ウェス流スパイ映画かもしれん映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』感想文
まるでイーロン・マスクの思い描く夢のよう。自分がヒーローになりたいという願望だけがあって、現実に困っている人々を助けたいという気持ちは持ち合わせていない人の発想だ。だからこそ箱庭ここに極まれりで面白いのだけれども。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
まるでイーロン・マスクの思い描く夢のよう。自分がヒーローになりたいという願望だけがあって、現実に困っている人々を助けたいという気持ちは持ち合わせていない人の発想だ。だからこそ箱庭ここに極まれりで面白いのだけれども。
観る前は191分とかなにかの間違いではないかと驚きながらふざけんなバカてめぇ巨匠気取りかコラと心の中で暴言を吐いていたが、観終わった今はええもん観せてくれてありがとうの気持ち。とても見応えのある力作でございました!
一言で言えば暗黒アニメ界の『もののけ姫』という感じのアウトサイダー・アート・アニメ大爆発作。ものすごいぞ!
面白くはないがつまらないとは言えない、韓国ノワールの底力を感じる映画だったかもしれません。
まるでA24が作ったようなアート志向のスラッシャー映画だ!ま、こういうスラッシャー映画も世の中にはあるってことでいいんじゃないすかね。ただ殺人鬼のマスクはダサすぎ。
前作の青春感が好きだった人なら「は?」な可能性もあるが、なんかゴチャゴチャといろいろやるから前作とは違うベクトルで今回もまた楽しい映画ではあった。
面白かったけどリモノフという二流のトリックスターに対するセレブレンニコフの複雑な思いの方が、この映画そのものよりも興味深いものかもしれんね。
日頃からハリウッドなんかさっさと潰れろと言って憚らない俺ではあるが、なんだかんだこういう狂騒的でありつつ気の利いた楽天的なハリウッド喜劇はおもしろい。
抱腹絶倒の子ども喜劇でありつつ舌鋒鋭い学生運動批評の映画でもあるというアクロバット!これは素晴らしい!監督の呉美保と脚本の高田亮に俺デミー賞10個贈呈!
ウェス・アンダーソンとロイ・アンダーソンの映像世界をかなり露骨に彷彿とさせられる虚構コミカル群像劇。センスの良い洒落た映画でした。