バタミス映画『去年の冬、きみと別れ』の感想(頑張ってネタバレ回避)

《推定睡眠時間:25分》

冬のストライクバックを真正面から食らった崩壊身体を引きずって見に行ったのでその頑張りは自分で評価したいが眠るのも早かったし起きても身体が全般的に痛かったから映画どころではなかった。
びっくりしたよね本編始まる前にもう寝てるから基本設定も主要登場人物もわからない状態での前衛鑑賞になりましたけどそれでぼーっとわけもわからずスクリーン眺めてると「第三章」のテロップ出たよ。三章行っちゃったよ寝てる間に…。

だが後々わかったことにはこれは編集の綾というもので、今年見た映画で言うと『ブリムストーン』がこの方式だったが、そこから一章に続く変則構成を取っていたのだこの映画は。
いくら睡眠鑑賞に慣れているとはいえ流石に起きて即の第三章には焦りましたけど逆にわかりやすくて良かったよ意識の高い構成で。サプライズ効果より安心効果だったよあれ。

サプライズといえば、ある意味で山下洋輔マインドを受け継いでいる地獄変カメラマンの斎藤工に主人公の謎多すぎジャーナリスト・岩田剛典の恋人が拐かされて的な展開になるのだが、その恋人、完全に有村架純だと思って見てたらエンドロールに名前が出てこない。
ええ? ってなったので便利なインターネットで確認するとこの俳優さんは山本美月という人でええ!? と謎が解明されるどころか感嘆符が追加されたが、俺が頭に浮かべていたのは谷村美月なのだった。

今日はもうダメだ。今日はもうダメだ! 映画を見てはいけない日だ今日は! 今日の体調は! でもその悪条件にしてはそこそこ面白く見れたわけだからそこまで悪い映画ではない…と思うがあんま見てないから実際はどうかわかりませんね…。
俺にわかるのはバター臭のやべぇ映画だってことぐらいですよ。バター臭すげぇかったですよマジで。ポップコーンのバター臭ではないんだ。ポップコーンのバター臭も影響なしとは言わないがそこじゃないんだ画面がバタ臭い映画なんだ。

斎藤工・北村一輝両雄のバタ臭さはフェロモンだから吸っても毒にならないがむしろもっとくれもっと嗅がせろ感があるがわりとそこ以外のバターは油浮きまくって胃に悪かったですね。
なんかすげーサマになってないんだよ。見てて小っ恥ずかしいよ。常々思っているがやっぱり恋人たちの想い出的なシーンにムーディー洋楽を合わせたりするとかそういうバター演出は高校時代のノン商業上映(ゆえに著作権完無視)の自主映画で卒業しておくべきなのではないだろうか…あるいは、『青春の殺人者』のようにゴダイゴでも使っておくべきではないのか。でもってなんだよでもって。

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いや、この雰囲気的バター臭の好悪は人それぞれだと思うんですけどこれまたバター香るミステリーのトリックの部分がさ、ちょっとだけわりとかなり相当、画力が伴ってない感じで…それはちょっとキツかったな。
睡眠鑑賞者でさえ察せてしまうってダメだろう。ていうか別に察せても全然構わないけどもうちょっと騙してやるぜ感みたいの出してきてくれよみたいな…アングルとか編集とかでもう少しだけ騙せなかったんすかねみたいな…。

ネタバレ迂回のため探り探り書いてるから曖昧な表現になってしまうが…俺その画力が伴ってない光景どっかで見た記憶があると思ったら『ラスト・ホラー・ムービー』っていう低予算モキュメンタリーホラーで…そこに出てくる似たような場面は低予算で頑張ってるなぁ的な好印象だったんですけど(作り手も頑張った自負があるのでそのシーンのメイキングがDVD特典に付いている)…低予算のホラービデオならともかく本格ミステリーっすよみたいに煽ってくる全国公開のメジャー映画でそういう光景に遭遇すると良い印象はやっぱ抱けないんで、基本…。

あと最後15分くらいね。全部セリフで謎解きしちゃうことないじゃないか。いやこれもセリフが悪いっつーか、映像が伴ってないって感じで…大体それまでの展開がとっても丁寧だからわざわざセリフで言わないでもそれもう知ってるよみたいな感じになっちゃって…25分見てない人間がそう思うぐらいだからめっちゃ丁寧なミステリーだよな…ちょっと丁寧すぎたんじゃないかと思うよ…そこはもう見てる方は分かってるんで、分かってるところはセリフじゃなくて少し荒っぽいぐらいの映像でドライブした方が確実にアガったと思うよ…。

要するに、こなれてないんだろうな。バタ臭キャラ大集合のバタ臭猟奇哀惜ミステリーみたいのやろうと思ったけどノウハウないまま勢いで看板上げちゃったから厨房大混乱みたいな。
注文捌くのが精一杯で、とにかく間違わずに料理作って間違わずに客のとこ持ってくだけで映画終わっちゃったみたいな。そういう感じあったな。

お話は悪くないと思うけど。北村一輝も斎藤工も悪くないと思うけど。っていうか北村一輝のバター塗れのこころの弱さがぶわーっと噴出する辺りなんかはスーパーエモーショナルですげー良かったんですけど受け止める側の岩田剛典が圧倒的にバター足りてないからお前! お前もバター塗れになれよ注文で手一杯なのわかるけど! 油谷には加藤の暴力が必要なんだよ!
そういう感じが、あったんだ…。

【ママー!これ買ってー!】


ラスト・ホラー・ムービー [DVD]

あなたが今見ているビデオ屋で借りたこのホラービデオは実はどっかの迷惑人間が本物のスナッフフィルムを上書きしたアングラ的ガチモノだったのだ…という設定が泣かせる。
ストリーミング配信とかで見たら全然意味わかんないよな…。

↓原作だそうです

去年の冬、きみと別れ (幻冬舎文庫)

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