『トゥームレイダー ファースト・ミッション』の感想

《推定睡眠時間:45分》

フィルモグラフィーを見たら観たことのある映画が何本かあったので新生トゥームレイダーのアリシア・ヴィキャンデルという人を俺は何度かスクリーンでまたはPC画面等々で目にしていることになるが名前を言われても顔も浮かばないぐらいだったから特に気にしてはいなかった、のだが。

衝撃的な筋肉だったな。この筋肉の躍動に触れたからもう顔忘れないと思うよアリシア・ヴィキャンデル。顔っていうか筋肉なんですけど名前と紐付いたのは。

いやぁ素晴らしいよ。トゥームレイダーだから秘宝(?)と仕掛けいっぱいの巨大墳墓に入るんです。入ったら定番の足場がどんどん崩れていく系トラップがある。
やがてアリシア・ヴィキャンデル=ララ・クロフトの足場も! 咄嗟に装飾壁の出っ張りをロッククライミング的に引っつかんで身体を持ち上げるアリシア・ヴィキャンデルなんであるが、その時の上腕二頭筋の急速収縮、人体芸術。

なにもそんな細かい部分をわざわざオタクぶってピックアップしないでいい。遺跡内シーンなんだから汗と煤を吸った汚いタンクトップから伸びるアリシア・ヴィキャンデルの二の腕の、筋肉の、凹凸と変動が、付着した汗と垢が、遺跡ライティングによって豊かな陰影と強靱な生命力を帯びるのは当たり前であって。

そうではなくて単純にもう単純に走るアリシア・ヴィキャンデル、弓を引くアリシア・ヴィキャンデル、チャリを漕ぐアリシア・ヴィキャンデル、総合格闘技かなにかのスパーリングに熱中するアリシア・ヴィキャンデル…動作のひとつひとつのキレと重みが凄い。

肉体改造とかそういうレベルじゃねぇわこれ生来のアクションセンスだわ。カメラに向かって全力疾走するだけでこんなに映えるかねって思ったもん。フォームとかすげぇいいんですよ。ただ走ってるだけなのに覇気すら感じたぐらいで。
しかも走ることをテーマにしたシリアスドラマとかじゃなくてこんな観た直後に内容忘れる午後ロー系アクション映画の走りでこれなんですよ!

肉体の無意識的な動作と意識的なメンタルの表出としての芝居が見事に統一されている感じで…俺はこういう修辞的な文章が苦手だから『トゥームレイダー ファースト・ミッション』におけるアリシア・ヴィキャンデルの筋肉運動の素晴らしさを上手く表現できずに歯痒いのだが、もしこれを観たのが成人映画館だとしたら俺は場内でパンツに手を入れていたと思う。

つまり率直に言ってギンギンである。ギンギンであった。ヌードも絡みもそんなものは全く出てきやしないが、完成された筋肉の流暢な運動は、ただ無造作に晒されるだけの裸体よりも遙かにエロティックというものだ…。

前の映画版ララ・クロフトは観てないけどアンジェリーナ・ジョリーだから女豹的イメージ。しなやかでクールな筋肉運動のイメージがあるが、アリシア・ヴィキャンデルのララ・クロフトは顔立ちからして対照的で、あちらが豹ならこちらはゴリラだ。ワイルドゴリラだ。

そういうことを言うとすぐディスってると判断する脳筋もいるのでそういうことを言う度に補足している事だが俺はゴリラが好きなのであって女の人はみんな神取忍みたいになって欲しいなぁと常日頃思っているのであって細マッチョとか美マッチョみたいなファッション化した筋肉は少しも美しくないし許しがたいという話なんだ。

マッチョはマッチョだしゴリラはゴリラだ。クールを気取ったファッション筋肉なんぞファッキンだよ馬鹿野郎。アリシア・ヴィキャンデルの筋肉を見給えよ。あれは掴むための筋肉だろうが。走るための筋肉だろうが。殴るための筋肉だろうが!

俺はゴリラが好きなんだ。何故ならゴリラの筋肉は飾りじゃないからだ。だからアリシア・ヴィキャンデルはゴリラだし、ゴリラだからアリシア・ヴィキャンデルは美しいんだ。この理屈がわからないと話にならない。俺はゴリラみたいな女の人に守ってもらいたいんだ。…それはわかってもらえなくても構いませんが。

もう筋肉はいいので映画の内容。原作ゲームはやったことないから知りませんがエピソード0的なやつ。若き日のララ・クロフトはチャリンコデリバリーで日銭を稼ぎながらトレーニングやワイルドなストリートチャリンコレースに明け暮れていた。

俺もチャリデリやってますからなんか親近感が湧く。ストリートチャリンコレースには恐怖しか湧かない。見通しの悪いロンドンの狭い街路で十数人のチャリ乗りが全力疾走とか、都市部でチャリ乗りやってる人はみんなドン引くのではないかあそこ…。

ストリートな生き様がかっちょいいララ・クロフトだったが実は超特大グローバル金持ち企業のご令嬢。父親は母親の死を契機にオカルトと神秘主義に傾倒、最終的に古代日本の卑弥呼異聞というか超古代文明論に近い奇説に辿り着いて失踪してしまったのだが、いろいろあってララ・クロフトはその足跡を追うことにしてみるのだった。お前は飛鳥昭雄か。

しかし卑弥呼の墳墓はすごかったな。別にオーバーテクノロジーな仕掛けの数々はいいけど吹き抜けになった大玄室に殉葬遺体が千人分とか卑弥呼を高く評価しすぎだろう。
リアルとの乖離が著しいので台詞の上ではヒミコヒミコ言ってるのに字幕には古代女王とか表示されており翻訳の人が微妙に気を遣っている。
普段あまり考えずに見ているが、『インディー・ジョーンズ』みたいな秘境アドベンチャーの舞台になる非英語圏の謎遺跡なんかも当地の人が見たらだいたいこんな感じなんだろうな。学ぶ映画だ。

アリシア・ヴィキャンデルの筋肉運動を除けばどこまでも定石通りのスーパーベタな秘境アドベンチャーなのであんま特筆するようなところもないと思うが(ダニエル・ウーの無駄遣い感は負の特記事項だが)、なんかゲーム版のオマージュっぽいのは色々ある風。
スパーリングを終えたアリシア・ヴィキャンデルがリンゴを食うシーンとか妙に浮いてて記憶に残ったんですけどあれはなんかああいうのがゲーム版にあるの? リンゴ100個集めたら1機アップとか。それは『クラッシュ・バンディクー』か…。

スパーリングといえばアリシア・ヴィキャンデルの相手の格闘女が超かっけーかったがあれ誰なんすかね。たぶん本職の格闘家とかの人だと思うんですけどこういう端役の人はクレジット見てもわかんないんだよな…。
クレジット見てもわからなかった人はもう一人いて、質屋の親父がどう見てもエドガー・ライトの盟友ニック・フロストなんですがー、これも目を皿にしてスタッフロールを追いかけても見つからない。

IMDbを見るとどうもノンクレジットの友情出演らしいからやっぱニック・フロストだったわけですが、すると結構、イースターエッグ的なやつがある映画なのかもしれない。
45分も寝たから詳しいことはなんもわかりませんが。アリシア・ヴィキャンデルの筋肉運動の素晴らしさしかわかりませんが。まぁでもおもしろかったですよなんか。

ていうかたとえつまんなくてもアリシア・ヴィキャンデルの筋肉運動が見れたからそれだけで満足満点ですよ。筋肉さえあればアクション映画は成立する!
これは脳化された現代アクションの作劇に対するアンチテーゼとして機能するな。荒井晴彦に見せてあげよう。

【ママー!これ買ってー!】


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ヒラリー・スワンクはアクション巧者的な感じじゃないと思うのでその後もアクション道に入ることはなかったが、このホワイトトラッシュの女ボクサー役は堂に入ってて格好良かったなぁ。アクションやってくれればいいのになぁ。

↓ララのお父さんもたぶん読みました

邪馬台国の謎と逆転日本列島―最新の構造地質学が「魏志倭人伝」を実証!!女王国の方位と距離は全て正しかった!! (ムー・スーパー・ミステリー・ブックス―ネオ・パラダイムASKAシリーズ)

書題長ぇよ

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