細田流キラキラ映画『竜とそばかすの姫』感想文(多少のネタバレはある)
とくに文句のつけようがないぐらい完成された映画だと思うがこの映画が完成されているのは作者の思想とシナリオのフォーマットが一致しているからだと見えるので、思想が合わない人には合わないんじゃないだろうか。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
とくに文句のつけようがないぐらい完成された映画だと思うがこの映画が完成されているのは作者の思想とシナリオのフォーマットが一致しているからだと見えるので、思想が合わない人には合わないんじゃないだろうか。
なかなか意外性のあるキラキラ映画でこのピチピチに弾けたタイトルからすればコミカルで爽やかで明るく朗らかそしてラブラブな内容を想像してしまうが実際に観ればシリアス系っていうかネガティブ度の高い『君に届け』風。
まじめに不真面目することさえできない無能詩人のかなしい映画だと思うのだが、世の中的にはあまりそうは受け取られていないらしく、そこがまたかなしい。
さすが東映キラキラ映画、随所にファジーというよりも絞り値を間違えているとしか思えないキラふわショットは入ってくるが、その過剰なキラふわ映像をもってしても思春期恋愛の生々しさと人間の業をまったく隠せていない。でも実は結構真面目な映画です。
だいぶわけわからんが観終わった後は新コロ禍の憂さをだいたい40分ぐらいは忘れさせてくれたので楽しい映画であったことは確か。
面白い映画だったがただキルカウント8人という省エネ労働と死んでいい人しか殺さない優しい残酷はやはり不満点なのでもっと容赦なくせめてキルカウント12人ぐらいまではあの外道殺人鬼男性も頑張るべきだったと思います。
要は『ママレード・ボーイ』でしょ? とか言うんじゃない! まぁ設定的にはまぁ…似たようなところもあるが…でもあっちほど爽やかじゃないからこっちは! ドロってるから!
基本的にはティーン向けキラキラ難病映画ではあるがセックスとメシぐらいにしか興味のないガキカップルどもにはちょっともったいないくらいのちゃんとした映画だった。意外にも。
ちゃんと原作があるしキラキラ映画の定石を押さえた作りにも関わらずキラキラを押しのけて宣伝臭がすごい、そして郷土愛、いやむしろ郷土ナショナリズムと呼ぶべき色が…濃すぎる!鬼郷土宣伝映画でした!
アメリカ人はポップ・ミュージックが大好きだしドラッグも大好き!謎生物のミスター・ディンクルスが天国への階段を上るところ、ドラッギーで最高でした!