【ネッフリ】『ザ・リチュアル いけにえの儀式』のネタバレ感想

ザ・リチュアル いけにえの儀式[Netflix]

《推定ながら見時間:40分》

森の人がロキの子どもがどうとか言っていたのであの迷宮の森を闊歩する鹿ベースの多脚巨大クリーチャーというのはフェンリルとかスレイプニルがモチーフになっているのだろうと相手のいない空想的ひとりマウンティングが取れたからメガテンシリーズありがとう。

メガテンシリーズではだいたいにおいてフェンリルは妖獣最高位である。DARK派を標榜していながらもウン十年のメガテン歴の中で合体素材として以外は一度もフェンリルを使役したことはないが、最高位なんだからきっと強いに違いない。
スレイプニルといえばメガテンシリーズでは聖獣の40レベルぐらいのやつである。特殊三身合体でオーディンとか作れるし、そうでなくても合体素材として優秀な聖獣だから何度も召喚した記憶はあるがパーティに加えた記憶は皆無に近い。
たぶんディアラマとかエストマとか持ってたはずだから作っても万年COMP待機で要らなくなったら合体させてたんだろう。

やってない人には一切意味がわからないメガテン思ひで語りであるがそれにしても扱いが、雑ッ! 不敬! メガテンではこんな残念な扱いを受けているがいや俺が残念に扱っているだけなのかもしれないが(でもスレイプニルは本当に使い勝手のいい良悪魔なんだよCOMPの中では!)この映画の中ではすごい神様だから俺みたいに雑に扱うやつはみんな食われてしまいます。こわーい!

でもあんまり美味そうに食わない。それもそのはず、この森神様は別に人間だけ食って生きてるわけではないし他の動物も食ってたしそもそも神様だから食べないでも生きられるっぽかったが、森神様の恩恵に浴そうとする森人たちによって半ば強引にたまたま訪れた旅行者なんかを食わされていたのだった。

この供物旅行者というのが主人公一行。欧米人がズケズケと異境に踏み込んだら土着信仰のしっぺ返しを食らう例のパターン。
で森神様の恩恵というのは不老不死。自分が死にたくないという森人側の都合で無理矢理人間を食わされるんだからここでも結局は扱いが酷かった…。

まぁでも酷くてべつによいのである。偶然にも友人の死に出くわしてしまって、もしかしたら救えたかもしれないのに救えなかった、その死というのは強盗殺人だったが強盗から自分だけ逃げてしまった過去に対する主人公の、自罰意識と罪悪感を反映したのが森神様と他人を森神様に食わせて自分だけ生き長らえようとする森人たち(ここにもまた別の象嵌がある)だったので。

フェンリルとスレイプニルみたいに裏表になった恐怖と救済を構成するのは存在のあやふやな森神様でも森人でもなくて自分の忌まわしい過去だったのである、というわけでそのことに本当はうっすら気付きつつも森神様が悪いんだ全部森神様が悪いんだと思い込もうとしていた主人公がようやく過去と対峙しようとするラストはちょっと哀しいイイ話感なのだった。

…ていう風にも見れるように作ってある足下のふわふわしたホラーで、こういう場合には通例「物語の解釈は見る人それぞれが考えて欲しい」とか作り手は言うものですが、嘘つけ本当は複数の解釈とかないだろお前にとっては! ていうのはいつも思うねこの手のホラーで。

大人ぶった態度はやめろ。そういうことを言っているから読解力のない観客の読解力がないのは個性だから別に構わないが読解力の無さを棚に上げての「中途半端」「何も考えてないオチ」みたいな逆転した上から目線の雑批評がまかり通ってしまうんだぞ。いいのか! いいのか。賛否両論マーケティングとかあるわけだから…。

悔恨漂わせまくりな傷心主人公の内面ドラマは一貫しているが表面的には変動著しいので最初は鬱蒼とした異境(スウェーデン)の森でのサバイバルドラマかと思った。
心底厭なやつがいるんだ主人公一行に。マジなんでこいつ連れてきたんだよって感じの文字通り足を引っ張るだけのやつがいるんだ。それで段々メンバー間に不和が生じてくるんだ。

天然の監獄みたいな陰鬱な森林風景をバックにいつ殺し合いが始まるのか…思っていたら『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』的な森オカルトに移行。
それから一人また一人と死んでいくが中々手の内を明かさないシナリオであったから森神様の仕業と見えて実は主人公が無意識的に殺してるんではないかと思えてきて恐ろしいが、この点は最後まで見ても保留事項。

ドラマ版『かまいたちの夜』はそのオチを採用してましたね。なんなんだその唐突で無関係なネタバレは! でもソフト化とかされてないし(※TBSオンデマンドで見れました)もう誰も見ないだろうから何一つ問題はないだろう…藤原竜也が出てるんだよあれ藤原竜也が…。

ていう映画。86段階評価の75。森林がコンビニ化する幻想場面はシュール。木々の間にチラ見えする神様表現はマグリット的な騙し絵の観。
物語もなんだか騙し絵のような、雰囲気のよろしい品のあるホラーでございました。おわり。

【ママー!これ買ってー!】


地球が凍りつく日 [DVD]

北極に近い石油掘削基地で地味怪異多発。変な夢を見るようになったりロン・パールマンが小便漏らしたりする。文字にすると壮絶に些末ですが映像で見るとこれがたいへん不穏でよい。
これもちなみに神様についてのお話であったがこっちの神様は北欧神話ではなくタコの方です。そうです『クトゥルフの呼び声』系なのですこれは実は!

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