スティーヴン・セガール最新作『沈黙の終焉』感想

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《推定睡眠時間:50分》

今回のセガールは役名をジェイクというがこれはなにやら聞き覚えがあると思って検索するとそうでした『沈黙のアフガン』も役名がジェイクでした。
シリーズものかな? 確かにチームアクションという点でも『沈黙の終焉』と『沈黙のアフガン』は共通していた。

俺の記憶が正しければ2009年の傑作『沈黙の鉄拳』がその萌芽であるが、後に『S・セガール劇場』のタイトルでも放送されたらしい(テレ東で)TVシリーズ『TRUE JUSTICE(沈黙の宿命)』で一つの完成を見たチームアクション形式が現在のセガール映画の主流をなしている。
チームアクションなら自分が動かなくてもいい。にもかかわらず尊敬されるボスのポジションを維持できる。なおかつ大好きな若い女をチームメンバーに呼べる。
観る側にとってはどうかわからないがセガールが仕事をするには完璧なシステムである。

『TRUE JUSTICE』以降のセガールはかくして急激に芝居をしない座り芝居役者と化していったので今回もとりあえず冒頭、エド・ウッド映画のセットみたいなCIAの取調室的なところに座って直前の出演作のタイトルが『Robodoc』という女優が演じるCIA職員相手に思わせぶりで中身のない台詞を棒読みした後、これはチームアクションでありセガールは当然チームリーダーであるから指揮車の中でモニターを見ながらチームに指示出すことなくただ作戦の成り行きを見守ることがメインワークになる。

言い忘れていたが『沈黙の終焉』がどういうストーリーかというと、実は爆睡したのでよくわかっていないのだが、セガール演じるジェイクはCIAのスペシャルチームを率いてタイを中心に暗躍する臓器売買組織(『ドラゴン×マッハ!』とかで描かれてたあれ)を追っているらしい。
なぜCIAが国外の臓器売買組織と戦っているのか不明であるがそこらへんは俺が眠っている間に説明があったことだろう。とにかくセガールが悪いやつと戦っているという話である。

さて臓器売買組織に臓器を抜かれるカモとして接近し抜かれそうになったらセガール一行が現場を押さえるという極めて危険かつそっち役で潜入すんのかよ的な潜入捜査作戦をセガールがモニター越しの安全圏からボーッと眺めていると潜入したチームメンバーが首尾良く大ピンチ。
このままでは臓器が抜かれてしまう! 現場近くで張っていた他のチームメンバーたちがただちに現場を強襲、そしてセガールも拳銃を抜くと歩いて現場に向かうのだった。いや走れよ!

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ちなみに役名が被っていたかと思われた『沈黙のアフガン』はファーストネームが違ったので特に続きものではなかったです。
『沈黙のアフガン』もラスト5分までセガールずっと座ってたし内容的には同じようなものだが一応別物。
最近のセガール映画はセガールの持ち込み私服なのか衣装とか使い回してるからあんまり分けて考える意味もない気もするが、そこは沈黙せずにはっきり言っておいた方がいいだろう。

内容について言えば、なんていうかたいへん経済的であった。実際にはロケに行ってないと思われるがワールドワイドな舞台設定になっていて、ライブラリーから引っ張ってきたと思しき各地の空撮映像でなんとなく観光感を演出。
ワールドワイドな舞台設定ということはシーン毎にメリハリがついて目に楽しいので、各シーンが若干だらついていてもあんまり気にならない。これはつまり尺が埋めやすいということである。

加えて今回チームアクション。各メンバーのキャラクターや家族なんかを適当に掘り下げつつ合間合間にセガールではなくチームメンバーによる銃撃戦と格闘を加えれば90分程度の尺なんてびっくりするほどあっという間、なおかつそれなりに贅沢感まで出てしまう。経済的としか言いようがない映画である。
セガールも要所要所に顔を出せばいいだけだから推定拘束日数3日。それぞれに家庭の問題を抱えたメンバーたちがチームは家族セガールこそ父と熱弁するシナリオだからさぞかし気持ちよく仕事が出来ただろうとおもう。
エンドロールに流れる映画の主題歌は「戦えジェネラル・コマンダー(チーム名)!セガールがお前の首をへし折るぜ!」みたいなライムをひねるアンセムラップ。気持ちよく仕事が出来ただろうとおもう。セガールは。

まあ寝ていたからおもしろいところは全部見逃してるとおもうのですが、セガールがスタントダブルも早回しも使わないでもっさりした自分の動作で悪党の腕をへし折りに行ったところは感動しましたね。
そこはもう森光子におけるでんぐり返しみたいな、この映画最大の見所だったと思いますね。50分寝てますけどね。
あと冒頭でセガールと相対してた女CIA職員のチープな90年代メイク。これ回想形式で女CIA職員がチームメンバーを聴取しながらアクション込みの回想パートが展開していく(またもや尺埋め工作だ!)ので、その顔が強烈に目に焼き付いた。見所です。

こんな映画誰も見ないだろと思っていたが映画館に行ってみると小箱とはいえ場内満席。未だ衰えぬセガール人気に感動したし呆れもしたし若干腹立ちもした。
俺はチケットをネットで買ったのですが想定したよりネット購入が多かったのか、通常は上映前に送られてくる購入番号とかが載ったメールが上映時間を過ぎても来ない(上映終了3時間後に来た)。
サーバーをも沈黙させるセガール。セガール最強伝説にまた新たな1ページが加わってしまった。ちなみに上映中は俺を含めて結構露骨に寝てる人がいたが、上映後は観客沈黙。『沈黙の終演』であった。

【ママー!これ買ってー!】


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セガールがチームアクションの味をしめてしまった元凶にして原点。私は見ておりませんがセガール教養として見ておきたい。

1000