続・クリスマス・ホラー映画集めたぞ10本+1!

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友達がいないからと映画ばかり見てたら前に続いて更に10本もクリスマス・ホラーが溜まってしまった。なので感想書く。

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『ウォンテッドMr.クリスマス』(1989)

まだあったキラーサンタもの。今度はフランスに出没、ランボー的なのに憧れるハイテク・オモチャ小僧を大恐怖に陥れる。
気持ち『ホーム・アローン』(1990)フランス版でオモチャ小僧が家のアチコチにブービートラップ仕掛けたりして単独キラーサンタと戦うが、アッチの泥棒と違ってコッチのキラーサンタは完全に殺しにかかってきている。しかもソコソコ狂ってんので笑えない。

後半30分ぐらい延々とオモチャ小僧とキラーサンタのバトル、ちょっとしたカーアクションまである。引き締まった密度の濃い作りでハラハラドキドキの連続。急転直下のラストもキマってた。思わぬ拾い物なアクション系キラーサンタ映画です。

『スパニッシュ・ホラー・プロジェクト クリスマス・テイル』(2006)

ホラーの巨匠揃い踏みのTVシリーズ『マスターズ・オブ・ホラー』(2005)の向こうを張ったスペインの競作ホラーTV映画シリーズ、『スパニッシュ・ホラー・プロジェクト』の一本。コチラもお子様とキラーサンタが戦う。
ただしコチラはお子様五人に対してサンタに扮した女銀行強盗一人であり、この人は別に殺す気もなかったのにクソお子様どもに見つかって監禁・プチ拷問。復讐のために脱走して斧を手に取るのでキラーサンタが被害者とゆー珍しいパターン。クリスマス版『隣の家の少女』(2007)というような胸糞悪い映画だった。

監禁されたサンタ女強盗が衰弱してく様とクソお子様どもが彼女を地味にいたぶる様(しかも金を横取りするためという可愛げの無さ)をずーっとやる。これほどキラーサンタを応援したくなる映画もない。
お子様集団唯一の良心の女の子と女銀行強盗の交流は『ミツバチのささやき』(1973)風。劇中劇のゾンビ映画は、ちょっとルチャ系。

『魔界からの招待状』(1972)

名門ハマーと肩を並べる(時期もあった)B級ホラーの大手アミカスの得意とするところのオムニバス・ホラーの一本で、葬儀に集まった数人の男女が謎の男にそれぞれの悲惨な未来を聞かされるという体。
クリスマス・ホラーは冒頭のエピソードで、クリスマスの夜に旦那を殺した女がキラーサンタに襲われる。なんせ短い上にキラーサンタが襲ってくるだけの内容なんで面白いも面白くないも無いが、全体を通して見ると何が怖いってお化けとか殺人鬼じゃなくて普通の人の悪意が怖いよね、みたいなイギリス的やさぐれ感が面白かったりする。

クリスマスとか関係ないが、だから一番好きだったのはラストのエピソードだな。経営建て直しのために盲人施設にやってきた軍隊上がりの新所長が入居者の人権完全無視で経費削減に邁進。怒った盲人たちはついに復讐に…という話ですがいやその復讐がえぐいのなんの。
アミカスのオムニバス・ホラーは概して抑揚が無く淡々としてるが、その淡々とした調子でエグ復讐の顛末を見せられるとうわぁってなる。

派手な描写とか基本無いが四話目くらいで全身をバラバラにされた男の内蔵がグチャアって出るの、この時期のホラー映画にしては珍しいゴア描写だった気がする。

『グッバイ20世紀』(1999)

時は2019年…と最初にテロップが出る。既に疑問符が出ているが、そこには武装した部族がおり文明は崩壊、地平線の彼方まで荒野。サンタの画がジャケットに載ってたからサンタ映画だと思ってたが、コレなんなの?
不死身の男の処刑、謎の床屋との対話、なんか色々あって時は世紀末の大晦日に逆流。乱痴気騒ぎの犠牲となったサンタが怒りを爆発させて人々を殺しにかかる。そして言う。「グッバイ、20世紀」。おわり。
?????

キラーサンタは出てくるがだとしても近未来の荒野と世紀末の大晦日だからクリスマス・ホラーじゃない。ホラーでもないがじゃあなんなんだと言われても答えに窮する。世紀末気分を反映したアート系前衛ファンタジーなのかもしれないがそのわりにはやってることが俗アホ。
魔術と暴力の支配する前半の世紀末世界はなんとなくセルゲイ・パラジャーノフとかの土着神話的世界+『マッドマックス』(1979)ぽいので意外と志の高い映画…かなぁ?

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『地獄のクリスマスキャロル』(2007)

巷を騒がす連続殺人鬼ウド・キアーの前に立ちはだかるのはしがないビル警備員デヴィッド・キャラダイン! なんて濃い取り合わせと思って観てたらデヴィッド・キャラダインが死んだ。開始15分くらいで。後はもう、閉ざされたビルの中に残った人をウド・キアーがいたぶるだけ。

っていうクリスマスの夜に遅くまで仕事してたシングルマザーをウド・キアーが襲う映画。濃そうに見えて滅茶苦茶作りが雑で薄い。どうでもいい登場人物が次々出てきてはアルゴリズム的に殺されていく。小一時間ぐらいずっと誰か現れる→死ぬ→また誰か登場の繰り返しでそれでいて別に大したゴア描写があるわけでもないからとにかく印象が薄い。

顔面皮剥ぎがちょっとエグかったのと定番のエロシーンがワリとエロい感じで撮れてんのとかはちょっと良かったかなぁ。もう、そんぐらいしか記憶にないが、クリスマスの日に遅くまで職場に残っててもろくなことはないっていう教訓にはなる。早く帰ろう。

『悪魔のバイオ親衛隊』(1989)

タイトルでネタバレすんなよと思う。原題はシンプルに『ELVES』、おきゃんな少女たちが戯れにジジィの持ってた魔術書みたいの読んでみたら邪悪な妖精が復活、クリスマスの夜を血に染める…と聞けばよくある話に思えるがバイオでかつ親衛隊なのでこの悪い妖精さんにナチの残党とその陰謀が絡んでくるという相当変化球気味のシナリオ。これはちょっと読めない。

なんでも本国ではカルト映画になってるそうですが、少ないながらも陰惨な殺人シーン、イヤなヤツ気味悪いヤツしかいないキャラクター、妖精さんの醜悪な造形にとバカっぽい邦題だが意外とイヤァな怖さのある映画で、なんかカルト納得。

ラストもとってもシコリが残る、『地下室の魔物』系のイヤァなダーク・ファンタジー・ホラー。

『ヘルブレイン 血塗られた頭脳』(1989)

『悪魔のサンタクロース』(1984)こと『SILENT NIGHT, DEADLY NIGHT』シリーズ三作目。前作で死んだかと思われたキラーサンタ(役者は変わってカルト俳優ビル・モーズリィに)が何故か昏睡状態&脳みそ見え見えハカイダー状態で生きていて、彼と交信すべく呼ばれたサイキック少女がエライ目に遭う。一応クリスマス設定だがもうクリスマスネタでもなんでもない。

監督が『断絶』(1971)のカルト映画作家モンテ・ヘルマンなのでコレももちろん極端につまんない。インパクト絶大なハカイダー殺人鬼はボーっと突っ立ってボーっと人殺してくだけだしサイキック少女とハカイダーのバトルとはどんなもんかいなと思ったら別にサイキックを生かすとか一切無かったりする。その設定はなんだったんだよ!

こんな映画でも冒頭の幻想シーンとか極端にセリフの少ないシナリオとか最後にハカイダーが呟く「メリークリスマス・アンド・ハッピーニューイヤー」が妙な後味を残したりするから、モンテ・ヘルマンは侮れない…。

『新・死霊のしたたり』(1990)

『SILENT NIGHT, DEADLY NIGHT』の四作目はまだ雪が降ってたりはして微妙にクリスマス感の残ってた前作より更にクリスマスから遠ざかる。一応クリスマス設定も今回は舞台がLA、キラーサンタから離れた別話でまったくクリスマスと関係ないからもはや何のシリーズなんだか全然わからない。
謎の人体発火事件発生。日々同僚の男どもから見下されてる女雑誌記者が一発当てようと事件を追ううちに家にゴキブリ大量発生したり秘密結社につきまとわれたりしてとても困るお話。ポジション的には『ハロウィンⅢ』(1982)に近いか。

監督は悪趣味派のブライアン・ユズナで特殊メイクはスクリーミング・マッド・ジョージ。もうだいたいどんな作風か予想が付くがグッチャグチャですよ、グッチャグチャ。
粘液まみれの巨大イモムシ、巨大ゴキブリ、歪んで溶けまくる人体。主演のモード・アダムスもヌード晒して虫まみれ粘液まみれで頑張る。ソッチ系のAVばりでアレな嗜好の人にはグッとくるかもしんない。あぁ気持ち悪い。

一見支離滅裂なパルプストーリーをグッチャグチャのエログロ悪趣味を交えて有無を言わさず阿鼻叫喚のクライマックスに収束させてくあたり、ブライアン・ユズナの勝ち。
前作と打って変わって俗悪な見せ場盛りだくさん。冒頭からしてイッてる浮浪者のクリント・ハワードが蛆虫を食べる場面という好事家大喜びの悪趣味クリスマス映画。

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『P2』(2007)

一人でなんか過ごしたくない。せっかくのクリスマス、こんな都会の片隅でたった一人でなんて。
思いつめてしまった非リア系ビル警備員がメリーなクリスマスを過ごすべく警備室にOLさんを拉致ってきてしまうがこの警備員、コミュ障だが優しいのでちゃんとケーキやらターキーやら用意してOLさんをもてなす。彼女のためにプレゼントまで買ってきてあげたのだがどうしたことかOLさんは喜ばない。当たり前だ。

クリスマス/サンタホラーは基本的にコミュ障にとってのホラーだしコミュ障のもたらすホラーであるとの定式が確認できるサンプル映画だが面白いか面白くないかと言われるとそんなに面白くはない。

『暗闇にベルが鳴る』(1974)

オレん中ではこれより怖かったクリスマス・ホラーってない。変態電話がかかってきて警察に逆探知してもらったらなんとその電話は今まさにこの場この家の中からかけられていた! という恐怖の都市伝説をネタにした一本。女子寮に忍び込んだ変態殺人鬼が寮を恐怖のドン底に陥れる。

この殺人鬼が狂っていて怖い。女子寮に忍び込んで中から変態電話をかけてくるが全く会話にならない。ギャーギャー叫んだかと思えば泣き出したり急に赤ちゃん口調になったと思えば支離滅裂な罵倒を飛ばしたりする。
最初は主人公の女子大生オリビア・ハッセーも相手にしなかったがあまりにしつこく掛かってくるんで段々とこの人マジで関わっちゃいけないタイプの人なんじゃねぇの…と怖くなってくるわけだがそのジワジワっとしたいやらしい盛り上げ方がハートを蝕む。

電話がかかってくる度に彼女の知り合いが女子寮から姿を消してくが怖いのはこの映画一夜の出来事じゃない。二日間に渡って狂気の殺人鬼は女子寮に潜伏してるってわけで女子寮の方々はコイツの存在に気付かないで普通にクリスマスを満喫して生活してたりする。
屋根裏の窓に殺人鬼が人形みたいに飾った死体が見えている。そのシーンが何度も入ってくるのに屋根裏の窓に目をやる登場人物はいない。すっげー歯痒いがこれが同時に死体を隠そうともしない殺人鬼の狂気を物語っているようでもあり恐ろしい。

ほとんど劇伴の無い静かな映画で、吹雪の音、床の軋む音、安楽椅子が揺らぐ音、殺人鬼の息遣い、それになにより電話のベルなんてのが強調された音設計が見事。アル中寮母とちょっとやさぐれた刑事(ジョン・サクソン)の存在はオアシス。
とにかく例の都市伝説ネタ一本で引っ張りに引っ張る映画だったりするが、ストーリーに彩がない点だけ除けばこーんな丁寧に作り込まれた完成度の高いクリスマス・ホラーってないでしょうよ。

あとダリオ・アルジェントの世界を丸パクしたゲーム『クロックタワー』ですが、その二作目はたぶんこの映画に相当影響受けてるんじゃないか。

【おまけ】『A VERY ZOMBIE HOLIDAY』(2010)

そういえばクリスマスとゾンビの取り合わせってなぁあんま聞かないな。
オバケにゃ学校も試験もなんにもない。ゾンビだってクリスマスの概念とかないだろうから、せっかくのクリスマスに現れてお祝いムード台無しにしてまうかもしれん。
というわけでたとえクリスマスにゾンビが現れても楽しく過ごせるよーにとゆーありがたい教材短編映画。観よう。

【ママー!これ買ってー!】


暗闇にベルが鳴る HDリマスター版 [Blu-ray]

怖い。

↓その他のヤツ
ウォンテッドMr.クリスマス [VHS]
スパニッシュ・ホラー・プロジェクト クリスマス・テイル [DVD]
魔界からの招待状 [輸入盤DVD]
グッバイ20世紀【字幕版】 [VHS]
地獄のクリスマス・キャロル FALL DOWN DEAD [レンタル落ち]
悪魔のバイオ親衛隊 [VHS]
ヘルブレイン/血塗られた頭脳 [DVD]
新・死霊のしたたり [DVD]
新・死霊のしたたり Silent Night, Deadly Night DVD-BOX
P2 [DVD]

1000

クリスマスでもホラー映画がありますか。。。怖い