映画『LBJ ケネディの意志を継いだ男』の感想

投稿日: カテゴリー 居眠り映画館タグ , , ,

《推定睡眠時間:30分》

リンドン・B・ジョンソン大統領の伝記映画でウディ・ハレルソンがジョンソン役。第一印象、これ誰? 俺こんなウディ・ハレルソン全然見たことないしスタッフロールを見てもまだウディ・ハレルソン?の疑問符が消えない。

そうかこれは本人寄せアプローチなのですねぇ。見てくれからウディ成分を消してジョンソン&ジョンソンで固めてるんですねぇと思ったがリンドン・ジョンソンとか見たことからいい加減なもの。

ていうわけで画像検索でジョンソンの実物写真見てみたらいや全然似てねぇじゃん。じゃああれ誰だよ。ウディ・ハレルソンでもリンドン・ジョンソンでもないならあれ誰だよ。誰だよってウディ・ハレルソンだしリンドン・ジョンソンなわけですが・・・。

見てくれ解釈の面白さでいくとハレルソン=ジョンソンと同じくらい意外性があって面白かったのはジェフリー・ドノヴァン(『バーン・ノーティス』の軽薄スパイだった人だ)のジョン・F・ケネディでこれが全然、全然あの理想化されたJFKじゃない、いけ好かない友愛会系兄ちゃんな感じ。

いけ好かないのは見てくれだけではない。なんか大体いつもヘラヘラしてる。公民権法制定をブチ上げたはいいが具体的な段取りはあんま考えてない。マイケル・スタール=デヴィッド演じるロバート・ケネディと執務室でいつもゴニョゴニョやってる。

ジョンソンの映画だから、ということもあるのでしょうがホワイトハウスの外に出ないケネディってなんか新鮮感ある。大衆に顔見せてナンボの人のイメージがあったので。
この映画のケネディというのは古巣の老獪ジョンソンと対比される形で議会軽視の姿勢が目立つ未熟なポピュリストとして描かれているのだった。

伝記映画といいつつ描かれるのはジョンソンについての二三の慎ましやかな事柄だけ。
映画はジョンソンの予備選敗北~ケネディ政権下での副大統領就任ときてそこから、公民権法を巡って分裂しかかった民主党内を古狸の手練手管で繋ぎ止めつつ、ロバート・ケネディの敵意のこもった視線を受け流しつつ、少しずつ公民権法を実現に近づけていくジョンソンの姿を、例のダラスのパレードとのフラッシュフォワード的カットバックで見せていく。

ということはそこが映画の終点なんである。こんな堅そうな映画を見る人はネタバレとか気にしなさそうだから書いてしまうがケネディの死後、大統領に格上げされたジョンソンの就任演説で映画終わんである。
正直に言うとそのへん寝ていたので確かなことは言えないが、大統領としてのジョンソンというのは描かれないわけです基本。

これはちょっとおもしろいとおもったな。大統領の業績とか功罪とか決断とかそういうの見せるんじゃなくて地味ぃな副大統領時代の党内根回し仕事とか細々したことばかりを見せていく大統領伝記映画。
ぼくは政治童貞ですから映画の中で描かれる具体的な状況とか出てくる政治家の立ち位置とかまったくわかりませんでしたが、今(といっても2016年の映画だ)こういう映画を作ることの政治的含意ぐらいは誰が見てもわかるものであるから、そのへんでおもしろく見れましたよ、ロブ・ライナー急に真面目だなとか思いながら。

っていうかそうなんですよロブ・ライナー監督作。知らんかったよもっと大きくポスターとか書けばいいのに。
リチャード・ジェンキンスが南部の古参上院議員。民主党の中でも強硬な保守派でジョンソンが手を焼く中ボス的存在(ラスボスはロバート・ケネディ)。
俺は寝てたのでどこに出てたのか知らないビル・プルマン(最近よく映画出るなぁ)は民主党の新人。ジョンソンの妻役の人はジェニファー・ジェイソン・リー。

なんだよ結構スター出まくり映画じゃん。この布陣にも関わらず休日のええ時間帯に見に行ったら客入りが超芳しくなくもったいない気がしたので見に行ってくれ、暇な人。タイトにまとまった地味な力作だから。地味な。

【ママー!これ買ってー!】


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オリバー・ストーンが3時間超もかけて挑んだJFK暗殺の謎は『LBJ』では一切触れられないばかりかザップルーダーフィルム的な場面は5秒ぐらいで終わってしまい、『JFK』とは対照的な上映時間97分の潔い小品っぷりも含めてなにか(政治のジャンルでそういうセンセーショナルな話題ばっかやってんじゃないよ)と諫めているような『LBJ』であった。

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