理性を超えて共感せよ映画『サントメール ある被告』感想文
帰りにポスター見たら法廷劇というようなことが書いてあって法廷を舞台にした物語だから別にウソではないけど法廷ドラマとか法廷ミステリーのようなものを想像して観るとだいぶハシゴ外されるなこれという映画。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
帰りにポスター見たら法廷劇というようなことが書いてあって法廷を舞台にした物語だから別にウソではないけど法廷ドラマとか法廷ミステリーのようなものを想像して観るとだいぶハシゴ外されるなこれという映画。
古典メロドラマ的な展開に古いなーと思うところはあるが「あの頃」の感じを鮮烈に思い出させてくれる面白い映画だったと思います!
意表を突く構成、ドキュメンタリー風の硬質な映像、監獄を立体的に表現するに留まらず人物の内面にも踏み込む音響、そしてなにより主人公を含めたムショの面々の見事なやさぐれ芝居と、かなりイイ映画であることは間違いない。
面白いところはたくさんあるのだが、ストップモーション・アニメのフェイク・ドキュメンタリーという奇抜なスタイルが、なんだかその面白さの足を引っ張ってしまっているように感じた映画だった。
このような映画に能書きなど不要。ライズボローの見事な芝居を観れば長々とわかったような感想を垂れる気もなくすというものだ!
そんな大して面白い映画ではないけれども『タクシードライバー』の脚本家がようやくこの境地に辿り着いたんだなって思うとちょっと沁みる。
フェミニズムの映画と思いきやたぶんこれは信仰の揺らぎについての映画でした。
狭苦しい街並みと表情筋の乏しい人々を観ていると日本のそれと被ってしまうところもあり、はーやるせない。実にやるせなくて良い映画でしたね。これは人生についての物語。
ある意味、こんな映画が作られてそしてウケているらしい(俺の観た回はほぼ満席だった)という現実そのものがホラーであった。
面白いけどそんな大した映画じゃないんじゃないって思うしよくよく考えれば売りの群像ミステリー構成も最近の邦画トレンドでしかないよなみたいな。