闇鍋爆発映画『神と共に 第二章:因と縁』感想文

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《推定睡眠時間:0分》

『第一章』から続く『第二章』は同時撮影の分割公開かと思っていたが役者の顔ぶれも結構違うし別々に撮られたっぽい。映画が始まる前には前作のダイジェストも付いているので意外とこれ単体で観た方がスムーズに映画の世界に入れるんじゃないだろうか。ストーリー的には前作ラストから直で繋がるがかなり、かなりテイストの違う続編になっていたのでぶっちゃけ困惑である。マジ困惑である。

前作で地獄を巡った実直な消防士キム・ジャホンの弟スホンの地獄裁判を新たに担当することになった地獄弁護士三人組。だがスホンは前作で悪霊(のち更正)になってしまったので正規の裁判を受けられず、困った地獄弁護士三人組は閻魔大王の持ちかけた死に損ないの老人の回収依頼を引き受ける。そいつの魂を持ってきたらスホンは裁判を受けられるらしい。地獄の沙汰は閻魔の気分次第だ。

さてその地獄デスノートに書かれているので本来死ぬはずだが何故かまだ生きている老人、実はソンジュ神ことマ・ドンソクの庇護を受けていたのだった。ソンジュ神とは屋敷神、詳しいことは知らないが映画を観る限りでは家を守る霊みたいな感じだったので…つまり座敷童子。韓国の座敷童子はマ・ドンソクであった。

コリアン土着信仰の世界を知らないので地獄弁護士と座敷童子のヒエラルキー的なものはわからないが肉体的にはどう考えてもマ・ドンソクが強いので下界に降り立った地獄弁護士二人は歯が立たない。どうしよう、こいつをなんとかしなきゃ老人を連れていけない。

一方、地獄に残った地獄弁護団のリーダー・カンニムはスホンを下級審的な各地獄の法廷に連れて行く。地獄ルールなのでよくわからないがそっちではとりあえず裁判が受けられるらしい。いくつか飛ばした地獄もあるが前作ではちゃんと全部の地獄で裁判受けてたのにそれオッケーなのか。まぁ、地獄だから現世の人間には計り知れないものがあるんだろう。

スホンは兄同様に生まれ変わりの権利を持つ貴人。地獄弁護士チームが受け持った48人目の貴人であり、彼を無事生まれ変わらせることができれば地獄弁護士チームもようやく千年もの地獄労働から解放されて生まれ変わりが許される。なぜ48人なのか、貴人判定が雑すぎないか、など思うところは色々あるがとにかくそういうことになっている。

ということで地獄弁護士チームとしても力が入るのだったがー、そんな彼らを待ち受けていたのは思いも寄らぬ壮大かつ突飛な運命であった。どうなる地獄弁護士チーム。どうなった、前作で生まれ変わったキム・ジャホン(出てこないのである)。

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なにせ盛りすぎている。もうどうあらすじを書けばいいのかわからなくなるぐらいに盛っているし、そのルール最初に言わなかったじゃないですか的な後出しじゃんけんがオモシロ至上主義により認められてしまった結果、後出しを出し抜くべく更に後出し、後出しの後出しを出し抜くべく更に更に後出し、後出しの後出しの後出しの…みたいな際限の無い後出し無間地獄にシナリオが落ちてしまっているので、サービス精神旺盛で面白いが文化の違いもあって基本わけわからん。

スホンとカンニムが前作でも通ったなんとか地獄を通過する時に「この地獄では頭に思い描いた恐怖のイメージが具現化してしまう」とかカンニム言うんですけどいやその設定あった前作で!? あとなんで今更『ゴーストバスターズ』なんだ。『ゴーストバスターズ』のマシュマロマンが出てくる場面だろうそれ。

こっちではマシュマロマンではなくスホンが『ジュラシック・パーク』シリーズ好きだったためラプトル集団襲来、それを追ってティラノサウルス、そしてモササウルスが全部丸呑みという『ジュラシック・ワールド』オマージュだったが、前作でラプトルよりも絶対に恐ろしい地獄の幽鬼とか怪魚とか見た後なのでサプライズの順番を間違っているとしか思えないし、だいたい意味がわからない(スピルバーグが好きなのはよくわかった)

ジジィの魂を奪うべく守り神マ・ドンソクと対決するハメになった地獄弁護士チームの地上部隊ヘウォンメクとドクチュンはいつのまにかマ・ドンソクと一緒に地上げ屋と闘いながらジジィが死んでも大丈夫なようにジジィの孫を養子に出そうとしたりジジィに生活保護を受けさせようとしたりジジィの立ち退き料で勝手に投資に手を出して損失を出してしまったマ・ドンソクと投資先について激論を交わしたりしているのであったがであったがじゃないだろうなんなんだ。
恐竜が地獄で暴れてるシーンとマ・ドンソクがバブルに過ぎないマンション投資よりもファンド投資の方が確実なんだと熱弁するシーンは繋がらないよ! 繋がらない! 観ているこっちの感情的に!

もうすでにお腹いっぱいな感じなのだがそこにスホンの死の真相、地獄弁護士チームの隠された過去、閻魔大王の正体、高麗時代の悲劇(!)が次々と加わってザッピングっぷりが壮絶である。支離滅裂のギリギリギリギリ手前でなんとかマクロな話とミクロな話を曼荼羅的に接続して上手いオチ感を出しつつ人を殺めたらいけないよの道徳的メッセージに見事着地させるのはさすがに韓国映画だなぁと思ったがそれ以上に面白いものはなんでもぶっ込め的な節操の無さに韓国映画だなぁぁぁぁ!!!! であった。

でもシナリオを盛りまくった都合、動きに乏しい説明台詞メインのノベルゲー的進行になっているのはもうちょっとなんとかならなかったのか。そこらへん前作はアクションとドラマのバランスが良かったしシナリオも目的がハッキリしていてよくまとまっていたので、前作を観てからの『第二章』はさながら『ゼノギアス』のディスク2の如しであった…。

【ママー!これ買ってー!】


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消防士が死んで天の使者に云々の設定ってスピルバーグの方の『オールウェイズ』だよね的なツイートを見かけましたが前作『オールウェイズ』で今回『ジュラシック・ワールド』ってスピルバーグ好き過ぎるだろう。続編は『未知との遭遇』になってる可能性あるぞこれ。もし続けば。…続きそうだが!

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