【ネッフリ】『マリブ・レスキューチーム』を観た!

《推定ながら見時間:40分》

69分という中途半端なランタイムが時間つぶしにはちょうど良かったので観てみると完全にキッズ向け、対象視聴者層は幼稚園年長~小学校中学年ぐらいだと思うので超学年の俺の出る幕ではなかったが、こういう内容のキッズ向け作品をネッフリは求めているのかと思うとちょっとおもしろかった。

最近もネットフリックス、子供向けメディアブランド買収-ディズニーに対抗(ブルームバーグ)なんて動きがあったそうですが、ネッフリはディズニーのVOD参入以前よりキッズ向け作品にずいぶん力を入れている。

13歳以上向けの通常作品ページとそれ以下の視聴者を対象としたキッズ向け作品ページでUIが異なっているあたりに本気度が見えるし、『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』で大人向けにも拡大されたインタラクティブ作品もいくつかのネッフリ発キッズ向けアニメでまずは試行錯誤。

観てみればわかりますがネッフリのキッズ向けインタラクティブ作品かなり自由で実験的な作り。キッズ向け作品の拡充は単に視聴者層を広げるに留まらず、様々な知見やデータを得るための実験としての側面もあるわけで、キッズ向け作品というのはネッフリの実は基礎部分であることがわかる。

で『マリブ・レスキューチーム』ですがストーリーはまったく他愛のないもの。ちょっとしたやらかしでせっかくの夏休みが没収、義父にボーイスカウトのビーチ版みたいなライフガード講習に送り込まれた主人公の白人男の子がプチプチした騒動を起こす。基本的には教育ビデオみたいなもの。でも教育ビデオ的な説教味とか臭味はない緩いコメディ。

面白ポイントはボーイスカウト(的な)なので主人公はチームで行動するわけですが、そのメンバーの人種構成が見事にポリコレ。主人公が義父を受け入れまた逆に義父が主人公を受け入れる過程がストーリーの大枠になっているのでこれも血の繋がらない家族の肯定というリベラル的な理念が反映されているが、義父の連れ子がアジア系の知的な女の子というのもあり、マリブ・ビーチの伝統を守るためにヨソ者を排除しようとするライフガードのボスと主人公たちの対決もあり、そこらへん徹底していた。

映像面に目を向けるとキャラごとにハッキリ色分けされた衣装や平面的なショット、前後のつながりを最優先にした説明的な編集…ようするに見ている人が可能な限り迷子にならない作りになってるってことでしょう。
この作劇上の技巧や修飾を極力排した作りは対象年齢を考慮してのものでもあるだろうし、映画的な記号や比喩の連鎖・文脈を具体的なモノと出来事の連なりに置き換えているという点で知的障害や自閉症スペクトラムなんかのコミュニケーション的な読みを苦手とする視聴者を視野に入れたものでもあるのかもしれない。

69分の中編ランタイムは『アンパンマン』みたいな幼児向けアニメ映画なら珍しくないがノンブランド単発のエンタメ実写映画ではあまり見ない。が、考えてみれば映画が2時間前後というのは単なる慣行に過ぎないわけで、作品毎に料金を取る映画館やレンタルと違って月額払いのVODなら別に120分でも69分でも観る側としては損をするところは一つもない。

ポリコレ、バリアフリー、それから視聴者層に合わせた柔軟なランタイム。凡庸な映画と思わせておいて結構、攻撃的という意味ではなく攻めた作りで、そこには進歩的VODとしてのネッフリの理念が反映されていたり、またVODだからこそ可能なことが提示されていたりするんだろう。だってこれ映画館で観たら金返せってなりますからね。

そういう意味で面白かったし、映画とはなにかちょっとだけ考えさせられるようなところもあった。あとカニかわいいです、カニ。

【ママー!これ買ってー!】


ミートボール [VHS]

夏休みと親元を離れてのキャンプという以外に少しの共通点もないがそこそこ好きな映画だったので。

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