いつものあれ映画『鬼平犯科帳 血闘』感想文

《推定睡眠時間:0分》

Blueskyの映画フィードを観ていたらこの映画を観たという人が俺の想定の5倍は多かったのでかなり意外に感じてしまった。いや、だって、『鬼平犯科帳』でしょ…『鬼平犯科帳』ってあのゴツイ人が変な帽子被ってる時代劇の…コンビニの漫画雑誌コーナーに行くとよく『鬼平犯科帳スペシャル』みたいな雑誌形式のベストセレクションが置いてあるあの…あれがまさか新しいSNSゆえユーザー層が比較的若いと考えられるBlueskyの映画フィードでまぁまぁ話題になっているなんて思わないじゃないですか。

そうなると気になる。時代劇は基本興味のないジャンルなのだが、たとえば今週公開の『碁盤斬り』みたいな新作時代劇じゃなくて定番感のある『鬼平犯科帳』の映画がこうも若い人たち(?)に観られているとなると、やはりそれはどんな映画なのかと気になってしまう。ということで観に行くまでは主演が松本幸四郎というから先代のことかと思っていたぐらい時代劇というか日本の芸能事情に疎い俺だが、いつものあれと思わせておいてこれは実はそうではないんじゃないかと思って観に行ってみた。

まぁ結果としてはかなり完全にいつものあれだったね。いつものあれっつっても普段テレビ時代劇観ないからいつものあれと言ってもいつものあれが漠然としているが、いつものあれだったよ。こないだおばあちゃんち行った時におばあちゃんが観てた1970年代ぐらいのテレビ時代劇のあれと同じだった。おばあちゃんが観てたあれに出てた火野正平がこっちにもまだ出てるってくらいいつものあれだった。火野正平何十年間テレビ時代劇出てるんだよ。

いつものあれなのでいろんな知ってる役者さんとかカッコイイ役者さんキレイな役者さんが出て勧善懲悪で殺陣とかそれなりにあってあと笑いと人情があってという感じで2時間楽しく観ることができたが楽しくてよかったな以上の感想はとくに時代劇に馴染みのない俺にはなかなか捻出しにくい映画である。あえて言えば北村有起哉の悪党芝居は堂に入っていてよかったとか、鬼平は思ったよりくだけたキャラクターだったとか、あれかなぁ松本幸四郎の鬼平はもしかして歴代鬼平と比べるとちょっと柔らかい感じになってるのかなぁとか。鬼って呼ばれてる設定のわりには鋭さとかコワさがないですよね松本幸四郎の鬼平。その代わり親しみやすさがあるのが現代風なのかもしれない。

という感じで映画的なスケールに乏しくあくまでもテレビ時代劇の拡大版でしかないという点が気にならなければ(ミステリーとして弱いというところもあるが大抵の人は『鬼平』に本格的なミステリーなど期待していないだろう)悪い映画ではないが、でも観に行ったらなんでこれがインターネットの若者の間で話題になっているのかとよけい疑問に思ってしまった。別に話題になっているというほどでもないしだいたいインターネットには若者しかいないわけではないので、本当は疑問でもなんでもないのだが。

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