低予算映画制作は取捨選択が何より大事映画『四十九-SEEK』感想文

《推定睡眠時間:15分》

忍者アクションで監督がシェイン・コスギという名前だとポスターかなんかで目にしたのでケイン・コスギの息子さんが監督デビューか! と先走ってしまったしそう思いながら映画を観ていたが、いま映画サイトで確認したらシェイン・コスギはケイン・コスギの息子ではなく弟らしい。弟かぁ、とちょっと思った。ケイン・コスギに息子がいるかどうかは知らないがいるとしたら二十代か三十代と思われ、まぁそれぐらいの年齢なら若気の至りだなという感じの映画だったものだから、弟ということは知らないが四十代ぐらい? 四十路でこの内容はもうちょっとこうどこをどうにかできたんじゃないすかね……とかまぁそういう感じになったんである。もしかして、このタイトルだから49歳なのだろうか……?

どういうお話かというと現代に生きる秘密ニンジャ組織と超兵器を用いたテロを画策する悪辣ヤクザの戦いのお話である。読んだことないけど現代のニンジャというと映画化もされた『アンダーニンジャ』がそんな感じかもしれないな。『アンダーニンジャ』の現代ニンジャ組織がどんなもんかは知らないがこの『四十九』の現代ニンジャ組織はとくに仕える人などなくもっぱら正義のために戦っているらしい。悪辣ヤクザの描写もリアリティのあるものではなく単に爆弾テロを目論む悪い人たちなので印象的にはニンジャものというよりもニチアサ特撮ヒーロー。ニンジャといっても手裏剣投げるとか忍法使う隠密諜報するとかそういうわけでもないし。じゃあニンジャの意味なくない? まぁ、だから、そのへんだな。

やりたいことはなんとなくわからないでもなく、かなり好意的に言えば予算が本家の1000万分の1の『ミッション:イン・ポッシブル』シリーズといったところかもしれない。誰々が裏切っただの策謀がなんだのとシナリオは良くも悪くもそれなりに凝って悪いヤツを倒せばそれで万事解決だよなガハハという脳筋路線ではないシリアス路線。ラスボスはケイン・コスギでそこだけはスーパースモールサイズのミッションインポとして貫禄充分だ。ただぶっちゃけそれ以外の部分はやりたいことに技術力が追いついていないというのが正直な印象。現代ニンジャ組織という設定が活かせているようには思えないし、ミッションインポ(的な)ということで見せ場はやはりアクションなわけですが、そこもおそらくアクション自体はちゃんとできる人たちがやっているのだとしても、アクション撮影・演出がどうにも力不足なので迫力が出ず、てな感じなのだ。

それでも『ベイビーわるきゅーれ』みたいに「これをやりたい!」一点突破型の映画にすれば諸々の技術力不足によるチープさをカバーできたかもしれないのだが、どうもこちらには「これをやりたい!」があまり見えない。いや、「これをやりたい!」はたくさんあるんだろうけど、予算や技術などを勘案して「他はともかくこれだけは本格的にやろう!」という要素を事前に決めておくその取捨選択ができていなかったようなのだ。結果、世界観もアクションもキャラクターもシナリオもすべて低いレベルになってしまったわけで、低予算映画制作における取捨選択の重要さを教訓的によくよく感じ取れる映画であったかもしれない。

エンドロールの後には次回作予告が流れたので好評か不評かもわからないのにもうシリーズ第二弾を作ってしまったらしい。あくまでも予告編を見る限りの印象ではこのシリーズ第二弾は予算規模が上がっているようで、今回は見られなかった集団バトルや色んな武器を使ってのアクションなどもやっているらしい。こちらは低予算なりになかなかスケール感のある画面になっていたような気がしたので、まぁ今回は習作とかパイロット版とかそういうつもりだったのかもしれないな。あまり期待せずに『続・四十九-SEEK』(正式タイトル不明)の公開を待ちたいと思います。

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