コリアンV級シネマ『修羅の華』の感想

《推定睡眠時間:0分》

いや俺はニコラス・ケイジの新作かなんか観に行ったときにこれの予告編観てあぁもう絶対やばいやつ、もう絶対やばいやつだと思ったものだから単館系とはいえ公開前後の世間の黙殺レベルの高さにえぇってなったよね。
世間はひとまず置いておくとしてもですよ、目ざとい映画ファンならこんな絶対にやばそうなコリアン・ノワールの新作を黙って放っておくはずがないのに。いったい何故。いったい何が。

理由は非常にシンプルであって実物観たらわかりましたVシネだこれVシネ。V系スタイルで固めたコリアン・マフィアの影の実力者キム・ヘスがブイブイ言わせるVシネ。
映画が始まるとキム・ヘスが本拠とする高級娼館に汚い男どもがザクザク入ってくる。次の場面は娼館の待機所だが場末のソープとはスケールが違うので石壁に覆われた専属エステティシャン&エステ台付き広々優美プール、おっぱい全開の娼婦たちがふやけており早くも下卑た客どもの本能にダイレクトアタックするVシネ感だ。

ふやけたお身体をエステで整え(出勤前にエステをするのだ!)娼婦たちは客室へ。うーん、エロい! 各々タイプの違う娼婦たちのタイプの違う本番モンタージュ、非常にエロくて良かったですね!
ハード性交なので嵐のようにボカシが入りそれがまたエロを煽る。V感も加速する。しかし接合部を見せる(見せていないだろうがボカシのせいでそう見える)エロVシネというのもないだろうからVシネの壁を突破してAVの境地。

エロ要素はそこだけであって、キム・ヘスと組織のナンバー2、イ・ソンギュンが隠し撮りしたセックステープで地位と金のあるエロ親父ども脅迫って組織拡大に奔走するの図、でしかないのだがいやでもVはしっかり刻まれちゃったからもう。
コリアン・ノワールって感じじゃないよねだから即物的でバッドテイストなヤクザVシネです。あんまり意味はなさそうだが扇情効果は高いエログロ暴力と場当たり的で中途半端なびっくり展開満載。
それはそれで楽しんで見たけれどもポスターとか予告編ほどのインパクトだとか漆黒っていうコリアン・ノワールに期待しがちなやつはなかったんすよVシネ的ウェルメイド感が強くて。
べつにノワールとヤクザVシネは対立概念ではないと思うが?(が?じゃねぇよ)。

こういうV級映画がしかし一般映画枠で製作されてんだから韓国映画界の余裕を感じるよな。キム・ヘスのファッションショー的な側面まであったりして余裕ですよ。
カッコ良かったねぇキム・ヘス。タバコの吸い方と剃り込みがあこがれ。早割カットと大音響効果音でだいぶごまかしたアクションにせっかくのキム・ヘスの魅力が滲まないのは残念極まりないが(そもそもこのプロットだとキム・ヘスのアクションをねじ込むのは無理があるだろう)、エロとバイオレンスとスタイリッシュ系アクションとカッコ良い女優さんと…V層の客が求めるものは一通り入ってるから楽しいV級映画でしたよ。

あとイ・ソンギュンはたまに大沢たかおに見えてたまに大泉洋に見える。

【ママー!これ買ってー!】


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女性主人公のノワールという以外にほぼ共通項がないが好きなので貼る。

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