オジーソン介護映画『バッド・デイ・ドライブ』感想文

《推定睡眠時間:0分》

常に絶体絶命の男リーアム・ニーソンが新たに置かれた絶体絶命状況はケツ圧で作動する爆弾の仕掛けられた車にうっかり乗ってしまい降りられないという絶体絶命、この『スピード』ではなく『新幹線大爆破』を思わせる(あと近作だと韓国映画の『デシベル』というのもそれ系だった)爆弾設定から俺が考えたことはひとつであった。すなわち、ウンコしたくなったらどうするんだよ…やばいだろこれ!

そういう愉快な映画かと思ったらなんかシリアス系だったのでウンコ問題は残念ながら登場しなかったのだがシリアス系にしてはいささか登場人物の行動がバカすぎるというのがこの映画の面白いところであった。ケツ圧爆弾車に乗ってしまったリーアム・ニーソンは爆弾を仕掛けた犯人に脅迫されて車であっち行ったりこっち行ったりする。その行く先々で遭遇するのは脚本家が爆弾を爆発させるためだけ(※別の車にも仕掛けられてる)にパニック状態にさせた助手席の女がいやそんなシチュエーションでその行動はないだろという暴れっぷりを見せて爆死する光景や、脚本家が都合良く物語を展開させるためだけにザル捜査ザル追跡ザル包囲をさせている無能警察が仕事のミスをしすぎ人の話を聞かなすぎる光景や、脚本家が観客をびっくりさせるためだけに用意した無茶な緊迫シチュエーションによって犯人がものすごいバカっぽくなってしまう光景であった。

なんだこの脚本家のご都合主義の映画は。アホ

ここから↑が1週間くらい前に書きかけてたやつでここから↓は今日2023年12月29日に書いているものなのですが、区切りどころが投げやりすぎてちょっと面白かったので話を繋げずあえてそのまま残してみました。滲み出ていますなどうでもよさが、テキストから。たしかにどうでもいい映画だった。まぁいつも書いていることですがこれは新橋系映画というやつ、バカバカしいなぁそんなに面白くないなぁそれにしてもありきたりだなぁと思いながら適当に観るB級映画で、とはいえ本格的につまらないわけでもないので感想は一言、暇つぶしにはなった、とそれぐらいしか浮かばない。良い意味でも悪い意味でも心に爪痕を一切残さないのが新橋系映画の醍醐味といえよう。『バッド・デイ・ドライブ』はそんな映画であった。

ただ少しだけ思うところがあったのはリーアム・ニーソンがほぼ全編に渡り運転席に座りっぱっていうね。最初に自宅でトレーニングをしているシーンはあるものの身体を張ったアクションはナシ。これはおそらく後期セガール映画で何度も見たアレである。いよいよ肉体アクションが厳しくなってきたアクションスタアが可能な限り身体を動かさずにアクション映画の主役を演じるための方策である。

考えてみれば2000年代に入り『96時間』でアクションスタアとして再ブレイクを果たしたリーアム・ニーソンはその時点で既にニーサンとはとても言えない年齢、それから十数年経過した今やリーアム・オジーサンといっても過言ではない。もはやタイトルさえ思い出せないリーアム・ニーソンの絶体絶命シリーズ前作でもアクションシーンはかなりの骨折りっぷりで老体丸見えであったが、今作ではついに高級車のふかふかチェアに座り通しで済ませるという…これはもはや介護ですよ!

内容はありふれているにも程がある取るに足らないB級だが、そのへん見所な映画でした。あとやっぱりストーリーがかなりバカなのでみんなでツッコみながら観たら面白いと思います。

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