北斎ナビ映画『大英博物館プレゼンツ 北斎』を見た

《推定睡眠時間:5分》

イントロダクションで大英博物館の学芸員? だかの人が「今回のシアタープログラムは…」とか言っていたので『デヴィッド・ボウイ・イズ』(映画の方)なんかと同様のこれは展覧会ナビゲーション映画か。
会場内の小シアタースペースで作家の生い立ちとか面白ポイントを10分程度の動画でナビするスタイルの企画展とかよくあるが、あれを90分ぐらいの長編にした感じ。
つまりは昨年5月に大英博物館で開催された北斎展「Hokusai:beyond the Great Wave」の宣伝である。

そう言うとにべもないがでも面白いナビ映画でしたよ全然。内容的にはテレビでやれ又は動画サイトでやれみたいな感じですけど大スクリーンに拡大された北斎の絵を見る、というのは愉しいし興奮するから単純に。
不満があるとすれば展覧会ナビゲーションなのに肝心の展覧会が見れないっていうそこなので巡回展やらないのかなぁ…って思ったらもう来てたのかよ去年! 大阪あべのハルカスに!
じゃあなんでむしろ今更上映されたんだという気もするがいやまぁいいんだけど映画は面白かったから…。

内容的には云々と腐してますが俺は日本画全般に興味が薄いので、そういう人間からするとこれは大変ちょうどよい北斎ナビだった。だってイギリスのパンピーは北斎とか馴染みないわけでしょう普通は。
馴染みのないものをさも面白そうに見せて客寄せしないといけないんだから畢竟、ある程度は知ってるだろ的な前提に立って変にマニアックだったり新説に飛びつこうとしたりする日本人向け北斎ナビよりも知らない人には見易くなる。し、ポップになる。

なにせ前提知識がないものだから結局はこの映画がどのくらい北斎の芸術のツボを押さえてるのかはわからないんですがー、作家の全体像の掴みやすい総覧的な内容になっているように思えたし、だいたいストレートに北斎おもしろいなぁってなるわけである。

この映画で初めて正式名称を知った例の波の絵、「神奈川沖浪裏」、あんなに完成された遊戯的でうつくしい絵だったのか。北斎漫画というのは聞いたことだけあるがあんな博物誌的な性格を持っていたのか。赤富士は元々赤くしたくなかった説があるのか、とかいちいち驚く。
オランダ人からの依頼で西洋画まで描いてたの北斎!? みなさん知ってました? 知ってるんだろうな…でもまぁそういうのがポンポンとテンポ良く出てくるから飽きずに見れてよい。

あと北斎は小説の挿絵とかも描いてたからこれと北斎漫画がセットになって現在の漫画の下地を用意したんだ説みたいの唱える人が出てきて、それは別に北斎とは全然関係ないのだが藤子不二雄両先生もそれこそ北斎漫画みたいなストーリーのないスケッチの山から画業を始めて、絵物語の挿絵の仕事なんかをこなしながら徐々に自分たちの漫画を作り上げていったわけだから挿絵的なものって大事なんだなぁと思いましたね。
その北斎の挿絵はですねちなみに映画で見ましたらすごい迫力あって隅々まで描き込まれてて情報過多でびっくりしたよ。さっきから驚いたとかびっくりしたとかしか書いてない。

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ほらもうこういうやつ! 日本人が北斎テーマで映画撮るとこういうやつになるんだよ! あの北斎をどう切り取るかみたいなオタク的なスタンスになるんだよいやこれが特殊なだけかもしれませんが。作・映狂老人、新藤兼人。

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