映画の感想『ハーツ・ビート・ラウド』『7月の物語』
ダメな男ばっかりだなぁ的な映画の感想二本立て。いつになっても子離れできないダメなロック親父が出てくる『ハーツ・ビート・ラウド はじまりのうた』と性犯罪案件の男がたった70分の上映時間に3人も詰まったダメ男のセット販売映画『7月の物語』です。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
ダメな男ばっかりだなぁ的な映画の感想二本立て。いつになっても子離れできないダメなロック親父が出てくる『ハーツ・ビート・ラウド はじまりのうた』と性犯罪案件の男がたった70分の上映時間に3人も詰まったダメ男のセット販売映画『7月の物語』です。
すごかったな、予定調和の裏切らなさ。なんか貶してるみたいですけどそうじゃないんですよ。本当に、本当にベタに面白い普通の予定調和なラブコメだったんですよ。
69分という中途半端なランタイムが時間つぶしにはちょうど良かったので観てみると完全にキッズ向け。大人の観るものではないがこういう内容のキッズ向け作品をネッフリは求めているのかと思うとちょっとおもしろかった。
主人公の実家のあるロングアイランドと女子スケボーチーム“スケートキッチン”が根城にしているマンハッタンの距離感が掴めなかったのでグーグルに聞くと熊谷から池袋ぐらいでした。郊外生活に嫌気が差して池袋に出入りするようになった埼玉の女子高生の話だったのか!違うけど最高!
まぁ人生たぶんなんとかなりますから大丈夫。10連休による給与減でメンタル崩壊の危機にあった非正規雇用の時給労働者としては少しだけ救われた気になる映画体験であった。
繊細な日常描写と生活者の視点は相変わらずの原恵一イズム。ルソーやグランマ・モーゼスっぽい感じもある素朴派絵画的な色彩と構図の力強さといいデザイン:イリヤ・クブシノブのキャラクターたちの醒めた存在感といい、いやこれは傑作だったなぁ。
遊園地、見世物(サーカス)、フリークス、孤独な悪役、色の乱舞、チャイルディッシュな悪意の発露…バートン映画的な要素がいっぱい。バートンこれで完全復活だ。
こんなもん誰が観るかよと予告編が映画館に流れ始めた半年ぐらい前からずっと思ってましたが結果的に観てしまいましたし結果的におもしろかったです。びっくり。
静かに攻撃的なショットがのんびりムードの中にいくつもあって、安易な泣かせなんかには一切走らない非常に乾いた家族ドラマでもあって、こんな映画とは全然思わなかったので驚いた。面白かった。
率直に言って出演アイドルたちのフェミニンな存在感とかグループアイドル的な関係性には全然乗れなかったが、終末ゾンビ映画として超乗れた。