フリーダム映画『ノマドランド』感想文
深夜のダイナー、蛾の舞うトイレ、真冬の荒れ野で座り小便。どこが美しいんだという気もするが美しいんだよそれが。自由の美しさっつーものがそこにはあるんです。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
深夜のダイナー、蛾の舞うトイレ、真冬の荒れ野で座り小便。どこが美しいんだという気もするが美しいんだよそれが。自由の美しさっつーものがそこにはあるんです。
夢か現か。敵か味方か。悲劇か喜劇か。とまぁそんなような映画。悪くはないと思うな俺は。
これが美談化大国アメリカの放つ本気の「美談」だ!美談好きのくせに美談化スキルがゼロの日本人は全員見ろ!見て敬礼!
なんか根本敬の世界と隣接してた。俺が思ってた映画と全然違う…!
現実の法廷の形であるとかその問題点をうまく捉えた誠実な法廷劇って感じで面白かったですね。これを見ればなんで「疑わしきは罰せず」が裁判の原則になっているかよくわかるので教材にもピッタリ。
『黒金星』みたいなゴリゴリの胃痛系サスペンスを想像していたらさにあらず、革命後の男たちのすれ違いと空回りを描いた切な系人間ドラマ。
淡々とした地味な映画ですけど緊張感溢れる密室ドラマって感じで良い映画でした。まぁそれにしても、こんなの見ちゃうと『フルメタル・ジャケット』のハートマン軍曹が超善人に見えちゃうね。
たとえ些細なものであっても人が自分の罪を認めるとはどんなに難しいことか、だからこそ尊いことか、みたいな。一筋縄ではいかないサスペンスフルなノワール宗教寓話で面白かった。
取って付けたようなざっくりフェミニズム、難題にぶち当たったら根性と祈りと運で適当に解決、ワンパターンの展開とバリエーションの少なすぎる音楽…なんか非常にしょうもない映画のような気がするが場面場面のパワーで押し切られます。2時間超えも体感30分。
DC映画らしくなんだかとても歪な映画。でも風刺SFとして最高。