小6男子観察日記映画『グッドボーイズ』感想文

投稿日: カテゴリー 居眠り映画館タグ , , , ,

《推定睡眠時間:0分》

12歳男子3人組の性の目覚め前夜を描いた小学生版『スーパーバッド/童貞ウォーズ』といった趣の映画だが個人的な性の歴史を辿ってみると6歳ぐらいの頃テレビでやってた『ビバリーヒルズコップ2』のストリップバーのシーンに理由もわからず興奮して画面上のオッパイを触ろうとしていた暗黒記憶にぶち当たってしまったのでこの映画は12歳男子を美化しすぎである。

両親の部屋から引っ張り出してきた大人のオモチャの使い方がわからずアナルビーズでヌンチャクだ~(その後、「なんかウンコ臭くない…?」と不穏な発言)とかやって遊ぶのはまだギリギリわからなくもないがキスの仕方を検索しようとして観てしまったエロ動画に大パニックの図、とか絶対ウソだろそんなもん12歳男子大勃起だろ、なんならその場で抜いてしまうだろ、奴ら人間じゃないだろ発情した野性動物だろ12歳男子なんて! カメラ付きドローンを飛ばす場面があるがドローンとか持ったら倫理とか法律なんか突き破って絶対女の裸が見れるポイントをギン勃ち状態で探しに行くだろ人外12歳男子なんて!

ということを生々しくやられてしまったら一切笑えないのでこれでよいのであるが、まぁだから案外、際どい系の映画と思わせて安心安全、お子様とご一緒にとはさすがに言いにくいが下ネタは大量にあってもエロはなし、主役は道徳的にファンタジー化されたヘタレキッズなのでなんと言いますが大丈夫な映画だったよな。みんな良い子だからグッドボーイズ。なるほどタイトルに偽りない。

主役の3人組は良い子だったが12歳男子ともなれば野獣であるからマウンティングに余念が無い。ビールが何口飲めるとかキスしたことがあるとか下らないことで猿山登って平和な猿ガキどもを挑発するので3人組もついつい乗ってしまう。ブラザーなファンキー感を漂わせつつも礼儀正しく規律を重んじるザ・良い子なルーカス! ワイルドな俺様ファッションに身を包み夢は歌手というジャイアニズムを体現しつつも腕力と胆力がゼロだったのでやっぱり良い子になってしまっているソー! そしてとくに特徴はないが素直で良い子なマックス!

良い子な3人は同学年の顔役的ポジションの超ちっちゃいが超こわい(でもこういう可愛げゼロのガキの方がリアルに12歳という感じである)チャイニーズ・キッズに誘われビールと「キスゲーム」ありのホームパーティに出向くことになるのだったが、たかがホームパーティとはいえ12歳にとっては猿山の頂点をかけた戦い、キスとビールという未体験の脅威を克服すべく良い子3人組は半径せいぜい3キロぐらいの大冒険に出るのであった…。

広告

その大冒険の微笑ましいスケール感がやっぱ面白いところなんだろうな。パーティに出るためにはブツ(※ドローン)を仕入れなきゃならねぇっていうんで3人組が向かったのはショッピングモール、補助輪取りたてみたいなキッズチャリをシコシコこいで丘を越えるとそこには行く手を遮るハイウェイが! どうしよう! 渡るしかないだろ! グーグルマップとかに道聞いて迂回して行けばいいのにそういう知恵はないので『浦安鉄筋家族』の春巻が高速道路で遭難した回みたいになるのであった。

大人だったら大惨事な出来事をキッズスケールに置き換えていく映画なので銃撃戦もあるしカーチェイス(?)もあるしT-1000みたいな超身体能力女子学生とのバトルもある。大人の目から見ればなんかそこらへんのガキが騒いでるだけでもガキからすればそうではない。そのギャップを生暖かい眼差しで笑いながら見守る感じになるが、演出のトーンが大人目線なので一大決戦を間近に控えたキッズたちの疾風怒濤な感情があんまダイレクトに伝わってこないのは良いところでも悪いところでもあったかもしれない。

『ホーム・アローン』スタイルというか。でも『ホーム・アローン』には暖炉が怪物みたいに見えて怖いとかそういうキッズ目線がちゃんとあったと思うんですが、これはそういう場面はないわけです。その意味では醒めているし、大人向け。成長に伴う親友との別れの予感なんかも出てくるけれどもあくまで予感に留まるし、そこに本人たちの「まさか!」とか、リアルな痛みというものがオリジナル版の(?)『スーパーバッド』と違って無いので、結構フラットな映画になってるわけです。

だからオモシロよりもカワイイが勝ってしまう映画だったかもしれないな。マックス役ジェイコブ・トレンブレイくん、これは典型的な「汚い」アメリカ子役(※カナダの人らしい)なのでこないだの『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』ではぎゃあぎゃあ騒ぐウザキッズでしたが今回はゲームのアバターを豊乳女ゴブリンとかにして興奮する冒頭から100%のまあ可愛らしい子です。そうだそうだ、俺もやってたぞ。初代ポケモンで手持ちポケモンのニックネームをオッパイとかチンチンとかにして興奮していた記憶があるぞ。全然可愛くないな気持ち悪いよなにそれ。でもジェイコブ・トレンブレイくんは俺と同じような性の目覚めエピソードを披露してもカワイイので「汚い」のです。

広告

ルーカス役キース・L・ウィリアムズ、この人はトレンブレイくん的な無垢な可愛さではなくて良い子ダナーの可愛さ。めっちゃ良い子。良い子っていうか良い人。絶対頼まれたら断れなくて各所で貧乏クジ引いてるしこれからの人生でもむしろ何が貧乏クジか見極めて自分から引いていくんだろうなっていういじらしさにふわふわの頭を撫でたさがノンストップ。親父役が愛と信頼のリル・レル・ハウリーっていうのもイイんです。この人がまた情けない親父で良い人なんだけれども争い事を避けよう避けようとして逆に事態を面倒臭くするタイプっていうのが短い出演シーンの中にも滲み出ていてここ、なんか制作陣の人柄を感じたよな。

それからソー役のブレイディ・ヌーンね。見た目はなんとなく失敗したリバー・フェニックス、ワルを気取りたいけれども気取りきれない情けなさが…全員情けねぇじゃねぇか! そうだな、全員情けない映画だった。子供から大人まで女はちゃんとしているが男は子供から大人まで全員情けない映画だった。終盤で密かに判明する顔役チャイニーズ・キッズの裏の顔とかも含めて男子の情けなさを愛でる映画だったよ。そう言うと急進的なフェミニストの顰蹙を買いそうだが…。

「ポルビ」と「ガンダルフ」には笑った。オンラインに移行済みとはいえまだまだ現役MTG(ミーティングではない)プレイヤーとしてはカードゲームおじさんの登場は他人事ではなく苦笑い。「おじさんが小児性愛者に見えるかい?」「どっからどう見ても典型的な小児性愛者だ!」酷いなぁ、酷いけど笑ってしまうね。全体として小粒感はあるが個々のネタはキレがあった。でも個人的に一番グッときたのはT-1000みたいな怖い女の人でしたがね。超好き。こういう怖い女の人スーパー好き。しこたま蹴られた後に慰められながらオシッコかけてもらったりしたい…何のコーナーなんだこれは!

※この怖い女の人は中国系の人かと思いましたがミドリ・フランシスという日系の人らしい。

【ママー!これ買ってー!】


スーパーバッド 童貞ウォーズ (字幕版)[Amazonビデオ]

『スーパーバッド』の子供版を作ろうとしたらオモシロのスケールまでキッズサイズになってしまったという感じもある『グッドボーイズ』ではあった。

0 Comments
Inline Feedbacks
View all comments