大サービス映画『ワイルド・ストーム』感想

《推定睡眠時間:45分》

初代『ワイルド・スピード』のロブ・コーエンが監督だから『ワイルド・ストーム』! なんて明瞭ストロングな安直邦題! 映画もなんか豪快にざっくりしててよかったです! これは完全に木曜洋画劇場枠!

木曜洋画劇場でよくやってませんでしたか、災害に乗じて悪巧み系のパニック映画。『フラッド』とか。あと『デイライト』とか?
『デイライト』は違うか…と思ったら『デイライト』も監督ロブ・コーエンだから俺の既視感は正しかった。つまりそういうやつです。

寝ていたから詳細がよくわからないがー、強盗団とVSすることになった気象学者(トビー・ケベル)の兄貴が保安官? かなにかで。
そのプライベートオフィス的なところのクローゼットに隠し扉、開けると中には大量の銃火器。

「おいおいそんなのありかよ」と気象学者の弟。「アラバマ市民だからな」と保安官? の兄貴。
完璧かよ。木曜洋画劇場で見たいアメリカイズムの全てが詰まっているじゃないか…その後はスーパー豪快カーチェイスというかやってる事は西部劇の幌馬車アクションに移行、最高に映画の中でだけ見たい感じの野蛮米国してる。

観測史上最強クラスの超ハリケーン、それに乗じた強盗計画・銃撃戦、津波スケールの大洪水、色々あって最後はハリケーンの中でカーチェイス。
こんなに面白要素だけで固めてきた娯楽映画が近頃あったでしょうか。しかも主人公が気象学者だから悪天候を武器にして悪党と戦うんだぞ。超面白いじゃん。
そのうえこの主人公が『世界が燃えつきる日』みたいな対ハリケーン戦車に乗ってるんだぞ。超面白いじゃん!

刻々と変化する気象状況とヒット&ランな無人の街全体を活用したアクションで目が飽きるということがない。
冒頭からしてハリケーンで家分解の景気の良さ。どうせ無人だからと片っ端からCGでぶっ壊していく姿勢や良し。
物を壊せばとりあえず面白いという映画テーゼの正しさを改めて思う。

この映画に足りないものがもしあるとすれば悪役のキャラがあんま立ってないことだろう。
基本的にやってることは『ダイ・ハード』とミリ単位まで変わらない『ワイルド・ストーム』強盗団だったが、『ダイ・ハード』のアラン・リックマンみたいなアクの強い悪役がいない。わりとどいつも小物。

アラバマ兄弟の共闘が熱すぎる映画だったからそこはもうちょっとザ・悪! みたいなの欲しかったなぁ。いや悪いんですけど、充分悪いやつ出てくるんですけど悪の魅力というほどには悪が際立ってなかったんですよ。
それがあったらワイルド・ストームじゃなくてパーフェクト・ストームでしたね。あ違う映画になっちゃった。

【ママー!これ買ってー!】


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