『ドラゴンボール超 ブロリー』やべぇよ感想(ネタバレ超)

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《推定睡眠時間:マイナス100分》

ブロリーの父・パラガスがあまりにも過酷な運命を辿った末に虫ケラ以下の死を迎えてしまったのでネタバレなど一切躊躇することなくこれは追悼しなければならない。

話はサイヤ人の故郷・惑星ベジータがまだ存在していた頃まで遡る。その頃、サイヤ人を力で支配していたのはフリーザの父・コルド大王。可愛い息子が生まれたというので惑星ベジータへとやってきて早速恐怖のデモンストレーション。
これからは我が息子フリーザが軍を指揮する…だが、フリーザはこの私よりも冷酷でね! コルド軍、否フリーザ軍に平伏するサイヤ人たちの中に紛れ込んだ攻撃要員をスカウターで捕捉したフリーザは、刹那、バシュッバシュッバシィーンッ! ブワァッ! ドドーン! たいへんなことになるのだった。

この先にはきっと今以上の圧政が待ち受けているだろう。いや、それどころか…くっ…コルドめ…フリーザめ!
目の前で同胞までイベント的に殺されてしまい憤懣やるかたないベジータ王はまだ保育機の中で絶賛成長中の息子ベジータに望みを託す。サイヤ人の未来はお前の手にかかっているぞベジータ…お前の戦闘力ならきっとフリーザごとき!

そこに吉報。息子ベジータに匹敵する特異なスーパー戦闘力が一般の戦闘員サイヤ人ベイビーに観測された。ブロリーである。
レジェンド級サイヤ人が、二人! これでサイヤ人の未来も明るいぞと大喜びのサイヤ人エンジニアたち。だがベジータ王の反応は。…わ、惑星流しだぁ! 我が息子ベジータより強いサイヤ人など存在してはならぬ! 不毛の惑星に送り込んでしまえぇぇぇぇ!

戦闘民族のくせにやることがセコすぎるベジータ王の無能判断によって巨大怪生物の闊歩する不毛の惑星にポッドでぶん投げられる可哀想なブロリー。
パラガスがこれを許すはずはなかった。大事な一人息子を救うためにたまたま宇宙船発着場にいた整備士を巻き込んでパラガスは一路不毛の惑星へ。だが着いたはいいが、無理に着陸したせいで宇宙船が壊れてしまった。

なに、どうせ戻っても反逆罪で処刑される身…ここで息子と二人、生き延びてやるさ…! 鬼と化してとりあえず邪魔な整備士を殺すパラガス。すべてはブロリーのため。そして…ブロリーをこんな目に遭わせたベジータ王と息子ベジータにいつか必ずや復讐するため!
パラガスに負けず劣らず整備士もめちゃくちゃ不幸だったが、どうせその五年後にスーパーサイヤ人の出現を恐れたフリーザが惑星ベジータごとサイヤ人を粛清するからそいつのことはまぁいいだろう。早く死ぬか遅く死ぬかの違いだ。

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さてそれから幾歳月、幸運にもジェノサイドを回避した悟空とベジータらが数々の摩訶不思議アドベンチャーやスパーキングバトルを乗り越え際限の無いパワーインフレにすっかり飽きてしまった鳥山明が再びやる気を取り戻した頃、色々あって復活したらしいフリーザ(※前作も前々作も未見)軍の兵士二人組・チライとレモが辺境の惑星に完全浦島状態のパラガスを発見、戦力増強に勤しむフリーザのためにこれをスカウトする。そこにはもちろん成長したブロリーもいた。

超じゃなくてZの方の劇場版だと腐った巨神兵バージョン以外はもっと普通に話せていたような気がしたブロリーはコレ…オレノトモダチ…ゴハンウマイ…ぐらいな言語感覚になっていたので異星の過酷環境がいかほどのものだったか窺える。
ブロリーはともかく戦闘力4000程度のくせによくその環境生き抜いたなパラガス。それもブロリーを守るためか。

ちょっとイイ話感が出てしまうが長年の地獄生活の末に自民族をジェノサイドしたフリーザに拾われ、その事実を知らされることのないままフリーザの手駒となって悟空とベジータの待つ地球に直行させられるパラガス&ブロリーだったのでヒドイ話感が圧倒的に勝ってしまう。

その宇宙船の中でブロリーと仲良くなったチライとレモはろくすっぽ話も聞かずにブロリーを被虐待児と断定。あんのクソ親父のせいでブロリーはこんな風になったんだ! 息子のために人生を捨てたパラガスを影でボロクソに言うに留まらずブロリーの暴走を抑えるための緊箍児的な電流首輪リモコンを盗んで破壊してしまう。
案の定、地球に降り立ったブロリーは暴走していえええええええあああああああああああああああうおおおおおおおあああああああああってなるのでパラガス顔面蒼白。チライとレモは全然知らん顔であった。

それにしてもフリーザは一体なにを企んでいるというのか。もちろんドラゴンボールである。神龍に自然な感じにちょっと身長高くしてもらってまだ成長期っぽい印象を部下たちに与えたいがためにドラゴンボールを巡って悟空&ベジータと争っているんである。
言っておくがこれは俺が面白おかしくふざけて書いてるじゃなくてフリーザ本人がまだ成長してる感じにしたいのですと発言しているんである。

そんなパロディ作家でもたじろぐような理由で一度壊れた人生を再び破壊されるパラガスの胸中やいかに。
まぁでもそれも結局知ることなくパラガス、ブロリーと悟空の超バトルを観戦中ふとクリリンの事を思い出したフリーザのもしかしてパラガスの死を見たらブロリーもっと強くなるかも的な思いつきで胸を射貫かれて即死させられたので胸中もなにもないのであった。辞世の句とか暴走したブロリーを眺めながらの「こ、このままでは私は殺されてしまうっ…!」か「あっ…ああああっ…!」である。

パラガスの人生とはなんだったのか。やがてブロリーを救助すべくチライとレモはフリーザの右腕的存在のベリブルとキコノからドラゴンボールを奪還、可哀想なブロリーが死ぬ前に(パラガスは…?)事態を収拾するべく神龍にお願いをする。「ブロリーを元いた星に戻して!」…パラガスは?
とはいえフリーザも一旦宇宙船に引き上げたし、ひとまずこれで休戦だ。元の過酷環境もブロリーにとっては慣れたもの。フリーザに反旗を翻したチライとレモも一緒に暮らすことになったのでこれからは不毛惑星での生活も楽しくなりそうだ。

そこに悟空が瞬間移動でやってくる。戦闘再開か? いや違う。「おめぇみてぇな強い奴に出会ってオラわくわくしてっぞ!」(大意)。過酷環境で暮らす三人にカプセルコーポレーションの最新ホイポイカプセルと仙豆を託すと、悟空はいつかの再戦を約束して爽やかに地球へと帰っていく。
ブロリー、フリーザ、そして悟空とベジータ…次なる闘いに向けて各々が各々の道を歩み出す戦闘民族であった。

いやパラガスはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ???!!!!

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やべぇよこれやべぇよ。ほらもうドラゴンボール世代も所帯持つぐらいの年齢層に達してるわけじゃないすか。で映画、ベジータとフリーザとブロリーと悟空それぞれの幼少期から話が始まるわけじゃないすか。
そしたら子連れの父親向けのサービスがあると思うじゃん。ブロリーに父さんありがとうの一言ぐらい言わせるんだろうなって思うじゃん。
皆無だったね。そういうの完璧になかったね。むしろ親世代の諍いが子世代にも降りかかってきて迷惑する話でした。親とか邪魔。

いや、ていうかそれ以前の話なんだよ途中からうおおおおおおおおへやああああああああああいえええええええああああああああバババババババボヒュボヒュボヒュードゴゴゴゴゴゴゴバーンバーンドゥドゥドゥドゥーンしか聞こえてこなくなるんだからスクリーンから! 小一時間ぐらい熱戦烈戦超激戦しかスクリーンに映らなくなるんだから! ゴォブロリーゴォウッゴォォウッ! カッカッロォォォットッ! みたいなハイテンションなキャラ名アンセムをBGMにして! なにこの世界! 楽しい! 楽しいけど狂ってるよ戦闘民族も鳥山明も監督の長峯達也も!

なんかもう色んな意味で凄まじい映画でしたよ。もしプロデューサーがフリーザだったらこんな脚本を上げた段階で脚本家殺して企画を木っ端微塵にしてるな。でもその脚本を上げたのは少なくともクレジット上はゴッド鳥山明であるからさしものフリーザも手出し出来ないのでした。
そうなんだよ本人がやってんだよ。フリーザの超ネタキャラ化とか他人がやってもつまんねぇよ死ねよってなるだけですけど本人がやってんだからつまんないどころか面白いを超えて凄みすら感じますよね。それはないだろ良い意味で。

こういう奔放なパロディ感覚とかちょいブラック寄りのコミカル路線がストーリーテラーとしての鳥山明の持ち味だろうっていうのはなんとなく分かるんですけど、Z以前のDBこんなだったよなって思ったりもするんですけど、でも劇場版でここまで自由にそのテイスト出してくるって思わないじゃないすか。

おかしいじゃないすかブロリーとの闘いで劣勢に立たされた悟空とベジータが瞬間移動でピッコロの下に避難して急に緊張感ゼロのDB芸人的漫才を一通りやった後にフュージョンしようとするがお約束的に失敗してデブとガリになるので1フュージョン30分だからゴジータになるまで1時間経過しているがその間闘いの舞台となる南極(氷の大陸)では暴走ブロリーとフリーザが死闘を繰り広げていてしかしその死闘わずか数カットっておかしいじゃないすかっ! バーターで1時間も闘ったんだからたぶん悟空とベジータより健闘してたよフリーザ! 扱い!

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フリーザ芸人のBANBANBAN山本がベジータ芸人R藤本にツッコまれたりする時の面白さというのはあのフリーザ様が情けない姿を晒している的なギャップに少なからず依っていると思うが、ここまで公式にフリーザがイジられちゃったらフリーザ芸人がもう単にフリーザになってしまう。
いやむしろ逆なのか、フリーザがフリーザ芸人に寄せているのか。どっちにしてもおかしいだろそれいや面白いから超歓迎ですけど。

『ドラゴンボール超』はテレビ版も含めて観てないので普段からこういう調子なのかどうかは判断しかねるのですが、やっぱ相当思い切った作りなんじゃないかと思えるのはキャラが少ない。
ピッコロは「俺が行っても足手まといになるだけだろう」とか言ってバトルに加わろうともしない、悟天とトランクスは顔見せ程度、ウサギみたいな神は子どものお守りをさせられるし、ヤムチャは当然だとして、悟飯とクリリンも出演なし。超バトルと惑星ベジータ生まれのサイヤ人の因縁話とフリーザいじりに内容を絞った。

絵的なところで言うと俺はアニメ技術的なことは全然わかんないんですけど、とにかく長くてあとテンションが天井超えしてる超バトルシーン、これ飽きずに見れるってすげぇなと思いましたね。
なんか色んな手法使って緩急付けてんです。感情の変化とかダメージに応じてキャラをラフ画調やドローイング調にしたり、アップになるとセルライクなでこぼこした描線が際立って荒々しい印象を与えたり、画面全体をブラウン管画質にダウンコンバートしたりとかね。あと背景が容赦なくバンバンぶっ壊れて噴き出したマグマで南極完全崩壊(地球終わるだろ)

いやぁ、とんでもないものを観ましたよ。ぶっちぎりで今年最凶の映画だし今年最強の映画だと思いますね。話の薄さ(純度とも言う)も命の軽さもぶっちぎりです。
おれ週5ぐらいのペースで新作映画観てるんだから信じてほしいよ。こんなにどうかしてる映画は今年なかったしたぶん来年もないですよ…(一応補足しておくが、むろん良い意味で)

※2018/12/25 IMAXで2回目見たので多少加筆修正してます。IMAX檄オススメです。

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その年の最もテンションがどうかしている映画が入るマッドマックス枠という概念がにわかに広がりつつあるが今年のマッドマックス枠はブロリー一択ですううおおおおおおおおおおおああああああああああああああああいいえええええああああああああへやああああああああああ!!!!!!

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1000
よーく

『マッドマックス』と言われたらもうこれ以上はないくらいに納得してしますねこれは。エキサイティングの果てに何も残ってなくてもまぁいいじゃん!みたいなぶっ壊れ映画ですよこれは。
面白いに決まってる。そんなの面白いに決まってる。
ましてや俺はドラゴンボール直撃世代でドラゴンボール超も「今週の作画クソだな」とか文句垂れながらも毎週見てたおっさんだからこんな映画観たら昇天するに決まってますよ。
パラガスはこの先TVシリーズとかやるなら生き返らせたげてよぉ…と思うくらいには気の毒でしたねぇ。まぁブロリーを復讐の道具にしたり自業自得な面もあるけど…。最後はドラゴンボールでパラガスを生き返らせてブロリーを正気に戻すのかなと思ったけどそんなことはなかったぜ。
ちなみに監督の長峯達也という方はかつて『ハートキャッチプリキュア』のディレクターを務めた際に滅茶苦茶ハードな展開をしてネット上では女児向けアニメの範疇を越えてないか…と言われた監督ですね。女児の憧れであるべきプリキュアが「憎しみの力で強くなれるなら私はそれでもいい!」とかほぼ原文ママで言っちゃうようなアニメでした。
あと鳥山先生は特に意識してないと思うんだけど最後の悟空のセリフはすごくグッときました。悟空が自ら「カカロット」と名乗るのはちょっと感動的でもありました。原作で最初に自分がサイヤ人だと明かされたときは嫌がってた感じでしたからね。俺地球人じゃないのかよ…あんな冷酷な奴らの仲間なのかよ…って。
あとブロリーにガールフレンドができたのはすごい負けた感があってショックでしたね、うん。戦闘力では話にもならないけどそういうところでも負けたか俺、と。
今年は洋邦問わずにアニメ映画の当たりが多かった印象です。今年の内に『グリンチ』と『シュガーラッシュ2』は見ときたいな。