくるししょんぼりウィル・スミスも出てくるしウィル・スミスが分身して何人にもなるしキャスト・クレジットの筆頭は誰だか知らないアラジン役の俳優を差し置いてウィル・スミス、ストーリーはジーニーと一人二役の船乗りウィル・スミスの語るお伽噺の体を取っているのでオープニングに出てくるのはウィル・スミス、ジーニーの魔法によって王様になったアラジンが絢爛たる家臣軍団を従えてジャスミンの待つアグラバー王国を訪れるミュージカル・シーンで隊の先頭に立ってカメラを独り占めしているのはウィル・スミスだ。

あまりにもウィルがスミしているのでアラジン&ジャスミンの影が激薄。主人がいないと俺は何もできないんだと愚痴をこぼすジーニーだったが嘘をつけお前完全に主人食ってるだろう。完全にアラジンの方が下僕だろう。
いいのかこれで。そこらへんアニメ版『アラジン』に思い入れがまったくなく『アラジン』といえばアニメよりもスーファミゲーム版の魔法の絨毯で洞窟を脱出するステージの絵が頭に浮かぶ俺には良いも悪いも判断できないが、なんにせよ『アラジン』改め『ジーニー』、『ジーニー』改め『ウィル・スミス』。とにかく、ウィル・スミスの存在感が圧倒的なウィル・スミス映画だった。

『アラジン』としてどうかはわからないがウィル・スミスの映画としてはどすこいおもしろかった。こうまでウィル・スミス類型が並ぶとやはり壮観、本来はそこも大いに見所であろう(魔法の絨毯でアラジンとジャスミンが『ホール・ニュー・ワールド』を歌いながら、という)実写版『ダンボ』でも見たような新味のないアグラバーの街並みショットなんかどうでもよくなってしまうくらいなウィル・スミス百景である。
キュートな芝居をするじゃないかウィル・スミス。悪徳大臣ジャファーにランプを奪われた時のガックーンした肩の落としっぷりとか良いですよね、わかりやすくて。隠さないですからウィル・スミスは。嬉しい時は嬉しい、悲しい時は悲しい、カッコつける時はカッコつける、面白い俺をアピールする時は面白い俺をアピールする、演技派な俺を見せたい時は演技派な俺を見せる、これがウィル・スミスですよ。エゴはあるけど嘘はない。ただエゴはめっちゃある。ただエゴはめっちゃある。

取って付けたようなジャスミンの現代を生きる女性アンセム(的な歌)とか監督ガイ・リッチーらしいスローモーションとかはもはやどうでもよい、アラジンすらどうでもよい。ウィル・スミスあるのみ。ウィル・スミスを吸引するための映画であった。

補足:
インド映画の影響もありそうな色彩乱舞なミュージカル・シーンはおもしろかった。あと絨毯がかわいかった。しかしそれよりもウィル・スミス。

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心が壊れたので会社に来ては仕事をせずにドミノ倒しだけして帰るウィル・スミス、という直截的であることを是とするウィル・スミスらしさが爆発したウィル・スミスが見られるウィル・スミス映画。
大胆にも映画史上の傑作と同名邦題なのはウィル・スミスの意志ではないが、ネーミング担当者の背中を押ししたのはウィル・スミスの大胆不敵っぷりだろう。

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