悪くはないんじゃないの映画『ザ・ロストシティ』感想文

《推定睡眠時間:80分》

以前から映画館で予告編をバンバン流していた初夏の目玉映画には違いないにしてもサンドラ・ブロック×チャニング・テイタム×ダニエル・ラドクリフ×知らない監督の組み合わせでまさかシネコンが満席になるとは思わなかったのでちょっと面食らってしまった。予告編もそんなに面白そうな感じには見えなかったんだが何が大入り要因になったんだろうか。旅行感? なんかドミニカ共和国に行く映画だったらしい(寝てるのでストーリーがよくわからない)

予告編も面白くないが本編を見てもなんだかパッとしない。映画はサンドラ・ブロックとチャニング・テイタムが横たわって呼吸荒く見つめ合う場面から始まる。すわ事後か! と思いきやカメラが引くとそこは謎の南米的な遺跡の中、2人は大量の蛇に取り囲まれて身動きが取れないでいるのであった。わっはっはお宝は私のものだと高笑いする定番の悪党キャラ。だがサンドラ・ブロックは動じない。ちょっと待って、この蛇ってどこからこんなに湧いて出た? エサはどうしてる? この遺跡に棲んでる蛇ならなんで悪党は襲わないわけ?

却下、デリート。気がつけばサンドラ・ブロックがいるのはそこそこ豊かなアメリカ邸宅の一室。遺跡だの蛇だのは人気作家サンドラ・ブロックの創作過程をビジュアライズしたものなのであったというわけでアドベンチャー映画のお約束をパロったオープニングになっているのだが・・・なんか、古くない? 大量の蛇がどうのっていうけど今のアドベンチャー映画あんまりそういうのなくない? 人気作家っていうけどこんな内容のアドベンチャー小説とか今時ヤングアダルト向けだとしても売れなくない? あとなんで悪役だけ襲われないんだっていうツッコミもわりと滑ってるっていうか、基本そういう映画だと悪役も遺跡の危険生物に襲われてない?

その次の次のシーンぐらいで早くも眠りに入ってしまったのは暑さのせいも俺のせいもあるにしてもこんなオープニングのいまいちパッとしない印象も影響していないとは言えない。それから始まるサンドラの大冒険はアドベンチャー要素とロマンス要素とコメディ要素をほどよくミックスしたものでおそらくちゃんと起きて観ていればそこそこ面白くは観れるだろうが、さすがに起きていた終盤30分くらいが終盤にも関わらず見せ場に乏しく冴えない感じだったので、そこそこ以上の面白さは期待できないんじゃないだろうか。

そもそも夫の死後スランプ気味の作家という主人公のキャラ設定がなんだか古色蒼然としている。古いことが即悪いこととは限らないが、この映画の場合は古さに特化するわけでもなく現代性をふんだんに取り入れるわけでもない折衷型なので中途半端に感じてしまうし、それが個々のシーンのギャグのキレやアクションのダイナミズムを削いでいるようにも思えた。とかなんとか言ったところで純度高めな睡眠鑑賞の感想なのであんまり真剣に受け取らないでほしいが、俺にとってはそんな感じだったというわけです。

面白かったところ? 面白かったところはどこだろう・・・これといってない。

【ママー!これ買ってー!】


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名実ともに『ジャングル・クルーズ』の激安パチモノ映画だが最低期待値で観ていたので思ったより楽しめた。

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booby
booby
2022年6月26日 10:34 AM

予告を観た時も思ったんですが、お話を伺う限り、ゼメキスの「ロマンシング・ストーン」っぽいんですが、リブートか何かなんですかね。