わいわい特撮映画『アントマン&ワスプ』の感想

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意外とホラー色が濃くてびっくりするよなクマムシ! クマムシでけぇ死ぬ喰われる! アリ! 大量の仲間アリすげぇ気持ちわりぃ! ゴースト! ヴィランのゴーストいつも揺らいでて掴みどころがない不気味! 赤い目が何個も付いてるし!

怪物クマムシは『ミクロの決死圏』のオマージュかもしれない。大量アリは『黒い絨毯』か『燃える昆虫軍団』か、でかい版のアリ軍団は『放射能X』か。
アントマンがドライブ・イン・シアターで(ふふふ)娘と見てた映画、あれたぶん『放射能X』だろ。夢があって最高だったなあの場面、あの場面でのあの映画。

なんでホラー色が濃いかってやっぱあれじゃないのクラシックな特撮映画とかって基本こわいよね。ワンダーもあるけど恐怖も同居してるよね結構。
で前作はそんな感じあんまなかったと思うんですけどヒーロー映画とはあえて呼びたくないような、ちょっとだけ懐古趣味の特撮映画って感じになってたんですよ今度の『アントマン&ワスプ』。

だから稚気稚気しいのにちょっと怖いところがある。『ウルトラQ』の最初の方とかだってあれ絶対こども目に怖いよね。ていうかオープニングがもう怖いし。
ぼくは特撮人間じゃないので知りませんがなんかウルトラシリーズのどっかにこういう話あるんじゃないかと思いましたよ。

その昔は相棒で夫の博士と一緒にミニミニヒーローとして悪と戦っていたワスプのお母さん。だが世界を救うべく素粒子レベルまで小さくなったら戻れなくなってしまい…みたいなエピソードは前作でも聞いた気がするが実はこのお母さんが量子の世界クォンタム・ワァルドでまだ生きてるんじゃないかというのが話の発端。

クォンタム・ワァルドとはなにか。映像で見る限り結構ちょっとだけわりと『ドクター・ストレンジ』に出てきた亜空間っぽい気がしたのでイメージを使い回してる疑惑があるがいやそんなことはどうでもよくて!
このクォンタム・ワァルドに潜行するひみつマシンを博士は作ってる。これは胸が躍るな…クォンタム・ワァルド潜行マシン! 理屈とか全然わかんねぇけどなんか胸躍るぞそういうの!

というわけでこれも理屈がいまいちよくわからなかったがクォンタム・ワァルド潜行マシンを奪って揺らぐ存在を安定させようとする例の不気味なゴーストが参戦してくる。
アントマンとワスプはでっかくなったり小さくなったりしながらゴーストとVSしながらついでに首を突っ込んできたポンコツギャングともVSしながら真面目すぎて逆にスッコケなFBI捜査官ともVSするのであった。

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その三つ巴四つ巴のバトルが超おもしろくてうーんそうだな『インセプション』、シークエンスの多重構造からいってあそこ特撮お笑い版の『インセプション』って感じでしたねマジで。
本当もう目まぐるしく車やらなんやらがでっかくなったり小さくなったりマイケル・ペーニャが巻き添え的に割って入ってきたり…そうだアントマンの親友マイケル・ペーニャが本格的にストーリーに参戦してきたんだよ!

前作のマイケル・ペーニャは本格派の泥棒でしたが今作ではどうやら改心して泥棒仲間と一緒に泥棒の経験を生かした警備会社的なやつを立ち上げた。が、客が入らないから経営赤字。
クォンタム・ワァルド潜行マシン争奪戦と平行して描かれる有限会社ペーニャ・セキュリティ存続の危機。スーパーヒーロー映画として平行して描くエピソードのチョイスを間違えている気がするがそのご近所感覚が『アントマン』の超いいところだ。

それにしてもご近所感覚とか特撮お笑い版とか書いていると河崎実映画でも見たのかと錯覚してしまう。
マイケル・ペーニャとポンコツギャングのゆるーっとしたやりとりなんて平和で間抜けでしあわせに大笑いですがあれ別に河崎実映画にあってもおかしくないよなっていう気がしたので、超巨大予算で河崎実(的な)をやってのけるマーベルのスーパー余裕っぷりに恐れおののく。

アントマンのポール・ラッド、娘と遊んだりドラム叩いたりイタコになったりと大活躍だったな。アクションがすごいとかそういう感想が主役に対して出てこないあたりアントマンのアントマンたる所以だ。
代わりにヒーロー的な格闘を披露するのはエヴァンジェリン・リリーのワスプで、ストーリーもワスプと父ワスプ(マイケル・ダクラス)を取り巻く確執とか愛憎のお話だったので実質的な主人公はこの人のほう。

かっこよかったなワスプ。前作の筋肉エロスなタンクトップ姿が見られないのは残念至極であったが、ヒーロースーツのボンテージ的な仕立てと光沢のある艶めかしい素材感が素晴らしくフェティッシュ、こんなの身につけてバンバン悪者を殴ったり蹴ったりするので興奮した。
そんな風にしかヒーローを見れない子どもマインドに大人の下半身を持った自分が悲しくなるがしょうがない。大人の下半身といっても見た目はアントマンですが。

小さくなったり大きくなったりする面白さ。この流れでそう書くと卑猥の誤解を招きかねないがいやそういうことではなく、ミニカーとか研究所とかあれとかこれとか様々なモノが小さくなったり大きくなったりすることの純粋な映像的面白さに溢れてる。
理屈のよくわからない大雑把なシナリオというのもその楽しさを阻害しないためにあえて選択されたものなんじゃないか。

計算され尽くしたこの無邪気。子どもSF的わくわくと性の目覚めな微エロ。キャラクターは悪役も脇役もみんな憎めない楽しいやつ(特にペーニャと生真面目FBI捜査官を推したい)。
ああ、きたねぇぐらいおもしろいえいがでしたね。

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よく意味はわからないがなんかすごそうな邦題もすごいし普通に巨大蟻が怖い。そもそも蟻は怖い。

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