クリスマスホラー映画10本観たから感想書くパート6!

今年のクリスマスはここ数年で一番悪いんじゃないだろうか。風邪もしくは新型コロナに罹ってしまった。病院に行くのも相当ダルいし家で寝てりゃそのうち治るだろということでバイトを休みひたすら家でゴロついているぐらいなので重い症状ではないのだが、なにもクリスマスに発病しないでもと人の世の理不尽を嘆く。もう観るしかない。これはもうクリスマスホラーを観て鬱憤を晴らすしかないだろう!

ということで(去年を除いて)例年通り今年もクリスマスホラー10本観たから感想書く! 寒さと疲労の蓄積で体調を崩しやすい季節だからみんなも健康にはグホッゲホッゴホゴホゴボォァァァンン……ヌチャ(体内に寄生していた怪生物が俺の口を裂いて誕生する音)

『ブラックアウト』(2009)

クリスマスなのに停電なんかしてついてないなぁとニューヨークとかのアパート住民たちが思っていましたところこの停電の原因は地底からやってきたような気配の幼生時カブトガニ型エイリアン、こいつは成長するとポケモンのカブトプスみたいな凶悪エイリアンへと姿を変えるのでアパートに血の雨が降るのでした。あとなんやわからん巨大地底植物みたいなのがコンクリ突き破ってアパートに生えてくる。にょきにょき。

基本的には暗いアパートの中で無名役者が右往左往してるだけの安映画だが考えてみればCGのリッチさが段違いなだけでやってることは『スカイライン -征服-』と同じ。むしろ脚本がスカスカな『スカイライン -征服-』よりもこちらの方が面白い展開を作る努力が見え、序盤エイリアンホラー、中盤『ダイ・ハード』的室内アクション、終盤は黙示録的光景の広がる終末SFと短いランタイムの中に様々なジャンルのエッセンスを詰め込んだ作りには結構好感が持てる。巨大植物の元ネタはたぶん『モノリスの怪物 宇宙からの脅威』。


『ブラックアウト』[DVD]

『サイレント・ナイト』(2021)

どこかのサイトにジャンルがホラーと書いてあったから観に行ったのになんだこれは! 仲良し家族と友達連中が楽しそうに家でクリスマス・パーティをしているだけで全然ホラー感がないじゃないか! 人類は環境破壊による終末を迎えておりこのクリスマスが最後のクリスマス、パーティが終わったらみんなで自殺薬を飲んで一家心中を…というストーリーをあえてジャンル分けをするならSFだろう。SF的な興趣もほとんどないのだが。

あまり面白い映画ではないが環境破壊による終末の設定に加えて子役の一人が「グレタ(・トゥーンベリ)の言うことを無視したからこうなったんだ!」とカメラに向かって叫ぶシーンなどもあることから作り手の関心は面白い映画を作ることよりも環境保護のメッセージを伝えることにあったんだろう。ちなみにこの子役ローマン・グリフィン・デイビスは監督の実子。プライベートな映画だなぁとつい思ってしまうがキーラ・ナイトレイ、リリー=ローズ・デップが出演して製作は『キングスマン』のマシュー・ヴォーンという豪華さで、環境保護のメッセージに賛同する映画人がコロナ禍を受けて一念発起した作品なのかもしれない。ただあんまり面白くはない。

『ホスト 血染めの晩餐会』(2020)

ご近所のクリスマス・パーティに参席するつもりだったカップルが目にしたのは謎の青白い光。正体はまったくわからないがどうやらその光は人間に憑依するらしく、憑かれた人間は普段意識に上らない隠れた怒りや憎しみに支配されてしまうらしい。そんなことは知る由も無いご近所さんは快くこのカップルをディナーに招き入れるのだが…。

そこそこホラー映画は観ているのでちょっとやそっとのことではショックなど受けないのだがこの映画にはなんだか惨さを感じてしまった。殺人自体は少ないもののそこに至るまでの段取りを丁寧すぎるほど丁寧に踏んで、人間ドラマをきっちり見せた上で死んで欲しくない人から殺すのでエグい。クリスマス版『ファニーゲーム』と言ったら言い過ぎだとしても方向性が近いのは間違いないだろう。光の正体をボカしたまま雰囲気重視で進む点や丁寧すぎる人間ドラマが後半は物語の停滞を生む点に多少の残念さはあるが、後味の悪いクリスマスホラーを探しているならぜひどうぞの一本だ。


『ホスト 血染めの晩餐会』(字幕版)[Amazonビデオ]

『Red Christmas』(2016)

『サイレント・ナイト』『ホスト』と居心地の悪いクリスマス・パーティが描かれる映画が続いたが居心地の悪いクリスマス・パーティといえば『Red Christmas』、なにせこの映画のテーマは中絶です。かつて中絶したことのあるおばさん(80sジャンル映画のスターにして近年はロブ・ゾンビ映画の常連でもあるディー・ウォレスだ)が一族揃って楽しく…とはあまり言えない波乱含みのパーティを準備していたら怪しげな仮装をした男が参上、聞けばこの男はかつておばさんが中絶したと思っていたが中絶反対派テロリストの手によって救われた実の息子なのだという。案の定おばさんと家族から拒絶され絶望した男は凶器を手に家に舞い戻り…。

人間いろいろ事情があるのだから人の中絶を良いとか悪いとか他人が評価すべきじゃないだろうと思うのだがこの映画はデリカシーがぶっ壊れてるので養子だかなんだか知らんが中絶の過去を知ったおばさんの息子のダウン症青年に「ぼくでも中絶したのか!」とおばさんを責めさせたりしてなかなかヒドい。結末も救いのないもので中絶経験者に対するそのサディスティックな眼差しは賛同できるかといったら全然できないが悪趣味なホラー映画としては下等にして上等かもしれない。

それはいいのだが演出に力がなくせっかくのゴア殺人もあまり映えない。単調かつ間延びした展開も良く言えば陰鬱だが悪く言えば退屈で、設定勝ちというかディー・ウォーレスの出演も含めてなんだか出オチのような映画になってしまっているあたり、テーマがテーマだけにいややるならもっとちゃんとやれよみたいな気にさせられたりした。


『Red Christmas』[DVD]

『Mercy Christmas』(2017)

さてこちらは一転して明るいクリスマス・パーティを描いた映画。いいなぁクリスマスって、家族みんなで集まって仲良くわいわいと人肉を食べられるんだもんね! ということでどこかで致命的にクリスマス認識を誤ってしまった食人家族に監禁されたいかにも冴えない主人公、果たして彼と他の食材たちはローストされる運命から逃れることができるのだろうか。メリー・クリスマス!

DVDにR18とあったのでどんなに残酷な映画なのだろうと思ったらこれはイギリス盤ぽいのだが大したことがなくて肩すかしを食らってしまった。残酷表現に対するイギリスの年齢制限は日本よりもずっと厳しいのだろう。近年台湾残酷ホラーの躍進などもあり、またかつては残酷映画先進国だったこともあって、残酷映画後進国のように思われがちな日本は意外と世界的に見れば残酷映画にアクセスしやすい環境なのかもしれない。

そんなことはどうでもいいのだが残酷度合いは低くともこれがなかなか楽しい映画、食人家族というと一般的には(?)『悪魔のいけにえ』みたいな粗野で下品な人々のイメージだろうが、この映画の食人家族は一見すれば単なる気の良いご近所さん。悪気もなくシンプルに美味しいから人肉を食べたり拷問してるだけというのが微笑ましいが次男が警官の恋人をディナーに招いたら警官だから人肉食にめっちゃ怒るかと思いきやダーリンの好きなものなら私も好きみたいな感じでむしゃむしゃ人肉を人肉と知って食い始めたのでこの世界は頭のネジが一本抜けてます。

満身創痍に見えたが火事場のなんとやらで意外と強かった食材ズの反撃もコミカルかつバイオレントで楽しく最後は「メリー・クリスマス!」の言葉で終わるのも良心的な、多少の理解があればご家族みんなで楽しめる残酷クリスマス映画でございます。


『Mercy Christmas』[DVD]

『All The Creatures Were Stirring』(2018)

英語圏のホリデーものホラー映画はオムニバス形式のものが珍しくなく、この『All The Creatures Were Stirring』や近年のクリスマスホラー新定番と化した感もある『A Christmas Horror Story』(2015)もオムニバス映画。長くて20分程度の短いエピソードが連なる都合それほど劇的な面白さはないが気軽に誰でも楽しめるというのがこれらの作品に共通する特徴かもしれない。

この『All The Creatures Were Stirring』の場合は各エピソードの繋ぎになっているのがクリスマスを一人で過ごすのもなんだしということでその気はないがキモ系オタク風男子とクリスマスデートに来た女の物語とあってターゲットは露骨、まぁカップルなんかでヌルく適当に観て下さいなってなもんでしょね。このクリスマス当日限定カップルが前衛演劇の劇場に来たらそこのスタッフは全員異常に態度が悪いし劇も全然面白くないしというのがその筋なのだが最後に女が劇団員に食われるとかキモ男の内臓が爆発するとかすればまだ面白いのにそんなことはなく…まぁこれはこれで悪くはないのだが。

ホラー系のエピソードが多いとはいえ中には『クリスマス・キャロル』の翻案というか予算縮小短縮版みたいなエピソードも混ざってるくらいなので怖さのレベルは推して知るべし。とはいえクリスマスの小パーティをやってる会社内で突如殺人ゲームが勃発するエピソードや車のキーを中に置いたまま誤ってドアをロックしてしまい極寒の駐車場に放り出された男が思わぬ恐怖に直面するエピソードなど、ありきたりな日常が突如として異常世界に変貌する奇妙さはそれなりに面白い。恐怖譚というよりは奇妙な味のオムニバスとして観るのがいいかもしれない。白眉は宇宙人(?)の襲来により何度もつまらないクリスマス・ディナーをやらされるエピソード。


『All The Creatures Were Stirring』[DVD]

『All Through The House』(2015)

開始即なんの説明もなくサンタ殺人鬼がクリスマス気分に酔うカップルを惨殺して女のおっぱいはえぐり男のチンポはもぐという誠に清々しい正統派クリスマス・スラッシャー映画。殺しのゴア描写はスラッシャー映画としては平均レベルながらやはり祝祭ムードがそうさせるのか案外残酷度は低めなことの多いクリスマスホラーというジャンルにおいては頭一つ抜けており、舞台が平凡な郊外アメリカ家屋二軒だけというチープさをだいぶ補っている。

加えて展開にもちゃんと二転三転あり面白い感じなのだがいかんせん英語力はないのでお話は正直なんかよくわかんなかった。それでも家中にサンタ衣装のマネキンの飾られたメイン舞台の隣人宅のビジュアルや隣人婆のあやしい過去はどことなく『デビルズ・ゾーン』などの異形ホラーを思わせて不気味で、サンタ殺人鬼の放つ不快感やゴア描写、妙に律儀なミスリードや隣人婆の怪演などもあり、ストーリーがよくわかんなくても結構楽しめたのだからなかなかの力作と言えるんじゃないだろうか。英語に堪能な人はぜひ観よう。


『All Through the House』[Blu-ray]

『Once Upon a Time at Christmas』(2017)

こちらもサンタ殺人鬼もので女の方が若干ハーレイ・クイン感のあるサンタコスプレの殺人カップルがどっかの町の連中を殺していくのだが、映画の主軸は殺人ではなくそのタイトルが示すように殺人の背景、っぽい。実質的にホラーというより殺人シーンありのサイコ・サスペンスで、しかもこのサスペンスがかなり真面目に展開されるので、要するに会話シーンが多くてなんの話だかよくわかりませんでした。

ちなみに日本ではなぜか続編の『The Nights Before Christmas』(2019)の方だけ『サンタキラーズ』のタイトルでソフト化・配信化されているらしい。アマプラ無料にあったからちょっとだけ観てみたところこっちの方はわりとホラー的な見せ場が多くて面白そうな気配があったので、いろいろ事情もあるのだろうがどうせならストーリーがわかんないとあんま面白くない一作目の方こそ国内リリースしてほしかった。殺人鬼映画なのにストーリーがわかんないと面白くないということは単純に面白くないのだろうが…。


『Once Upon a Time at Christmas』[DVD]

『Red Snow』(2021)

おそらく某トワイライトシリーズに感化され吸血鬼ロマンス版なろう小説みたいなのを書いては出版社に送って無視されている作家志望の吸血鬼大好き腐女子のもとにホンモノの吸血鬼を名乗る美青年風男子が助けを求めてやってきた! という、ろくに読んだこともないから知らないがなんとなく高橋留美子感がないとも言えない映画。

ホラーという意味では盛り上がりを見せるのが終盤のたかだか10分程度なので物足りなさもあるが、どちらかといえば見所は吸血美青年と吸血鬼大好き腐女子のちょっとゆるい夢の共同生活っぷり。演出はシリアスなので笑えるところはほとんどないがオフビートで噛み合わないやりとりは字面だけ追えばクスッと笑える感じで、思うに脚本はコメディを想定して書かれたものの演出力がそれに伴っていないので笑えそうなのに笑いきれない、といって怖がろうにも怖がりきれない中途半端な感じになってるんじゃないだろうか(監督・脚本はどちらもショーン・ニコルズ・リンチ)

腐女子の生命力と妄想力は無駄に逞しいなと思わされるブラックなオチはまぁまぁ嫌いではない。


『Red Snow』[DVD]

『Bikini Bloodbath Christmas』(2009)

デカパイかわパイびっくりパイとさまざまなパイを持つチャンネーたちがパイパイのはみ出すビキニを着ていろんなところでキャッキャと働きそして殺人鬼に襲われる知能指数3の超一部の層にだけ人気シリーズ『Bikini Bloodbath』のクリスマス編らしいがクリスマスにビキニって寒くないのと思ったら舞台がフロリダかカリフォルニアの設定らしくクリスマス感完璧にゼロ。雪がないとか冬の日差しじゃないとかそんな話ではなくエキストラもみんな半袖半ズボンというぐらいなのでもはやクリスマスを演出する気は衣装程度でさえない。登場人物が今日はクリスマスと言ってるし二人だけサンタの格好をしたオッサンが出てくるからはいクリスマスの設定ねというゴミ映画の作り手ならではの開き直りっぷりはあまりにも潔く感動的だ。

わかってはいけないのだがそれだけならまだわかるとしても更にすごいのは『Bikini Bloodbath』を自ら謳っているのにビキニのチャンネーが流血の惨事になるシーンよりもかりんとうみたいな小道具ウンコを使ったウンコネタのシーンの方が多いんじゃないかみたいな3は残っていた知能指数が1になってしまう見せ場配分のおかしさ。見事なおっぱいをしたビキニのチャンネーが出てくる俗悪映画と聞けば男女同権が世代標準となった現代ではブーイングの嵐だろうがいわゆる女闘、キャットファイトのシーンとかあるのかなとまぁ俺は別にそれを求めているわけではないとしても思うわけだが、この映画にそんなものはなく代わりにあるのはおっぱいたぷたぷの半裸のオッサンがビニールプールの中でプロレスをするキャットファイトならぬ…なに? シットファイト? とにかくおっぱいたぷたぷの半裸のおっさんがすごくもっさりした動きでプロレスをするシーンである。しかも2回も。

こんなタイトルならビキニのチャンネーがおっぱいを丸出しにするシーンはもちろん誰だって期待するだろう。それは確かにあるが見せるのはおっぱいまでで下半身の露出は無くベッドシーンもないので露出の度合いでいえば全然意味も無くプールに入るときモザイク当然なしで全裸になるオッサンの方が高かった…ってお前ら何を見せたいんだよ! 脱いでるのオッサンばっかじゃねぇか! ウンコネタとオッサンの全裸かよ! 殺人はどうしたんだよ! それは確かに殺人も出てくるが殺人シーンでも一番見せ場作ってたの全裸のオッサンじゃねぇか! 全裸のオッサンが窓の外に下痢便を垂れ流そうと生ケツ出したら殺人鬼に棒かなんか突っ込まれてウンコ爆発させながら死んだじゃねぇかなんだよ! トロマ総帥ロイド・カウフマンが急に雑コラ合成で爆発するだけの人役でゲスト出演してるのもなんだよ! カウフマンこういう最低映画に積極的に出てくれて本当偉いよね。

なんて平和な映画だ。ようなではなくこれはもう実際に小学生が考えた脚本はあまりに微笑ましく、みたいなではなくこれは間違いなく実際に近所のおじさんかおばさんがカメラを回した撮影および演出はあまりに素朴だ。殺人シーンに効果音が入ってないのでいくらナイフで刺してもスカッスカッて感じになるあたりとかプロには間違っても出せない味である。そのくせオナラの効果音はいろいろ作って使い倒すのでアウトサイダー・アート的なこだわりを感じないでもない。

こんなゴミ映画なのにというかむしろゴミ映画だからなのだろうが意外とソフトが流通しておらず米国Amazonのマケプレで35ドルくらいと結構懐に痛い価格だったのだがコンディションをよく見ていなかった俺も悪いが到着品を開けてみるとパッケージがガッタガタに破損しておりジャケットはビッリビリに破れており当然ディスクもバッキバキとは言わないが深い傷が何十本も入っていて読み取ろうと頑張るPCのDVDドライブが悲鳴を上げていたので作る方がゴミなら売る方もゴミ、映画がゴミなら映画を収録したソフトもゴミという隙の無さで、もちろん観る方もゴミなわけだからこれはもう制作から流通まで含めてこういう形のハプニング・アートないしアート・パフォーマンスとして捉えるべきなんじゃないだろうか。

評価としては、もちろん100点満点のクリスマス映画である。


『BIKINI BLOODBATH CHRISTMAS』[DVD]


というわけで10本感想を捻ってみたわけですがこれまでは基本的に国内リリースされてる映画の感想を垂れてきたのに今年は半分以上が日本未公開作になってるのは観る映画がなくなってしまったから。クリスマスホラーは意外と日本に入ってきてないみたいで、どうも配給があんまり乗り気でないらしいというのは『A Christmas Horror Story』が未だ日本未公開なことからも察せられる。クリスマスみたいなおめでたい日こそホラー映画なんかでパーッと気分を盛り上げたいと個人的には思うのだが、日本の世間はあんまりそういう感じでもないらしい。残念。

来年のクリスマスホラー感想10本も日本未公開作メインになると思うのでその頃までには多少は英語がわかるようになっておきたいねぇ…ということで来年の学習目標ができたのでまぁこれはこれでいいか。あとそれとはあんまり関係ないんですが別プロジェクトの自称ウェブZINE、MOVIE TOYBOXというサイトでクリスマス映画特集というのもやってるので暇な人はそちらも観てねっていうわけでまた来年!

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