『ジグソウ:ソウ・レガシー』の感想(ネタバレなし)

《推定睡眠時間:0分》

『2』までは見た。後は知らないがいつの間にか一旦シリーズ終了していてそれが今回復活というからじゃあ3作目から先知らなくても問題ないだろうと見に行ったらド・直球続編じゃないか。あの刑事とか検死官は誰なんだよ。なんで仲違いしてるんだ。まぁ、なんか色々あったんだろうな…。

あんまりにもヒット映画の特にシリーズものの上映時間が長い。長くて当たり前とする風潮。どうせ暇だから映画見てるんだからべつに長くてもいいけど『ブレードランナー2049』みたいな映画で長いのはともかく、俺は『ブレードランナー2049』はそんなに好きではないけれども、世界観を詰め込んで長くなるというのはまぁわかる。

わからないのは古参も新参も全部取り込もうと八方美人になった結果の長さでそんなの商売のやり方が上手いだけで全然面白くない。やめてほしいとは思わないけど面白くはない。そういうわけでクリストファー・ノーランの『ダンケルク』(未見)が100分弱というのは超英断じゃんやべぇなと嬉しくなり見に行かないで満足してしまったが、『ジグソウ:ソウ・レガシー』92分。

待望の(?)リブートにも関わらずそれでいいのかと喜ぶよりも心配になるが思い切りの良さでは『ダンケルク』を超えたな。なんかDC映画も時間短縮する方針みたいな感じのニュースをツイッターで見たような気がするから多少、長過ぎの反動が来てるんだろうか。

ランタイム92分でエンドロールはたぶん5分以内の潔い『ジグソウ』だったがなぜそんな奇蹟のような短期決戦が実現したかというとまったく進歩したところがない。お馴染みの拷問ショウとお馴染みの薄い刑事ドラマのみで構成された劇的シンプルの既視感、目に見える範囲の予算感でも1作目を水増ししたぐらいにしか見えないから凄い。

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舞台が納屋と倉庫って。慎ましいにも程がある。今まで7作も作ってさんざん儲けたんだからもっと予算感出せばいいのに…ブレない。大言壮語を語らず草の根活動を疎かにしないジグソウ一派に殺人鬼の矜持を見た。そんな小悪人殺して正義気取ってないでマフィアのボスとかテロリストの首領とか独裁的な政治家とかスケールでかいの殺すもしくは更生させろよ的なポピュリズム殺人をジグソウ一派は諫めている。
もう夢の中行ったり宇宙行ったりとかそういう無邪気な時代じゃないんだろうな殺人鬼も。あくまでテキサスでのチェーンソーマサカーに拘った『悪魔のいけにえ』が再び脚光を浴びているのは決して偶然ではない。

2作目から見てないぐらいだから関心の比較的外側にあったシリーズ最新作を急に見に行ったのは監督が『プリデスティネーション』のスピエリッグ兄弟。果たしてその期待は外さない。ぶっちゃければ異様な状況を伝えるアクションのみを矢継ぎ早に繋げていくスタイリッシュ導入部には瞠目したもののその後は本当もうそれ前みたやつじゃん的な微妙な拷問と本当もうそれ前見たやつじゃん的な凡庸な犯人捜しドラマが交互に描かれるだけで退屈、確かに、確かに『アンデッド』をパワーアップさせたような景気の良い80sスプラッタ的なビューテホー人体損壊の数々は目を愉しませてくれるがでも話は退屈だなぁ、あとこれ本当もう何度も見たやつ。

それを、ラストで一気にひっくり返す手並みの鮮やかさ。マジックショウ見てるみたいだったな。心の中で拍手喝采。そんなアホなとは思っても言わない。空中浮遊マジックを見て空中浮遊なんて物理的に不可能なんだからタネがあるに決まってるじゃんとか言ってもしょうがないんであって、どのようなタネか知らないが束の間でも本当に浮いているように見えたのならその驚きは素直に楽しみたい。

それはねぇだろな与太話をツッコミの余地をあえて残しつつササっと描き切るスピエリッグ兄弟映画、やっぱ面白いすー。

【ママー!これ買ってー!】


プリデスティネーション(字幕版)

シャマランとかはどんでん返しとは別の方向でどんどん進化してる人だから今のどんでん返し界で一番おもしろいのはスピエリッグ兄弟なんじゃないの。
超びっくりしたよ。超びっくりしたよこれ。

↓その他のヤツ
ソウ (字幕版)

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