《推定睡眠時間:60分》
体調が悪かった。暖かくなったり寒くなったりで例によって自律神経が機能不全を起こしこれがバイオハザードだったら今は弱点が剥き出しの状態なのでスナイパーライフルで弱点を狙えば大ダメージを与えられると思われるがそんなわけで爆睡である。最近フランス産アニメがにわかに活況を呈している気配があるためフランスのSFアニメらしいこの映画も観たいな~と思っていたのだが人間の体調は意志の力ではどうにもならないのだから仕方が無い。意志よりも必要なのは薬である。その薬であるところのロキソニン投入によって眠くなるわけだが。
それだけ寝ているので頭に残っているのはいくつかの印象的な光景だけだ。一応ロボットが人間社会に溶け込んでいろんな人間の仕事を代わりにやっている未来世界が舞台でその世界では時間旅行も実現しているのだが主人公はまだ子供なので時間旅行が許されていない、でも恐竜時代とか行ってみたいので両親の時間旅行スーツみたいのを奪って一人で時間&世界旅行に出かけ、その途中でピーターパンのように退屈な日常からの逃避を夢見る少女と合流、二人一緒に虹に乗って世界を駆け巡るが……みたいな話らしいことはわかっているが、二人がどこに行って何をしたかということになるとこれはもう完全に管轄外なので担当部署に聞いていただきたい。
でその印象的な光景というのはまず全身タイツである。どうやらこの銀色の全身タイツが時間旅行スーツらしいのだが、はっきり言ってあまりにもダサい。『キャプテン・ウルトラ』とかそういう世界の美的感覚である。おそらくこれは意図的なものでロボットがいろんな仕事をしてくれている未来世界の描写からしても今風のSFではなくレトロフューチャーの映像世界を作り出そうとしたのだと考えてまず間違いない。途中から昔のSFでお馴染みの二等辺三角形の尖ったサングラスをかけた山里亮太のような三人組が追っかけてきたりするのも確信犯のレトロフューチャー。なぜか昔のSFに出てくる未来人のサングラスは尖っていた……。
今年のフランスアニメ映画では俺は観てないのだが『マーズ・エクスプレス』も『攻殻機動隊』などにオマージュを捧げたあえての懐古スタイルSFだったようで、もしかすると今のフランスアニメ界では『ハイスクール!奇面組』が再アニメ化された現代日本のように昭和回帰のようなことが起こっているのかもしれない。そうした事情は理解しよう。しかし……頭で理解したとしても全身タイツととんがりサングラスの山里亮太という絵面は肌感覚でいささかバカっぽすぎるのでなんんじゃこりゃと思ってしまう。しかもこれはストーリーや演出的にはほとんどふざけたところがなく抒情的でポエティックな真面目なSFなのである。真面目なSFなのに全身タイツととんがりサングラスの山里亮太はないだろう。そんなんされたらなんも頭に入ってこないよ。
まぁでも寝てるからな大部分。起きて観てたらまた感想も変わるだろう。はたして起きて観ていたら全身タイツが可愛く見えたりとんがりサングラスがカッコよく見えたりしたのだろうか。もし全身タイツととんがりサングラスの印象を覆せるのだとしたらなかなかすごい映画かもしれない。