原作未読ドラマ未見でギャンブル鑑賞『映画 賭ケグルイ』感想文

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《推定睡眠時間:3分》

同名漫画原作のTVシリーズの映画版という事情を差っ引いてもよくわからない話で一応学園ものの体は取っているがこの学園は教師とかいないし授業なんか一回もしないで生徒全員が常に億単位の賭け事に興じているので感覚的には『シグルイ』の山口貴由先生の初期代表作『覚悟のススメ』ぐらい学園もの感です。ギャンブルに負けて借金を作ると人権剥奪。世紀末か。

強権的な生徒会長が反乱分子に対して退学をちらつかせて脅しているがそれは脅しになるのだろうか、みんなこの入学即人生設計大破な人間をダメにする学校から出て行った方がむしろ幸せなんじゃないだろうか…と思うが『覚悟のススメ』みたいに学園の外は怪物のうろつく放射能汚染地帯かもしれませんしね。違うだろうけどどうでもいいよ。アーミッシュみたいな反ギャンブル反格差を是とする禁欲集団が学園内に教会と農場作って生徒会所属の機動隊(?)が武器を手にそいつらを制圧しにいったりする映画だからな。どんな世界観よ!

いや、面白かったですよそういうの躊躇わないから。実写ならリアリティ乗っけないとなぁみたいな悩みがシナリオにも映像にも皆無。すべての映画はアニメになる、とは押井守の弁ですがその身近な実例。100%漫画的物語としてアニメの手法で撮ってる映画ですよね。オープニングもペルソナシリーズとかみたいでカッコ良かった。

こういう振り切れた映画は英勉にもってこいだ。とにかく無駄にテンションが高い。全編『北斗の拳』の次回予告みたいな演出っぷり。俺はこの人の映画のデリカシーとかマジで少しもない作劇に毎度毎度すごい嫌悪感を覚えるが、ギャンブル題材のピカレスク映画とくればその嫌悪感もプラスに作用するというもの。
世の中すべては金で決まる。金がなければ人権なし、文句があるならギャンブルで勝ってみせろ。さもなくば騙すか殴ってその金を奪い取れ。ピカレスクである。見てくれはポップだが根底にあるのは劇画性であった。

あと女優陣がみんな欲望丸出しでギラついてるキャラっていうの良いですよね。これも英勉映画の特徴に数えてよいと思うが女キャラに嘘がない。正義も大義もなくて自分とか自分たちのためだけに行動する。しかも可愛いから強い。池田エライザのゴスロリ女帝っぷり、伊藤万理華のガチャガチャした俺っ子っぷり、浜辺美波の現代の緋牡丹博徒っぷり、エンドロールを見るまで青山ひかるだと思っていた森川葵の冷血っぷりも可愛い。恋愛要素が一切ないのも好感触。下手に恋愛入ってくると冷めるんですよ、結局その可愛さは恋愛描写のためにあったのかよみたいな感じで。

あと矢本悠馬のチンピラは超ハマってましたねぇ。フィルモグラフィーを見たら俺結構この人の出てる女子高生映画(『センセイ君主』とか『トリガール!』とか『君の膵臓を食べたい』とか)観てたんですが、どれも全然キャラが違うんで別人だと思ってたから同一人物と知って軽く驚く。
でもカメレオン的な芝居ではないんですよね。演技の幅は広いんだけれどもなにか一貫したものはあって、そのなにかがよくわからないんですけど…この人はちょっと面白いからチェックしておこう。

高杉真宙は三枚目、宮沢氷魚は色気がある、そして全員芝居がクドい。漫画映画だからな。漫画映画こんなもんだろう。漫画映画を妥協することなくやりきって119分あっという間。先読みがイージーモードなシナリオの捻りのなさも演出と演技の勢いでごまかしてしまうのだからこれは結構すごいことだ。おもしろかったですよ、『賭ケグルイ』。

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