MCU素人感想『アベンジャーズ/エンドゲーム』(ネタバレ多少あり)

投稿日: カテゴリー 居眠り映画館タグ , , , , , , , , ,

《推定睡眠時間:0分》

悲報としか言いようがないのだがマイケル・ペーニャは出ません。お馴染みのアベンジャーズ一門を初めとして現代アメリカ映画をリードする錚々たる顔ぶれが大集結している映画にも関わらずマイケル・ペーニャは(たぶん)ブッキングできませんでした。
いちいち言わなくてもどうせそうなるだろうとみんな思っているとは思うがドラゴンボール的な魔法ストーンで無事サノスに消された人類の半分は現世に戻ってくるのですがそこにマイケル・ペーニャの姿なし。

なんということだ。最終的にアイアンマンとキャプテン・アメリカの話に収斂するとはいえアントマンめっちゃ大活躍していた上に(アントマンのおかげで人類の半分が救われたと言っても少しも過言ではない)いちばん身体を張ったのにアントマンの親友マイケル・ペーニャとアントマンがいちゃつくシーンが無いなんて。サノスに完全敗北を喫して大ショックなブラック・ウィドウよりも俺の方が絶対ショックを受けていた。そもそもブラック・ウィドウが何者かよく知らないわけだが。

ブラック・ウィドウをよく知らないということはつまり『アベンジャーズ』シリーズと『キャプテン・アメリカ』シリーズをちゃんと見ていない。観たのそれぞれ『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』と『キャプテン・アメリカ/シビルウォー』だけだから。『アイアンマン』に至っては一作も観てない。

それでよく観に行こうと思ったなという向きもあるかもしれないが俺は映画の内容そのものよりも映画がどう見えるかということの方に関心があるので…いやこのへんはあんまり人にわかってもらおうとは思わないからいいのだが、でもね、そこはさすがハリウッド超大作、シリーズに明るくない人でも楽しく観られるように作られてたから予習必須と思われた前作『インフィニティ・ウォー』を観てない俺でも超楽しめました。

その鍵もまたアントマンなんだな。『アントマン&ワスプ』の最後で量子サイズにちっさくなって量子世界に取り残されてしまったアントマンがですね、ネズミさんのイタズラで標準サイズの社会に無事復帰するわけです。

その時、人類半減から5年後。妙に寂れた世界を目にしてアントマン呆然。いったいなにがなんだか全然状況が飲み込めない。っていうんで『シビルウォー』の時に半ば騙される形でキャプテン・アメリカと共闘して投獄されるもアベンジャーズ側からはとくに謝罪とか補償金とかそういうのは出なかったっぽい縁で生き残りアベンジャーズを訪ねてみる。

つまり前作の出来事を知らないアントマンの目線で序盤の話が転がっていくわけだ。巧いよねぇ、そのおかげで俺おいてけぼりになりませんでしたよ。『アイアンマン』も『マイティ・ソー』も『ブラック・パンサー』も何も観てないが、アントマンだけは信用できると思って前2作ちゃんと観ておいてよかった。

だってサーティワン・アイスクリームのバイトをクビになった前科持ちの泥棒だもんアントマン。感情移入度が違いますよそれは。俺に泥棒の前科があるとかそういうわけではないが。

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それにしても生き残りアベンジャーズ、起死回生をアントマンが持って来た量子テクノロジーによるタイムトラベルに託すくせに結局最後までアントマンをアベンジャーズ正社員にはしてくれないし状況も詳しく説明してくれないし基本的に蚊帳の外に置いているにも関わらず危険なタイムトラベル実験にはとりあえずアントマンを使ってみるとか鬼畜すぎるだろ。

アントマンせっかく泥棒から足を洗ってマイケル・ペーニャと警備会社立ち上げたんだからせめて資金面のサポートはしてやれよ。量子世界にいるうちに5年間経過してるからたぶん潰れてるんだよあそこ、マイケル・ペーニャも消えちゃってたし。出してくれるんだろうな再建費用。劇中では全然そんな様子はなかったが…。

いやそれはともかく、そんなわけでたいへん酷い扱いを受けていながらも嫌な顔ひとつ浮かべずアベンジャーズに奉仕する健気なアントマンだったので、これはもう親友マイケル・ペーニャとの再会が映画のトリじゃないと釣り合いが取れないだろうと思っていたらの出演なし。

アントマン自身の物語は適当に流されてこと『エンドゲーム』においてはアントマンと同程度にしか事態の打開に貢献していなかったアイアンマンとキャプテン・アメリカばかりクローズアップされちゃってもう本当にショックだし、アベンジャーズが本当に嫌いになりかけましたね。いやわかるよ! アベンジャーズはアイアンマンとキャプテン・アメリカの二人が核だもんね! わかってるんだ、それはわかっているんだ…。

えー、アントマンはそれぐらいにしておいて、『エンドゲーム』、超おもしろかったです。とくに中盤までがいいね中盤までが。人類半減から5年後、すっかり離散状態にあったヒーローたちがアントマンきっかけで再結集するのですが、その5年後の暮らしっぷりが噴飯不可避。

びっくりしたよハルクとかうがーしか言えない人だと思っていたら5年の間にあの身体のまま知的で温和なスーパーナイスミドルになっちゃって。できたんだそういうの! じゃあ今までの悩みっぷりなんだったの!? …まぁいいか、5年もあると色々あるのか。アントマンとの写真を巡るやりとり、最高だったな。ここでもアントマンがガチ不遇。

あとソーですね、ソーもすごかった。あの壮絶肉体改造っぷり。やることないから家にこもってビール飲みながら友達とTPS系のオンゲーをするだけのニートな日々を送っていてさ、友達が生意気で意地の悪いガキに当たってやられまくってるとボイチャでお前調子こいてるとお前んち行って燃やすぞさっさぞログアウトしろこの野郎みたい神々の恫喝をしてガキ追い払うんですよ。めっちゃ良いやつじゃん! …良いやつじゃん?

でなんだかんだあって生き残り組はみんなで手分けしてドラゴンボール(的な)を探しにそれぞれ違う過去に向かうんですがー、そこでシリーズの過去作が出てきて『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』みたいなことをやる。
面白かったなぁアベンジャーズの黒歴史訪問。ハルクなんて厨二な暴れん坊の自分を見てうわぁっていう顔をずっとしてて笑いを禁じ得ない。でもこの黒歴史訪問がアベンジャーズシリーズに幕を引く感動のラストの伏線になってたりするので笑えるだけじゃなくて、巧いんです。そこらへんちゃんとしてますよね、やっぱ。

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単体映画としての最高なところは個人的にはそこらへんまで。そっから先もおもしろいが閉店セール的なお祭り騒ぎって感じになるのでシリーズを追ってきた人は感慨深いものがあるんだろうなぁとは思いつつ俺はそこまでノれない。シナリオも急に大雑把になって広げた風呂敷を畳むので精一杯というところもある。

あのですね、なんかですね、むかしガモウひろしの『ラッキーマン』という漫画で友情マンっていうヒーローがたった一人の悪役をぶっ殺すために何百人とか友達を呼ぶっていうギャグがあって、それみたいな絵面っていうか…一旦は指パッチンで消滅したMCUヒーロー+各作品のサブキャラが全員復活して今度は全人類の消滅を目論むサノスの軍勢を止めるべく大集結するわけです。

まあキャプテン・マーベルからブラック・パンサーからスパイダーマンからガーディアンズ・オブ・ギャラクシーからドクター・ストレンジからと全員来るわけですから本当お祭りですよね。
『シビルウォー』の空港決戦みたいな緻密な異種格闘バトルじゃなくて大味バトルで、とにかく全員の顔だけ一通り見せとこうみたいな感じだから盛り上がりますけどそんなにバトルの迫力はなかったりする。どっちが勝つかなんてどうせ誰でもわかりますしね。

そういう映画だったかなぁ。結局、トータルでは超おもしろいしアントマンのおかげでシリーズ初心者も楽しく見れるんですけど、最後らへんになるとやっぱそれまでのシリーズの積み重ねが物を言うって感じだから、単体映画としてどうこうじゃないっていうか。でもそれでいいんでしょうね、シリーズ一応の完結編だから。逆にここから遡って色々観たくなったりはした。

ほかおもしろかったところ、家族を失った家庭人ホークアイの渋い哀演。これも途中までで最後らへんになると脇に置かれてしまうんですがー、感情面でストーリーを牽引するのはホークアイの絶望と家族愛だ。俺ホークアイはアントマンの次に好きなMCUヒーローなんで嬉しかったですね。バトルでは役立たずですけど。

アイアンマンもキャプテン・アメリカも萎れちゃって活動休止寸前のアベンジャーズの中で唯一活動継続に乗り気なドン・チードルの先輩風の吹かせっぷりも良かったな。
ドン・チードルのくせに!って言うと失礼ですけどアントマンに向ける見下したような眼差しを見ているとついドン・チードルのくせに! って言いたくなってしまいます。これはそこが面白かったっていう話なので悪口とかじゃないです。いや悪口だろ(※ドン・チードルは素晴らしい俳優だと思います。『ホテル・ルワンダ』は魂の名演でした)

【ママー!これ買ってー!】


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多種多様な異能者が出てくるところ、様々な時代・場所にタイムトラベルするところ、最後は敵味方入り乱れるしっちゃかめっちゃかな一大決戦になるところ、考えれば考えるほど『エンドゲーム』はパロディ・ホラーの傑作『ワックスワーク』に似ている。

500
よーく

俺もアントマン推し(というか他のMCUをろくに観てない)なので中盤以降の蚊帳の外感は半端なかったですがやっぱあのアントマン視点での導入は上手いですよね。ネット上でも最低限アントマンが出演してる作品だけ観てれば『エンドゲーム』に付いていけるとも言われているみたいです。
本編は宇宙の命運をかけたドシリアスな話だったけど完結記念にバトルとかなしにヒーローたちのだらだらした日常ドラマとかやってほしいなとか思いましたね。ソーが引きこもってゲームしてるとか面白かったし。キャプテン・アメリカが一人の男として人生をやり直すとかそれだけで一本撮れるだろうとか思うしね。いやまぁソーもキャプテン・アメリカもどういう人なのか俺はあんまり知らないんですが。
マイケル・ペーニャの姿がなかったのは俺もショックでした。娘とワスプがいればそれでいいだろということなんだろうか。まぁそれでいいんだろうけど…。