無味乾燥映画『ANNA/アナ』無味感想文
『ヴァレリアン』が興行的に大コケしちゃったし性的暴行疑惑(不起訴になったらしい)もあってキャリアの危機に瀕したベッソンが『ニキータ』路線の手堅い映画一本撮ってキャリアを立て直そうとした結果がこれなんじゃないのみたいな映画です。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
『ヴァレリアン』が興行的に大コケしちゃったし性的暴行疑惑(不起訴になったらしい)もあってキャリアの危機に瀕したベッソンが『ニキータ』路線の手堅い映画一本撮ってキャリアを立て直そうとした結果がこれなんじゃないのみたいな映画です。
エジソンの伝記映画と言われれば脊髄反射的にお勉強映画を想像するがそんな映画では全然なかったという衝撃。あえて言うなら映画版『帝都物語』のような…なんだかすごいぞ!
オバマ前大統領も大変だったんだなみたいな変種のポリティカル・サスペンスです。傑作(オバマ前大統領は出てきません)
不要不急の他県移動は控えてくれと偉い人から言われても映画館で新作がやっているのならおいそれと従うわけにはいかない。たとえそれが幸福映画だとしてもだ。だが、二時間かけて辿り着いた映画館で見たものは…。
まぁ観たからには感想書くけど取り立てて書くこともないというのが本音。別につまらないわけじゃないが面白いわけでもない。そんないつものネッフリ映画。
ちょうどいい。実にちょうどいい。こういうやつが観たいなぁ~っていう時の「こういう」にドンピシャで入ってくる映画だ。完璧に『セブン』のパチモノだがパチモノとして一級品と言っていいだろう。なんだか語義矛盾のようですが。
個人的に想像する全共闘といえば「ゲバ棒」とか「粉砕」とか「中止だ中止!」等々のワードが形作る要は『AKIRA』的なものだったので拍子抜けを通り越して脱力すら覚えるほのぼの討論っぷりにズッコケてしまった。でも羨ましいね、この関係性。
ダメだなドランは。相変わらずナルシスティックに自分の世界に自足して外の世界などお構いなし。プライベートな事柄を描くときにはそれもプラスに転ずるが、ドラン的にはいちばん外の世界に近づいたと思われる今度の映画だとそのへんのダメさが露骨に出る。そのダメさが、俺みたいな意地の悪いアンチには逆に好感の持てるところではあったが。
『デスノート』的な書いたら現実になる本の話かと思っていたが怖いことを勝手に書いて勝手に現実にしてしまう本の話だった。怖さはマイルドですがよくできてます。
半ば無意識的にコメディでありつつホラーという中間地帯をお祭り気分で描破した『ウィッカーマン』と『2000人の狂人』の偉大さを改めて知る。