現場のツラさは万国共通映画『カンダハル 突破せよ』感想文
うーむこれはなかなか、アツいアクション映画というだけでなく芯の太い体制批判精神の滲む、実にマジな感じの映画でしたね~。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
うーむこれはなかなか、アツいアクション映画というだけでなく芯の太い体制批判精神の滲む、実にマジな感じの映画でしたね~。
まぁ気楽に観ましょうよこういうのは、クサいな~とかベタだな~とか(一人で)言いながら。
あまりにも王道の難病純愛ものだったのでこんなのゼロ年代に公開されてたら完全によくあるあれで終わってたと思うが、原作がビートたけしなのでなんだか特別な一本になってしまった。
ウェルメイドだから観ている間は退屈しないだろうが、それとは別の意味でつまんない映画だなぁって思った。
こんな筋書きの映画はビデオ屋のアクションコーナーにビデオスルーで入ってくるB級アクションで何度観たかわからないのでとくに感想もないです。
記憶には残らないかもしれないけどとりあえずなんかB級ホラーの安定した感じのやつ観たいってときにはちょうどいい映画なのかもしれないな、こういうのは。
事件に次ぐ事件、不穏に次ぐ不穏、その頂点で爆発する荒々しいカーチェイスの興奮と、そして突然の幕切れがもたらす虚無的なカタルシス…映画が終わって1分ぐらいは世界で一番面白い映画だと思った。
労働問題の題材からスタートして政治と私情を鋭く対比させながら生きることの罪と人間の実存にまで羽ばたくこの静謐なダイナミズム。構成も素晴らしいが人間観察眼も実にえぐく、いやいやこれは傑作だ。
なんかシナリオのくだらなさのわりには普通に盛り上がりに欠けてあんまりおもしろくなかった。
うーん、エクストリーム! いやぁ世界は広いですなぁ。こういう映画を観ると自分の抱える悩みとか憂鬱気分なんかがしょせん大したもんじゃねぇなって相対化されて気が楽になりますよ。