事故物件ぽい気がする映画『ワールド・ブレイカー』感想文

《推定睡眠時間:0分》

事故物件ぽい! 世界が混沌としてきたのでよくわからないが地面に巨大な亀裂が入りそこから『クワイエット・プレイス』風のバケモン群団登場、しかもそいつに刺されたりなんかすると男限定で『サイレン』で言うところのブレイン屍人となって人間に襲いかかるというので人類絶滅の危機、ミラ・ジョヴォヴィッチら残された人類はバケモンに刺されてもブレイン屍人にならない女たちが軍隊を作って抵抗していたが……という感じの世界観&ストーリーなのだが、やたらと回収されないエピソードが多い。

主人公のルーク・エヴァンスが娘に語る伝説の木こり戦士のエピソードが折々に出てくるのでそのうちこの木こり戦士が出てくるのかなとか実はルクエヴァ自身が木こりだったパターンかなとか思っていたのだが最後まで観ても木こりのエピソードのオチなし。そればかりかあんなに序盤で重要設定みたいに語られていたなぜか男だけブレイン屍人になる(なりやすい)理由もとくに説明されずに終わってしまったし、ポスターでは主役みたいに映ってるミラ・ジョヴォヴィッチはもちろんこの手の映画なので最初と最後にちょっと出てくるだけ。

これ事故ってるだろう。お蔵入りになってた映画に追加シーンをちょい足しして別作品として公開されたとか元々はテレビシリーズとして制作されたが頓挫して映画用に編集し直して公開とかなんかそういう何かをやって諸々エピソードが回収されない感じになってるだろうたぶん。監督ブラッド・アンダーソンといえばかつては『マシニスト』などのオリジナル作で話題を集めホラーマイスター勢揃いアンソロジー『マスターズ・オブ・ホラー』にも参加するなどホラー界の新鋭として将来を嘱望された人だが今やこんな事故処理係みたいなポジションになってしまったのか……と思えばそちらの方がホラーかもしれない。いや、普通にテレビシリーズとか沢山やってるから活躍してるんですけどねブラッド・アンダーソン。

まぁネタ的には『クワイエット・プレイス』、だからたぶんこれも想像だが『クワイエット・プレイス』思ったよりめっちゃヒットしたからその二番煎じ作れっていう発注の映画なんじゃないすかね。思わせぶりなところが多いわりにとくにそれが何かに発展することはないので消化不良感は強いがメイクやクリーチャー造型や画作りはなかなか本格的なのでムードは楽しめるし、バケモンが出てこなくて孤島での自給自足生活が描かれる中盤はなかなか暇とはいえ、全体的なテンポは悪くない。あとはミラジョヴォがもう少し活躍してくれたら……と思うのだが武装した姿は相変わらずカッコよろしいので良しとしよう。

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