悪魔はみんなの心の中に映画『サタンがおまえを待っている』感想文
ティーザーだとなんだかよくわからんがとにかく不気味だからホラーだろうと思わせておいて実はこの映画ドキュメンタリー、1980年代のアメリカに吹き荒れた「サタニック・パニック」がどのようなものだったか検証した作品であった。よい作品だとおもいます。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
ティーザーだとなんだかよくわからんがとにかく不気味だからホラーだろうと思わせておいて実はこの映画ドキュメンタリー、1980年代のアメリカに吹き荒れた「サタニック・パニック」がどのようなものだったか検証した作品であった。よい作品だとおもいます。
観客に怖いものを想像させる上品な受動型のホラーではなく、怖い声を出して怖い顔を出して怖い造型を出して観客を能動的に怖がらせるパワープレイの白石晃士ホラーだ!多少雑だが怖くて面白かった!
怖くてイヤァな気分になるフェイクドキュメンタリーでした! どうなのこういうのは!
トンチキ感のある場面も一部あるものの全体的にはかなりコワく、そして怪談的な切なさも漂う、これは中田秀夫がまだまだJホラーの第一線で戦えることを示した貫禄の一本じゃあないだろうか。
またまた黒沢清フォロワーの作品だが映像表現や音響演出はかなりイイ感じなのでなんかコワイ映画とか尖った映画とかを観たい人にはオススメしたい。
こういうジャンル映画として分を弁えているがかといってへりくだってるわけじゃないみたいな職人イズムを感じさせる映画、イイですよね~。面白い『CUBE』フォロワー映画でした!
めちゃくちゃホラーそしてJホラー。予告編では監督の矢口史靖の名前がでかでかと出て矢口史靖といえばやはり代表作は今でも『ウォーターボーイズ』となろうからコメディの印象の強い人、ジャンル的にはホラーとしても所々に笑いを差し挟んでくるぐらいはしているのだろうと思いきや、なんとこれが笑いゼロであった。
オカルトとかではなくフォークホラーという感じでもなく田舎嫌映画っぽいが睡眠過多により詳細不明。
ただひたすらに新自由主義が世界を覆う現代を戯画化して見せる活人画のごとし86分。面白いかどうかはわからないが、こんな世の中でいいんですかという問いかけとして、そして睡眠不足解消のための睡眠導入映画として、得るところは多い映画じゃないでしょーか。
オリジナルの『ノスフェラトゥ』は別にゴシックではないのだがこちらリメイク版は監督がゴス派ビジュアリストのロバート・エガースだからゴスな雰囲気満点。文明批評の視点もあって面白かったです。