オトコノコ映画『佐々木、イン、マイ、マイン』感想文
この内山拓也という監督の前作が『ヴァニタス』というタイトルを持つのは偶然なのかそれとも狙ったところなのかは不明だが言い得て妙だなと思う。『佐々木、イン、マイ、マイン』もまたオトコノコ世界のヴァニタスであった。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
この内山拓也という監督の前作が『ヴァニタス』というタイトルを持つのは偶然なのかそれとも狙ったところなのかは不明だが言い得て妙だなと思う。『佐々木、イン、マイ、マイン』もまたオトコノコ世界のヴァニタスであった。
基本的にはティーン向けキラキラ難病映画ではあるがセックスとメシぐらいにしか興味のないガキカップルどもにはちょっともったいないくらいのちゃんとした映画だった。意外にも。
いや別にやるのは自由だけれども今の時代にそれやるかねっていう濡れ場のないロマンポルノ。
ちゃんと原作があるしキラキラ映画の定石を押さえた作りにも関わらずキラキラを押しのけて宣伝臭がすごい、そして郷土愛、いやむしろ郷土ナショナリズムと呼ぶべき色が…濃すぎる!鬼郷土宣伝映画でした!
『トレインスポッティング』以前も以後も作られ続ける野蛮で不毛で貧乏でアジテーショナルでかつ感傷的にスタイリッシュに捻くれた英国不良映画のザ・王道。場当たり的で安っぽいポストパンクなサントラがいーんです。
ポスターとか見るとヴィヴィットな色使いのいかにもなキラキラ映画なので開始15分ぐらいモノクロ画面とかいうそう来るか演出にもしかしてシアターを間違えたんじゃないかと思ってしまった。すごいキラキラ映画だ。
シャイニングといってもシャイニングガンダムじゃなくてスタンリー・キューブリックの『シャイニング』です。森崎ウィンさん『レディ・プレイヤー1』の『シャイニング』ステージで遊びすぎてついにジャック・ニコルソンになってしまいました。ゲームのやりすぎはよくない!
こんなのコントにもならないがどうせやるんなら吉本芸人とか出してちゃんとバカみたいにやるべきなのだ。バカみたいなお話はバカみたいに撮るべきであって糞真面目ぶるべきではないのである。
はいはいわかってますわかってます、わかってますよ。俺はそんなにノレないけどみんなは超大好きなやつでしょ『ブックスマート』。だから全然切ない内容じゃないのに切ないんだよ!
殺人寒天の場面、俺は知らないですけどあれネタ元を知ってる人はあーはいはいそれね! って絶対なってる。フェミリー映画とマニア映画の際を攻めたディズニー×ピクサーらしいいぶし銀の映画だなと思った。