グルが導く『ホドロフスキーのサイコマジック』感想文

奇才ホドロフスキーの精神分析療法ドキュメンタリー。これを観るとホドロフスキーの映画に出てくる様々な暗喩や象徴的行為の含意がするする読み解けるので、いかにも怪しげな臭いがしますがむしろホドロフスキー映画の入門編としても観れる。

【ネッフリ】『狩りの時間』感想文

『GONIN』とか、『ブレードランナー』とか、『ブレードランナー2049』とか、『狩人の夜』とか、あとまぁ『ターミネーター2』とか…を彷彿とさせる、このままじゃ終われねぇよ精神の名作群に連なる傑作、とまで言い切ってしまうと大げさに言い過ぎなような気もするのでとにかく面白い底辺コリアン・SFノワールなのでみんな観てくださいね、ぐらいに留めておく。

メロクロ映画『弥生、三月 -君を愛した30年-』感想文

そこだけ切り取ればなんでもない小さな行動や仕草や風景のひとつひとつも長い人生の積み重ねの上に置かれると独特の意味や情緒を帯びてくる。そのかけがえのなさを大切にする滋味深い映画だと思った。イイ映画。

スタア臨終映画『ジュディ 虹の彼方に』感想文

短い中にもショウビズ業界の裏表、ハリウッドの功罪、くるくる変わるスタアと観客の関係、そこにある一抹の救いを描き切って、ラストは慎ましくも荘厳にハリウッドに殺された大女優ジュディ・ガーランドを追悼。実にすばらしい『スタア臨終』映画でしたね。

あなたの人生の映画『ザ・ルーム』感想文

泣いたよ。上映中何回も泣いた。泣き笑いだけれども既にぐしょぐしょの手で拭うその涙はあたたかかった。

歌舞伎町ヤクザなんかつまらない映画『初恋』感想文

目に光のない窪田正孝、こんなところにハマるとは思わなかったベッキーがハマり役、歌舞伎町をダッシュするブリーフ一丁マン、どこか気の抜けたシナリオが逆に味、後半の乱戦は少しだけ『殺し屋1』風味で、慎ましくもうつくしいラストは三池の歌舞伎町映画らしからぬハッピーエンド。良い映画だった。

ニューニューシネマ映画『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』感想文

ブルース、ゴスペル、ショットガン、湿地帯、盲目の黒人牧師、はみ出し者二人のロードムービー。超アメリカ。超アメリカン・ニューシネマ。

感動した人は読むなよ感想『37セカンズ』(悪口注意)

障害者が主人公だからと過度に障害を前に出す必要もないと思うが、俺はね、障害者も健常者も変わらないよ! っていう強さ志向の「やさしさ」が、どうしても無神経で、個を押しつぶすものに見えて受け付けなかったんだよ。

普通に撮るからいいんだよ映画『淪落の人』感想文

演出とか脚本は平凡でもその平凡さがかえってよかったとも思った。ことさらに奇をてらわない方が刺さる題材ってあるじゃないですか。これそういうタイプの映画。アンソニー・ウォンは名演。