見せてくれなくていいよ映画『砕け散るところを見せてあげる』感想文
SABUの監督作をそんなの多く観ているわけではないので何がSABU的とかSABU的じゃないとかは具体的には知らないのだが大丈夫なのか。大丈夫なのかSABUこれ。
アンチ・シネフィルなゆるふわ系にわか映画ブログ。
SABUの監督作をそんなの多く観ているわけではないので何がSABU的とかSABU的じゃないとかは具体的には知らないのだが大丈夫なのか。大丈夫なのかSABUこれ。
ノワール風味濃厚なポリスアクション映画として超よかった。21本の橋がどうのはあんま関係ない。
面白い映画だったがただキルカウント8人という省エネ労働と死んでいい人しか殺さない優しい残酷はやはり不満点なのでもっと容赦なくせめてキルカウント12人ぐらいまではあの外道殺人鬼男性も頑張るべきだったと思います。
そういう教科書でもあるのかよっていうぐらいに日本のインディーズ映画の野心作的な売り方をされる映画の人物描写は画一的でこれもなんかそんな感じでした。
監督とマックス・リヒターの目論見通りぐっすり眠ったので気持ちよかったがどんな内容だったかは基本的にわからないという斬新な映画である。
思ったより笑える。思ったより切ない。思ったより残虐度低め。激しい残酷描写が一部ないわけではないので人によってひえ~かもしれませんが切ないひえ~なので不快感とかはないんじゃないかな。
これあくまで俺の憶測なんですけど結論から言うと『ホムンクルス』事故った映画だと思います。事故映像が大好きな悪趣味諸君は必見!いやそういう事故じゃないんだが。
世の中を良い方向に変えるための理想や期待がかえって世の中を硬直させ人々の関係を悪化させがちな昨今であるし、この映画自体はそこまで話を広げないミニマムで私的な内容ではあるが、そこに込められたメッセージの射程は存外広かったように思う。
観てる間は超すげーやべーおもしれー韓国映画にも引けを取らない完成度ださいこーって思ってたんですけど数日経って今振り返るとなんか、結構そんなでもない。実はそこがこの映画の勘所なんじゃないかという感想。
こういう映画を今作っているからには作り手の人にも相応の意気込みとかはあるのだろうが結果的に東アジア反日武装戦線の輪郭をさっと描いただけで終わってしまった。