映画『マルケータ・ラザロヴァー』限界感想文

《推定睡眠時間:0分》

今回の感想は映画の内容についておそらく一言も触れない限界感想文になるので『マルケータ・ラザロヴァー』ってどんな映画かなとか思った人は速攻で帰ってほしいのだがなぜ限界かといえばそれどころではなくてですね俺これ166分おそらく一睡もせずに見てるんですけど内容は最初から最後まで一切わからなくて誰がマルケータで誰がラザロヴァーなのかもわからないしだいたいタイトルを『マルゲリータ・ラザロヴァー』だと思っていたぐらいなのでまぁそんなことはいいとして俺ADHDの診断受けてるんでそんなに酷いものではなく自分では落ち着きないのが普通だと思ってるんですけど仕事でミスは多いっすねーとかメンタルクリニックの医者に言ったらじゃあコンサータ飲んでみるって勧められたわけです。

それでこの商品名コンサータっていうのはメチルフェニデートですからアンフェタミンだよね、効用としては。だからなんか服用と所持に制限がかかってるらしくて、他のADHD治療薬とかだとそんなことなかったんですけど誓約書みたいの書いてカード型の許可証携行しないといけないんだって。不安になるじゃんそんなの! うわぁついにソフトドラッグ界のハードドラッグ来たなぁって思ったよ! それで頭の中になんかヤバイ薬っていうイメージができちゃったのがよくなかったんだろうね、まぁそれはおいおいですけれども…。

で、俺は薬にはかなり弱い体質で、そもそもコンサータを試してみることになったのはストラテラとかインチュニブっていうADHD治療薬がダメだったからなのね。副作用がすげー出ちゃってまともに活動できない。じゃあコンサータはどうだと。飲んでみるとね動悸が止まらん。何時間もずっとドキドキいってる。まぁアンフェタミンですからね効用的には。これはわりと困る副作用ではあるけれどもストラテラとかインチュニブでは食ったものが全部水状の下痢便になるとかロキソニンを飲んでもスマトリプタンを飲んでも止まらない猛烈な頭痛に数時間も襲われるとかだったので全然ADHD治療薬の副作用としては楽な方。

そこまではよかった。だがそこからがよくなかった。こんなイメージが思い浮かぶ。俺は駅のホームに立っていて、とくにネガティブなことは考えていないのだが、電車がホームに近づくとスタスタと線路に向かって歩いて行って電車のホーム進出と同時に飛び込んでしまう。もう一度同じ映像が目の前の『マルケータ・ラザロヴァー』に重なる。今度は俺も「いや、死にたくないよ!」と抵抗するのだが、身体の方は金縛りにあったようにまるで動かず、ビデオ再生するみたいにさっきと同じ飛び込み自殺を遂げてしまう。そして再び地下鉄ホーム。そこで奇妙に思考が二重化される。俺は確かに「死にたくない!」と思っているのだが、それとは別に「飛び込まなければ」と考えていて、飛び込まなければ、飛び込まなければ、飛び込まなければ…そしてまた実際に(?)そうなるのだ。

冷や汗が出てくる。おそろしいのは俺自身の意志と身体が完全に分離してしまっていることもそうだが、もうそんなイメージは考えたくないのに脳裏にこびりついて離れず、目は確かにパッチリ開いて『マルケータ・ラザロヴァー』を見ているのだが、脳は延々と地下鉄の飛び込み自殺を反復するのだ。こ、これが(あくまでも俺の体質の)コンサータ効果か! なんかヤバイ薬という刷り込みに加えてカフェイン激弱体質にも関わらず映画鑑賞前にコーヒーを一杯ひっかけてまぁ悪かったんだろうね。もう本当精神不安定になりますからコーヒー一杯飲むと。びっくりするよ。

それからは何日かコンサータは飲んでみてまぁそこまでな副作用が出ることはなかったけれども「(何かを)やらなければならない!」っていう強迫観念みたいのがついて回る感じがあってこれ逆効果じゃねぇかADHD治療薬的にっていう感じがあったんで、やめた。えー、そういうわけで『マルケータ・ラザロヴァー』はぜんっぜんどんな映画かわかってません。脳内飛び込みループに入ってからはどうにか脳の興奮を静めてこびりついたイメージを無にしようと積極的に思考を排除していたので画面の何を見ても何も考えません。ただあの中世ヨーロッパの汚らしい空間の作り込みがすごかったなとか、なんかそんな感じでした。おもしろい映画だとおもいます。

【ママー!これ買ってー!】


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全然内容はわかってませんが雰囲気的にはなんとなくタル・ベーラの映画に似てました。あとソクーロフっぽさもあるな。

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