癒やされ映画『世界で一番しあわせな食堂』感想文

投稿日: カテゴリー 居眠り映画館タグ , , , , , ,

《推定睡眠時間:10分》

いわゆるひとつの『バグダッド・カフェ』もの。なにやら影のある異邦人が小さな町の寂れたダイナーなんかにやってきて人生を半ば諦めたりしている町の人たちを活気付けつつその交流の中で自らの抱えた傷を癒やして新たな人生を歩み出す…みたいなやつですね。でこれはそのミカ・カウリスマキ版。言うまでもなく超絶賛公開中のみんな大好き『花束みたいな恋をした』で菅田将暉&有村架純のカップルが観ていた『希望のかなた』の監督アキ・カウリスマキの兄貴ですから兄弟揃って同じようなテーマで撮る。『希望のかなた』もなんか異邦人が萎びたレストランに住まわせてもらって色々やるんですよ。競作なのかな。

『バグダッド・カフェ』ものに外れなしというわけでこれも良い映画でしたね。この中国系異邦人はなんとかいう謎の人物を探して言葉もよくわからんフィンランドの僻地に小学生低学年ぐらいの息子を連れてやってくるわけですがなんやあいつと地元民の怪訝な視線を浴びながら謎人物の手がかりが掴めず途方に暮れていたところで中国系団体観光客が店に入ってきて異邦人豹変、実はこの人は一流料理人でしたというわけでペリットみたいなマッシュポテトとソーセージぐらいしかレパートリーのない限界ダイナーの女主人に代わってサササっとミシュラン系の創作中華を仕立て上げてほんの数時間で店をググレビュ5つ星連発間違いなしの一流店にしてしまう。うーん、グルメ漫画的展開!

でも『バグダッド・カフェ』ものですからあんまグルメ漫画的なアツい展開にはならなくてですねむしろしんみり系。この異邦人は親父も息子も心を閉ざしているわけですがそれが自然とこう、解きほぐれていく感じがイイですよね。トナカイとかそこらへんにいるしね。トナカイ見たらカワイイから癒やされますよそれは。トナカイ食うんですけど。フィンランドの人はたくましいな。

フィンランドと言えば最近はセラピー空間としてのロウリュ付きサウナがありまくる国のイメージがムーミンの国のイメージを上書きしつつありますから『世界で一番しあわせな食堂』にもちゃんとサウナ→ロウリュ→からの湖ドボンの人間再生セットがお悩み相談付きで入ってきます。一人一人の体調に合わせたうまい薬膳中華食って好きなタイミングでサウナ入って夜はダンスでもしに行きゃ身も心もスッキリしてもう最高。『世界で一番しあわせな食堂』の邦題に偽りなしなフィンランド推しっぷりであった。俺は『バグダッド・カフェ』がそもそもどう面白いのかよくわからない人間なのでぶっちゃけ普通だったけどね!

※上海のシーンだけ画質とたぶんフレームレートも違うのでテレビみたいになってたんですけどあれなんだったんすかね。

【ママー!これ買ってー!】


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主題歌の「コーリング・ユー」も大ヒットとこの映画の紹介文にはよく書かれているが「コーリング・ユー」もどう良い曲なのかわかんないのでわりと全面的によくわかんない。こういうゆったりとした時間の流れる異郷映画が心にガチっとハマってしまう時期っていうのは仕事に追われる都会の人なんかは結構みんなあるんじゃないかなぁとそれはまぁ想像できますが。

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