【ネッフリ】身体は闘争を求める『ネクストロボ』感想文

《推定ながら見時間:50分》

学校ではいじめられ家ではロボットに夢中(ロボットテクノロジーの発達した近未来設定)な母親に相手にされず居場所がないパープルヘアーの破壊衝動秘め秘めガールがひょんなことから出会ってしまったのはロボット版のアップル的な会社が極秘に開発を進めていた超兵器ロボ。

刷り込み的にパープルガールをご主人さま認識した超兵器ロボはパープルガールを追って研究所から脱走。
超兵器だから行く手を邪魔するロボットとかたまたま通りかかったロボットとか内蔵ブレードで切断して真っ二つにしてしまうしビルとか橋とかの建造物は基本的に躊躇せず破壊していく。

子どもアニメのくせにのっけからやたらバイオレントだが、でも壊すのは人じゃなくてロボットとかの無機物だから別にいいんだろう(そういう問題なのだろうか)
でこのベイマ…いや7723とかなんかそんな感じの識別番号を持った超兵器ロボがご主人兼お友達と仰ぐパープルガールは超兵器ロボの景気のいい大破壊っぷりにすっかりテンションが上がってしまう(俺も)

やっつけろ7723! いじめっ子なんかやっつけろ! 壊せ7723! そこらへんにあるつまらねぇ物は片っ端から壊してしまえ! 一緒に遊ぼう7723! 今日は一緒になにして遊ぶ?
イイハナシカナァ? みたいな感じで見ているとストーリー急転、パープルガールのメイちゃんとの各種破壊活動を含む楽しい想い出の数々が7723のメモリ逼迫、これからもメイちゃんと一緒に居るためにいらない想い出や機能は消さなければいけなくなる。

それは外部ストレージに移せば済む話なのでは…という気もするがそのへんのディティールはざっくり割り切った子ども映画であるから気にしない。
何故かこの7723的なやつはメイちゃんの飼っているボクサー系の犬と会話ができたりするがそういうロボットだしそういう世界観ですの一言で話は終わりだ! いいんです細かいことは。いいんです。

さて記憶消去によって、そして身体は闘争を求めすぎるメイちゃんの暴走によってふたりのしあわせ破壊生活に陰りが出てきた頃、超兵器ロボを開発した博士はロボット界のジョブズ的なやつにすごい怒られていた。
お前これどうすんだっつの。ネットとかに脱走した超兵器ロボの破壊活動動画アップされまくってるっつの。ウチが作ったってバレたらクリーンなブランドイメージぶっ壊れるっつの。どうすんだっつの。

かくして対超兵器ロボなアナザー超兵器ロボを伴って超兵器ロボ捕獲に動き出したロボット版ジョブズ。だがその裏には唐突にしてとんでもないなんじゃそりゃな陰謀が潜んでいたのだった…。

というわけでクライマックスはアナザー超兵器ロボとのすごいバトルになるのですが、作った人が言うには『マクロス』的なのを作れとの発注だったらしい。
そうかこれが『マクロス』。よく知らないがたぶん多弾頭追尾ミサイルのぐにょ~んとした動きとかが超『マクロス』っぽいところなんだろう前になんかのテレビ番組で見た。たぶんアメトークとかで。

『マクロス』知らない派としては『アーマードコア』でしたね『アーマードコア』、あのバトル風景。
超兵器ロボが周りをうろちょろする弱小戦闘ロボを蹴散らしていくところなんか初代『アーマードコア』の研究施設ステージに大量出現するエネルギー防御が堅すぎるあいつ(※名称不明)を片っ端からブレードで斬ったりロックオンなし廉価ロケットでぶっ壊してる時の感覚が蘇りましたよ。

超兵器ロボと超兵器ロボのロボ世界のマスターを決める闘いは舞台となっていたアリーナを飛び出していざ周辺の高層ビル群へ。
やぁこれはかっこよかったなぁ。敵超兵器ロボのオーバーブーストからの突進ブレード攻撃を7723的な超兵器ロボはエネルギーシールドでガード、すかさずカウンター的多弾頭ミサイル攻撃を仕掛けるがそこで敵側超兵器ロボは通常時の二足歩行形態から飛行形態へ、ビルとビルの間を飛び回りながら破壊しながらするりと多弾頭ミサイルをかわす。

うーん、セラフ。これは『アーマードコア マスターオブアリーナ』に出てきたPS三部作最後のボスの名に恥じない反則性能と格好良さだったナインボール=セラフを彷彿とさせましたな、この敵超兵器ロボは。
あいつもちょっと距離取ると飛行形態に変形してビームライフル撃ちながら超スピードでこっち飛んでくるからな。あとほかにも口調とか色んな意味で濃厚なナインボール=セラフ感。
敵超兵器ロボ、7723とは対照的な兵器丸出しゴツゴツデザインもたいへんよろしかったです。

あれだな、記憶とか外部ストレージ移せばいいじゃん問題も『アーマードコア』解釈で解決するなこれは。
あれはアセンブリなんですよ。外部ストレージとかそんな甘ったれた救済措置はない。上部重量、下部重量、エネルギー、その数値内に機体が収まっているかどうかが全ての世界に放り込まれた新人レイヴン・パープルガールの物語ですよこれは。

華があるから肩キャノンを使いたい、反対側の肩には多弾頭ミサイルも付けたい、左腕には光波ブレード入れて右腕にはKARASAWA持たせて…ふざけるなそんなガキみたいなわがままアセンブリが通用するか!
いやそういう機体も無理に組めばあり得るかもしれないが飛行すらままならないお前のもっさりした重量級機体なんか1000発マシンガンとロケットで蜂の巣だわ!
レイヴンの世界を舐めるなよ! アリーナの新顔に負けるわけにはいかねぇんだよ! イレギュラーなんだよお前はな!

なんの話でしたっけ? あぁそうでした『ネクストロボ』の話でした。そうだなそういうところがおもしろい映画でしたねあんま説明になってない気もしますが。
あとキャラがかわいいのが良かった。ふくれっ面がチャーミングなパープルガールのメイちゃんとか寒冷系ヘアーのいじめっ子ガールとか、あと自分で食べられに来てくれて食べ終わると自分でゴミ箱に入っていくカップヌードルロボットとか。いや冷静に考えるとえぐいなこのロボットなにこれ。

【ママー!これ買ってー!】


アーマードコア マスターオブアリーナ

名作。

↓セラフのプラモほしい


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