もうちょっと何かあれよ映画『ジョナサン-ふたつの顔の男-』感想文

《推定睡眠時間:0分》

面白くなるかな…面白くなるかな…面白く…お…もしろくなってきた…かな? いや…面白くなってきた…面白くなってきた! 面白くな…そこで終わるのかよ!
そんな感想そんな映画。なるほど、映画の力点は二重人格のサスペンスとかミステリーではなかったわけですな。俺そっち期待しちゃった。実際は二重人格の人の生活は面倒臭いなぁみたいな。大変までいかないんですよね、面倒臭いなぁみたいな。

今日の掃除当番お前じゃなかった? あぁごめん、忘れてた。いや、責めてるわけじゃないんだよ、なんか逆にごめんな。そういうのやめてくれよ、俺が悪いんだからさ。いやいや、違うくてさ…みたいなね。みたいな会話を二重人格の人が相方と延々するっていう…面倒臭いなお前ら! っていうか普通にシェアハウスだろ!

ジョナサンとジョンは一つの肉体をシフト制でシェアする二重人格者。日勤は真面目人間の弟ジョナサン、夜勤は享楽的かつ人にめっちゃ気を遣うタイプのジョン。ふたりは自撮りビデオでコミュニケーションを取りながらそれぞれの生活をエンジョイしていた。
ところが。パートタイムで建築家的なお仕事をしているジョナサンに上司から新プロジェクト参加の打診が。これは出世のチャンスと内心ガッツポーズのジョナサンだったが振り上げたマインド拳がピタと止まる。その条件がフルタイム勤務だからであった。

またとないチャンス、逃したくはないが…しかしそれでは夜勤のジョンが疲れてなにもできなくなってしまう。自分の身体をシェアしている都合出て行けとも言えないし…その同じ頃、ジョンにも転機が訪れていた。どうも女が出来たらしいのである。
二重人格者が一人の女と付き合うことは容易ではない。お互いに傷つかないよう傷つけないようジョナサン&ジョンは童貞の誓いを立てていた。その禁をジョンは破ってしまったのだ。

いままでずっと仲良しだったひとりのふたりに方向性の違いから亀裂が入る。果たしてジョナサン&ジョンは何を選択するのだろうか…。

こんな地味な二重人格ドラマもなかなか無いと思うので斬新といえば斬新かもしれないが、それにしても本当に地味な生活ドラマだ。福満しげゆきが二人いるみたいである。それちょっと面白そうなのだがすいませんちょっと盛りました。福満しげゆきじゃなくてもっと普通の人が二人いるだけでした…。

それはそれで、まぁ、悪くもないが、とはいえ捻りのないストレートなシナリオにはもうちょっとなんかあるだろうと思ってしまう。
ジャンル映画的なケレンをあえて排して二重人格生活者の苦悩をじっくり描きたかったのだろうなぁとは思いつつ、です。

【ママー!これ買ってー!】


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同じようなタイトルの(ある意味)二重人格映画ですがこっちは全然面白かった。

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