わりとすべてが謎映画『記憶の技法』感想文

《推定睡眠時間:20分》

こんなコクのない映画は久々に観た気がする。監督の池田千尋は別に新人とかではないしそれどころか黒沢清とか青山真治とか作家性の強い監督と組んで脚本書いてたりするぐらいだし、脚本にクレジットされている高橋泉もぴあフィルムフェスティバル出身の職人脚本家で20年ぐらいは映画脚本書いてるんじゃないだろうか、原作は吉野朔実というから読んだことはないが知名度から言って決してつまらないプロットではないだろう、劇伴の出番はかなり少ないが音楽は安川午朗というわけでスタッフ的にはかなり盤石なのになんでこんなに見所がないんだろう。

っていうかこれ本当に劇場用映画? たぶん『ドクター・デスの遺産』とかはそうだと思うんですけど元々テレビドラマ用に作られたものが諸々の事情で放送できなくなって劇場公開用にリサイズされたやつとかじゃないの? 元から映画として作られたのならなんでこんな…劇中の謎よりも制作の謎の方が大きい。

いやあえて言えばですよあえて言えば別につまらなくはないですよ。ノーマル女子高生の石井杏奈のトラウマ的過去が冷徹同級生の栗原吾郎のサポートで徐々に明らかになっていってというお話で…その記憶の探究の中で栗原吾郎であるとか二人が旅先の福岡で出会う柄本時生もちゃんと自分の過去と向き合おうとするみたいな、なんかそういうお話で。よくあるっちゃよくあるやつですけど別につまんないわけではないですよね。

でもこれがとにかく見所がない。本当にないんですよ。もうびっくりするぐらいないのでびっくりする。全然盛り上がらなくて。たまに面白い映像が出てくるとかでもなくて。俳優の芝居は淡泊で、しかもありがちというか想定範囲から一歩も出なくて。こうなると作ってる側が観客になにを見せたいのかわからない。大抵の映画「ここだけは!」っていうのがあるじゃないですか、すごくベタなB級アクションでも作家性の強いアート映画でも。でもそれがないんですよこの映画。ないの。ガチで。

だからもう正直わかんないっすよね。どこが面白いのかわかんないし、なんでこれ作ろうと思ったんだろうっていうのもわかんないし、どうしてこんな映画がミニシアターとはいえインディーズ枠のレイトショーとかじゃなくて一応は一般映画の枠で映画館に掛かったんだろうっていうその経緯もわからない。いや別にわかんなくていいんですよ経緯とか、興味ないし。でもそこがなんとなく気になってしまうぐらい…もうこれは俺の語彙力の限界なのですが本当に見所がない。

主役の石井杏奈は可愛かったですけどね。でもそれさえも他の映画の石井杏奈と比べると明らかに魅力が薄いのでどこを売るつもりの映画なのがマジで謎ですよ。謎。あと栗原吾郎が青い目のせいでいじめられてた設定なのですが俺の視力の問題かとくに青く見えなかったのでこれも謎。

【ママー!これ買ってー!】


記憶の技法 (flowers コミックス)

この謎は原作を読んでも解けなそうな気がする。

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